ジャンル : クラシック > 協奏曲
東京でもベートーヴェンのソナタ全曲演奏チクルスを開いているフェルナーの、久々の協奏曲録音。4番の出だしの何気ないピアノ・ソロから引き込まれてしまう。伝統を感じさせながらも、この演奏は新しい。ナガノもオケも古楽スタイルを意識しながら、彼との息はぴったり。★
若き日のスターンの凄さがひしひしと伝わってくる、ヴァイオリン協奏曲の名演を収録。オーマンディの曲のまとめ方やヴァイオリンとの一体感もまことに立派。ローズとの二重協奏曲も見事なものだ。
弾き振りが楽しめる「ピアノ協奏曲ト長調」、マリリン・ホーンの名唱が感動的な「シェエラザード」などが注目の、バーンスタインの名演集。フランチェスカッティの洒脱な演奏が魅力の「ツィガーヌ」も聴きどころだ。
制作・出演
アカデミー・オブ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズ / ギドン・クレーメル / サー・コリン・デイヴィス / サー・ネヴィル・マリナー / バイエルン放送交響楽団 / ベートーヴェンベートーヴェンはクレーメル2度目の録音で、シュニトケのカデンツァを使用した先鋭的な演奏で話題となった。ベルクも繊細で求心的な演奏を披露しており、同曲の代表盤のひとつとなっている。
五嶋みどり15歳の時の録音。とりわけパガニーニが素晴らしく、表情の付け方や間合い、ボーイング、指使い、いずれもすでに高度なテクニックを身に付けていることが分かる。彼女の本領発揮といったアルバムだ。
モーツァルト後期の傑作2曲を収録。ブレンデルが70歳を過ぎてから取り組んだモーツァルトの協奏曲シリーズで、彼の円熟の境地が堪能できる。第22番のカデンツァはブレンデル自身の作曲によるものだ。
ブレンデルとラトルとの初顔合わせとなった、4度目のベートーヴェン全集録音からの一枚。ラトル率いるウィーン・フィルの闊達な演奏にブレンデルがいつになく興に乗り、一段と味わい深い演奏を繰り広げている。
ブレンデルとラトルが初顔合わせで完成させた全集録音からの一枚。ブレンデルにとっては、実に4回目の全集となる。ラトルの才気にブレンデルの磨き抜かれた美音が絡まって、精彩に富んだベートーヴェンとなった。
ブレンデルの2度目の録音となるブラームスの「ピアノ協奏曲第2番」。全体をまとめる構築力と細部にわたる知的なアプローチとの、絶妙なバランスの上に成り立ったブラームス。アバドが作り出す美しい響きと相まって、スタイリッシュな演奏に仕上がった。
ムローヴァの、フィリップス・レーベルからの2作目となったアルバム。ムローヴァの透明感あふれる美音を生かした演奏で、徹底的な描写も大きな話題となった。若きムローヴァの魅力あふれる一枚である。
90年代半ばから大きな変貌を遂げたムローヴァが、ガーディナー率いる古楽オーケストラと共演した話題盤。古楽奏法を取り入れて新鮮なベートーヴェンとメンデルスゾーンを聴かせた、ムローヴァ渾身の一枚だ。
レーピンがゲルギエフと初めて共演した演奏会のライヴ録音。ミヤスコフスキーは20世紀前半に活躍したソ連の作曲家で、この作品は完全に後期ロマン派の作風だ。どちらもレーピンの上手さが光っている。
ムターのメンデルスゾーン・アルバム。協奏曲ではムターらしい表現の幅の広い独創的な演奏が聴ける。ピアノ三重奏曲第1番では、個性的なムター、ロマンティックなハレル、優美なプレヴィンの組み合わせが面白い。ソナタはプレヴィンとの親密なデュオ。
スペインの若きトランペット奏者シメオが颯爽と奏でる協奏曲集。名手アンドレ直伝の目を見張るテクニックが堪能できる。フンメルの第3楽章、超絶技巧を感じさせぬ楽々たる天真爛漫な音の飛躍に血が騒ぐ。聴き終わって痛快感の残る愉悦に満ちたCDである。
登場を祝福されるべき録音。エルガーの会心作ともされるヴァイオリン協奏曲だが、これまでは20世紀前半の英国趣味に囚われていた感が強かった。イングリッシュネスの縛りを振り解いた功績者は誰よりもスナイダー、加えて伴奏の妙がともに作品本来のダイナミズムと歌を描ききった。★
制作・出演
イタリア合奏団 / ジジーノ・マエストリ / ジュゼッペ・マニャーニ / ジュリオ・フランゼッティ / ジョヴァンニ・グリエルモ / パオロ・チョチョーラ / マッシモ・クワルタ / ミラン・トゥルコヴィッチ / ヴィヴァルディ発売元
日本コロムビア株式会社ワン・ポイント録音が話題になった盤で、今回ハイ・クオリティCD(HQ)仕様での再発売。中低域が充実して厚みが増した。イタリア合奏団のヴィヴァルディなんだからなんら文句はない。それにトゥルコヴィッチのバスーンが美しい。この楽器の魅力を知るには格好のアルバムじゃないだろうか。
制作・出演
HenrikWahlgren / J.S.バッハ / クレメンス・レーグナー / グンデル・ジャンネマン=フィッシャー / スザンヌ・ヴェッテマン / デイヴィッド・ペーターゼン / ヨッヘン・プレス / ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団 / リッカルド・シャイーシャイー初のバッハ。彼もまた現代楽器を使用しながらも古楽器奏法を取り入れた、いわゆる最近流行のスタイルである。明るい軽妙さと、ゲヴァントハウスの特に管楽器奏者のうまさが前面に出たものである。全体の響きもすっきりと整理されており、爽快である。