ジャンル : クラシック > 協奏曲
いまが旬のオーボエ奏者といえば、迷わずフランソワ・ルルーの名をあげよう。自在にビブラートを変化させ、音色に彩りを加えていく。その表現力の多様さがルルーの魅力。バッハの音楽におけるオーボエの重要さを再認識させられる。とにかく鮮やかで巧い。
チャイコフスキーは、ツィンマーマン2度目の録音。ブルッフは、意外にも初めてだ。すでに40歳代となり、円熟への道を進み始めているもっとも脂が乗っている時期のものだけに、素晴らしい出来に仕上がっている。
制作・出演
アレックス・クライン / シカゴ交響楽団 / ジョゼフ・ゴラン / ジョン・シャープ / ダニエル・バレンボイム / デイル・クレヴェンジャー / デイヴィッド・マクギール / ラリー・コムズ / リヒャルト・シュトラウスシュトラウスの初期のホルン協奏曲やアンダンテ、晩年の二重小協奏曲やオーボエ協奏曲は、シカゴ響の首席奏者たちの競演が楽しめる贅沢な録音。そして、最後はバレンボイムのピアノ独奏が聴けるサービス満点な一枚だ。
発売元
日本コロムビア株式会社モノラル録音ながらも名盤として愛され続けてきたアルバム。ロストロポーヴィチはまだ25歳ながら、すでに巨匠の風格を持ち、伸びやかでスケールの大きい演奏だ。ターリヒ指揮チェコ・フィルもドヴォルザーク演奏には欠かせない存在だった。長く伝えたいアルバムだ。
制作・出演
カール・ニールセン / サイモン・ラトル / シュテファン・シュヴァイゲルト / ジョナサン・ケリー / パユ / ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 / マイヤー / ラデク・バボラーク / ラトルベルリン・フィル縁の才人ふたりをソロに、ラトルが取り持つニールセンの今世紀的展開。懐の深い立体的な描写の重なり合いを通して、ほのぼのとしたデンマークの日常すら想起される面白さ。20世紀から引きずってきた“ニールセン像”が書き換えられる。
冥王星が太陽系の惑星からはずされ、ホルストの時代と同じ8個となって、あらためてこの作品が注目されるようになった。カラヤンの2度目の録音で、雄大でダイナミック、他の追随を許さない壮麗さが味わえる。
「四季」はムター2度目の録音で、ドイツの現代画家グラウプナーの絵に触発されて行なったというコンサートからのもの。若手のアンサンブルを率いて、弾き振りでの個性的で自在な演奏を聴かせている。
庄司紗矢香の通産4作目となる、2枚目の協奏曲アルバム。チョン・ミュンフンの万全のサポートのもと、陰影に富んだニュアンスやスケール感など、その才能が隅々にまで輝きわたった演奏だ。
ドイツ・グラモフォンでの3枚目のアルバムで、2枚目となるラフマニノフの協奏曲。表面的なテクニックを聴かすのでなく、ラフマニノフの持つ抒情性とロマンティシズムを丁寧に紡いでいる。
80歳を過ぎたゼルキンが、50歳前後だったアバドと組んで17曲ほど録音したシリーズの中から、短調の2曲を組み合わせたアルバム。重厚さと軽さ、深さと広さ。晩年のゼルキンが到達した至高の芸術が味わえる。
ポリーニ2度目の全集からの1枚。指揮者の年齢が若返り、ポリーニも円熟味を深め、両者による一分の隙もないような演奏が出来上がっている。ライヴとは思えない完成度の高さで、全体の流れも細部の彫琢も文句なしだ。
17歳のキーシンが晩年のカラヤンと共演したチャイコフスキーと、新しくBPOのシェフになったアバドとのプロコフィエフという興味深い組み合わせ。2人の名伯楽のもと、キーシンが伸び伸びと実力を発揮している。
協奏曲は、ピリス2度目の録音。円熟の度合いを増したピリスが、細部にまで細かな情感を込めて知的にコントロールした名演だ。幻想曲や子守歌も、濃やかな表情が息づいた瑞々しいショパンを聴かせている。
ヴァイオリン協奏曲は、カラヤンとの録音以来23年ぶりの再録音となったもの。貫禄をつけ、マズア、ニューヨーク・フィルを控えさせて、自己のベートーヴェン観を全面に押し出しての堂々たる演奏となっている。
抜群に美しい第2楽章を持つ第21番と、独奏のピアノが華麗な第26番の組み合わせ。モーツァルトのスペシャリストでもあるピリスによる演奏は、モーツァルトの美しさが際立っている。アバドのサポートも見事。
ヒラリー・ハーンのDG移籍第1弾となったアルバム。ハーンが敬愛するバッハを、キリッとしたメリハリをつけて若々しく、しかし落ち着いた安定感のある演奏で語っている。新鮮な感動をもたらす一枚だ。