1997年3月発売
奄美大島で“百年に一人の逸材”と言われるベテランうたしゃ(島唄唄い)のセカンド。切れのいい挨拶歌(1)から激しい踊り歌(11)まで、裏声を多用したハリのある歌唱を存分に味わわせてくれる。琉球のものより糸が細く、音が高いという三線の響きも聴きモノ。
長谷川陽子の7枚目のCD。95年にドイツで録ってきたブラームスのソナタ集。自身のブラームスへの想いを余すところなく披露しており、ほとばしるような力強さとデリケートさを備えた演奏は深々とした味わいを残す。同調するギリロフのピアノも見事。★
カエターノ・ヴェローゾやトニーニョ・オルタらの佳曲を、アコースティック&クラブ・ミックスの両面攻撃で今風にアレンジした、プリズマチカなるボサ・ノヴァ・ユニットのファースト作。選曲はとっても良いが、歌の弱さがどうにも気にかかるところ。
女性ヴォーカル、スィレーニを中心に結成されたブラジリアン・ポップス・グループの2作目。アコースティックな楽器だけでなく、曲によっては打ち込みも用いている。今回はドラムン・ベースによる(12)が話題になるかも。クラブ系サウンド好きにもお薦め。
ベスト。いやぁ、「伊勢佐木町〜」をはじめ、「恍惚の〜」とか「眠られぬ夜の〜」とか「気まぐれ〜」とか、“ブルース”の目白押しですよ。「ブルー・ブルース」なんてのもある。こんな歌ばっか歌ってて本人はブルーになんないのかな。存在感はさすが。
奄美大島の北部に伝わる「笠利節」のウタシャ(歌い手)、当山ミツヨの歌声は“しまうた”を特別なものと思い込みがちのこちらの気持ちをほぐしていく。島で紬の機織りをしている歌のうまい主婦が、近所の人たちと“歌遊び”をしているかのようである。
結成20周年を迎えた日本の元祖パンクといえばザ・スタークラブ。タイトルどおり、元ジュンスカの森純太、黒夢の清春、バクチク、レピッシュと錚々たるゲストが参加しヒカゲを盛り立てている。でも、新リスナーのための系譜ぐらい添付してもよかったのでは。
丸山勉は読売日響の首席ホルン奏者。アンサンブルなどでも活躍する若手だ。ハープを交えながら、ホルンという楽器の能力と魅力を紹介するというコンセプトはまず成功。明るい音楽性がうれしい。少々音程の不安定な部分が、楽器の性格とはいえ残念。
フルートのようなシンプルな楽器を4本集めただけで、よくこれほど豊かな音楽世界が作れるものだと感心した。何よりもアンサンブル能力が素晴らしく、まるで4本のフルートを1人で吹いているかのようだ。今後もどんどんレパートリーを広げてほしい。