1995年12月16日発売
(1)はリヒテル2度目の録音。79年来日時の、(1)は2月1日、(2)は2月7日のコンサートからのライヴである。リヒテルのシューベルトは実にしなやかで美しく、聴き手を自然に音楽の流れの中に委ねさせてくれる。作為的なところをまったく感じさせないという点で、卓抜した演奏といえる。
ブーニンが1986年来日時に福島で録音したもの。3曲とも実演時よりはややゆっくり目のテンポをとり、総て落着いた印象を与える。しかし(2)の「トルコ行進曲」での指定を無視した〔/]fと[/〕pとの交替は相変わらずで、(1)(3)と共にやはり非常にユニークな演奏だ。
86年日本に旋風を巻き起こしたブーニンの東京ライヴ。強靭なタッチを生かして、2曲の協奏曲を堂々と弾きまくっているという感じの演奏であり、時に粗削りだが、彼の若い個性がほとばしっている。ピアノの音が特に鮮明に捉えられた録音。
強固な打鍵力と集中力とを武器に、自己の感情や表現意欲が、演奏にストレートに反映されている。特に(2)と(3)が印象的であり、スピード感のある前進力とデリケートな優しさとの巧みな交錯は聴きもの。アンコール曲3曲の個々に魅力的な演奏も捨て難い。
NHKのTVで聴いた(見た)時の別の日の演奏もそうだったが、(2)のソナタが断然すばらしい。これには脱帽。「少年」というけれど14歳。鋭い感性を持った14歳はいるものだ。逆に「幻想曲」は緊張が長続きしない。「マズルカ」は美しい。
1年9ヵ月ぶりのセカンド・アルバムは、お得意の絵が使われたメッセージ・カードが初回特典。もはやライフ・ワークといえそうな「どーした! 安達」も95年版ラガ・ラップとして収録。コーラで飲み明かそうと歌う「気分爽快」もマニアなら注目すべし。
ちょっと前にスマッシュ・ブームを巻き起こした“サーフ・ロック”の火付け役に一役買った彼らのオリジナル盤。(2)はジャズ畑から、(3)はもちろんレノン=マッカートニー、(5)はJ.ガイルズバンド、(8)は加山雄三の曲をそれぞれ彼ら流にカヴァー。スノボにもピッタリでしょう。
「子どものための…」というシンプルさが、両作曲家の特徴を浮き彫りにしている。演奏の難易度から言うと小さな子どもにも弾けそうな曲はあるが、大人が聴いても十分に面白い曲集だ。演奏のR.グレスコは録音プロデューサーであり作曲家でもある人。