ジャンル : クラシック > 室内楽曲
2003年11月に来日して全国8公演をこなした旧東独の名門ベルリン室内管のアルバム。コッホの後を継いだ現音楽監督の女流ヴァイオリン奏者ショルツがリードするモーツァルトとハイドンの名曲集だ。明快な音楽言語とイントネーションを持った気持ちの良い演奏。
フル・オーケストラのどっしりとした響きこそ望めないが、多彩な打楽器がきびきびとリズムを刻みだし、マリンバ、ヴィブラフォンがメロディを奏で、きらきらと輝くように響きわたる「惑星」が耳に心地よい。打楽器ファン以外にもお薦めしたい一枚だ。★
バシュメットがBMGに残した名演を集めた2枚組のベスト・アルバム。彼のロマンティックな演奏が堪能できる。今やヴィオラ界の第一人者となった感のあるバシュメットだが、彼の演奏は、正統派というよりも、やはり個性的といった方がよいだろう。
制作・出演
ウィーン弦楽四重奏団メンバー / シューベルト / ジャスミンカ・スタンチュール / ハンス・ペーター・オクセンホファー / フリッツ・ドレシャル / ミヒャエル・ブラデラー / ヴェルナー・ヒンクワザと耳と知性が、丁々発止とざわめき立つエモーションのなかで、きわどくも鮮やかにバランスする超絶アンサンブル。火付けはアルゲリッチだが、4者が響きのかたちに応じて素速く主客交代しながら交感していく応酬のさまが実に濃密にスリリングである。
1975年に創立されたシドニーを本拠とする室内合奏団。コレッリからロドリーゴまでの9曲を収めた当盤では、タイトルの示すとおりさまざまな情景(シーン)が目に浮かぶようなイメージ豊かな演奏を披露している。彼らの優れた合奏力と柔軟性を実証する一枚。
制作・出演
シャルル・シルルニク / ジャン=ピエール・ランパル / ジャン=フランソワ・パイヤール / ジャン・ユボー / ドビュッシー / パイヤール室内管弦楽団 / ピエール・パスキエ / ポール・トルトゥリエ / リリー・ラスキーヌパイヤール室内管は、爽やかな明るさとノーブルな味わいを兼ね備えており、「小組曲」では独特の軽快さも発揮している。ドビュッシーが晩年に書き綴った3つのソナタには、ランパルをはじめ、フランスの名手たちが登場。手の内に入った表現が見事である。★
ことさら声を張り上げてサティの革新性を説くのは青臭いが、今でも十分エキセントリックな音楽に聴こえるのは疑いない。若きルネ・クレールのダダ的映画に付けた(1)、珍妙なタイトルとミニマル音楽を先取りしたような作りの「家具の音楽」など、サティの真価はここにある。