発売元 : フィフティ・ファイヴ・レコード
2010年5月に他界したハンク・ジョーンズの追悼盤、全14曲は76年東京での録音である。数多のキャリアで必ず耳にする機会がある多才なプレイヤーの一人である。前半の7曲が偉大なデューク・エリントンに捧げられたトラック。「ソフィスティケイテッド・レディ」などは彼の紡ぐ美しいハーモニーと優しさ、時に力強さも表現され非の打ちどころがない。
11曲をピックアップした自選曲集。デビュー作と第2作は小曽根真プロデュースによるヴァーヴ作品。それらを含め全リーダー作5枚からのチョイス。デュオからクインテットまで編成はさまざまだが、一貫して熱いスピリット。演奏はもちろん、オリジナル曲が美しい。
3年半ぶりのアルバム。楽器編成からの想像どおりアコースティック音を前面に出した、素朴で牧歌的な安らぎサウンド。自作「カウ・デイジー」「サークルズ」「インティメート・ストレンジャーズ」をはじめ、全曲に懐かしさを覚えるあたりには、かつてのフリゼールのイメージも。ヨリスのクラリネットが、本トリオのもう一本の支柱、アクセントになっている。
ベースの鈴木良雄が6人のピアニストと共演したデュオ集。音楽活動40周年を記念した企画だ。ベースの第一人者だけあり、さすが共演者も一流ばかり。曲目は鈴木のオリジナル中心。演奏の素晴らしさは言うまでもなく、しゃれたセンスもこの人ならでは。
アメリカでもその実力が高く評価される、オランダ出身の女性アルト・サックス奏者の通算4作目。選りすぐったプレイヤーが集結していて、相互に共演者が発する音に触発されながら、また各自が知的なコントロールを作用させながらの緊張感みなぎる、ハイ・レベルな演奏がスリリングだ。★
熱帯ジャズ楽団、守屋純子オーケストラ、小曽根真ビッグバンドなどで活躍するベテラン・アルト奏者の初リーダー作。全曲オリジナル。キレとコクのある潔いワン・ホーン演奏が爽快。唯一クインテットによる1曲は岡崎好朗のトランペットがブリリアント。力作です。
制作・出演
エリック・ガニソン / ジェラルド・クレイトン / ジェームス・ムーディ / タミール・ヘンデルマン / チャック・バーグホファー / ニール・スウェインソン / ロイ・ハーグローヴ / ロバータ・ガンバリーニエラ、サラ、カーメンの後継者本命、3年ぶり待望のサード作。スキャットを駆使したアップ・テンポと情感豊かなスローの使い分け、緩急の妙が絶品。イタリア人ならではの「エスターテ」も素晴らしい。ジェームス・ムーディとロイ・ハーグローヴがゲスト参加。推薦。★
バリトン・サックス奏者のメヌーと、名ギタリストのルーラー。欧州代表クラスともいえる二人の手にかかれば、マリガン作品もここまでヨーロッパの気品と粋を感じさせる音に。ジム・ホール役ともいえるルーラーの温かく伸びやかなトーンが利いている。
NYで活動するベーシストの5作目。大御所ジュニア・マンスと、注目の若手ダニー・グリセットの二人のピアニストを起用した、自身初のピアノ・トリオ作品。静謐とスウィングの中に中村の美意識が浮かび上がる。オリジナル曲で半分以上固めた意欲作。
オランダの精鋭たちが参加した人気ビッグバンドのJOCとジェシ・ヴァン・ルーラーの共演作。ジャズ・クラブで収録。選曲はすべてジェシ作曲のオリジナル。レベルの高いモダン・オーケストラをバックにジェフは自己のギター世界を展開。ギターの音が鮮明にきこえる。
制作・出演
ジェシ・ヴァン・ルーラー / ジャズ・オーケストラ・オブ・ザ・コンセルトヘボウ / ピーター・ビーツ / フランス・ヴァン・ヘースト / ヘンク・ムトヘールト / マタイン・ヴィンク / ヤン・ヴァン・ダウケレン / ルート・ブルルスオランダのオーケストラでまったく無名の存在と思われるが、ご機嫌なビッグバンド・サウンドを聴かせてくれる。オーソドックスな編成で内容も伝統に即しているが、古さはまったくない。ビッグバンドの躍動感が存分に味わえるところが最高!。