ジャンル : クラシック > 歌劇・オペラ
小貫岩夫のリリカルな声は凛とした芯の強さを併せ持つ。オペレッタにおいても甘美な旋律美だけではなく舞台を彷彿とさせるリアルな表現が魅力だ。とろけるようなウィーンの弦に導かれて歌い出される天羽明惠との二重唱「唇は語らずとも」がえも言われない。
20世紀女声楽界の女王として君臨したシュワルツコップが絶頂期に残した名盤をHQCD化。モーツアルトの傑作オペラでの役柄を完璧に掌握した歌唱は、初々しく清らかだ。
制作・出演
アンドレア・ボチェッリ / アンリ・メイヤック / エヴァ・メイ / ジャン=リュック・バレストラ / チョン・ミュンフン / ティエリ・フェリクス / ビゼー / フランス放送フィルハーモニー管弦楽団 / ブリン・ターフェル / マリーナ・ドマシェンコボチェッリがドン・ホセをうたった全曲盤からの抜粋盤。有名曲だけでなく、物語の内容もわかるような選曲となっている。全曲盤を聴き通すのはいささか大変なので、初心者やボチェッリ・ファンには格好の一枚といえる。
制作・出演
エルズビェタ・シミトカ / サイモン・ラトル / シマノフスキ / トーマス・ハンプソン / バーミンガム市シンフォニー・ユース・コーラス / バーミンガム市交響楽団 / バーミンガム市合唱団 / フィリップ・ラングリッジ / レイフ・オヴェ・アンスネスラトルが「真のマスター・ピース」としながら、90年代当時、ポーランド以外の国で演奏されることが極めて少なかったシマノフスキの音楽を取り上げたアルバム。交響曲第4番のピアノはレイフ・オヴェ・アンスネス。
吐き出す息がその場で凍るほどの極寒の果てに迎えた“春”への深く静かな感動を歌うタイトル曲をはじめ、クラシックからポップまでジャンルを超えた珠玉のメロディが揃った。楽曲の魅力を何倍にもする、輝かしく力に満ちたバリトンは平林龍。この煌めくような美声のデビューに心打たれる。
制作・出演
R.シュトラウス / アンネッテ・マルカート / ケルスティン・ヴィット / ジェイムズ・モリス / ジェシー・ノーマン / ドレスデン・シュターツカペルレ / ヘドヴィヒ・ラッハマン / リチャード・リーチ / ヴァルター・ラファイナー / 小澤征爾小澤とドレスデン・シュターツカベルンの組み合わせ、さらにジェシー・ノーマンのサロメということで大きな話題を呼んだ録音。小澤の緻密なドラマ作りと、ノーマンの舞台では絶対あり得ないドラマティックで強靭なサロメが聴きものだ。
エジソンが蓄音機を発明した当時、人々が真っ先にレコードに収めようとしたのはオペラのスターであった。3枚のCDにはSP黎明期のアコースティック録音からLP登場前夜の若きテバルディの瑞々しい歌声まで、イタリア・オペラの歴史に残る歌唱を収録。カルーゾ、テトラッツィーニ、ファーラーなど、伝説的名歌手の歌声が鮮やかに甦る。SP盤の針ノイズが巧みに除かれ、電気吹き込み以降のものは特に聴きやすい。なかんずく白眉はガッリ・クルチとデ・ルーカによる「椿姫」の二重唱。カルーゾのイタリア民謡も心に沁みる。
内藤孝敏によるノイズリダクション方式で届けられたSP盤からの復刻シリーズ。往年の名歌手たちによるイタリア・オペラ・アリア集だ。19世紀末から20世紀前半の歌唱スタイルを知る貴重な記録が詰まっている。
制作・出演
アンドレア・ボチェッリ / アンリ・メイヤック / エヴァ・メイ / ジャン=リュック・バレストラ / チョン・ミュンフン / ティエリ・フェリクス / ビゼー / フランス放送フィルハーモニー管弦楽団 / ブリン・ターフェル / マリーナ・ドマシェンコ聴きものは何と言ってもボチェッリのホセ。いくぶんくすんだ色合いの力強い声がこの役に打ってつけだ。凄みのある低音を響かせるドマシェンコのカルメンも出色の出来栄えである。オペラ・コミークらしい軽さで名曲に清新の気を吹き込むミュンフンの指揮も秀逸。
制作・出演
オイゲン・ヨッフム / カタリーナ・リゲンツァ / クリスタ・ルートヴィヒ / ゲルト・フェルトホフ / ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ / ベルリン・ドイツ・オペラ合唱団 / ベルリン・ドイツ・オペラ管弦楽団 / ペーター・マウス / ワーグナーヨッフムの円熟の指揮で、“マイスタージンガー”の重厚さと軽妙さが見事に表された名演。フィッシャー=ディースカウの上手さが光るが、他の歌手陣も豪華で充実している。ドミンゴが出演しているのも今となっては貴重である。