音楽むすび | 1989年発売

校舎の裏、を思い浮かべてしまうのだ。3作目。三上寛の初期よりも青々しながらいつも土足なのが最大の魅力だ。文芸部の厳しさをいやというほど思い知らせてほしい。声音とバックの音とのすきまがこれほど恐しいバンドは他にない。乱調ゆえの我国の宝。

スイング・ピアノの名手テディ・ウイルソンが70年代半ばに吹き込んだファッツ・ワーラー作品集。全編ソロ・ピアノだが、明瞭なタッチと安定した演奏で心地好い安堵観を覚える内容。派手さはないものの、古き佳き時代を偲ばせるアルバムとなっている。

ウェブスター晩年の演奏はどれをとってもブレスが過剰で、この咽び泣くテナー・サウンドにしびれる人は別として、オーバーな表現には辟易させられることもある。この作品もちょっとやり過ぎで勘弁してもらいたいが、それを救っているのがコールマンだ。