音楽むすび | 1995年1月21日発売

マタニティ・コンサートを10年続けているというフルート奏者の腹に優しいスタンダード・ナンバー集。こんなのを聴いていると、Pファンクの6時間立ちっぱなしライヴがマタニティ・コンサートだったウチの元胎児など、単に不運だったとしか言いようがない。

今まで本や人の話でしか知らなかった齋藤秀雄像が、実像となって迫ってくる。張り詰めた緊張の中にも、歌心を失わない演奏。さらに特典盤では、練習風景やインタビューから、彼の人間像がくっきりと浮き上がる。私自身の自己反省も含めて、感動した。

クラシックの小品をジャズにアレンジして聴こうというお馴染みの企画盤。この手のものは選曲で勝負が決まる。いずれも多くのひとに馴染みのあるメロディが、ちょっとお洒落なジャズ感覚で演奏されていく。気の効いた小道具としても中々重宝な1枚。