1997年発売
ジム・クウェスキン・ジャグ・バンド解散後に、ジェフとマリアの夫婦で発表した69年の傑作。ブルースからフォーク、カントリー、ニューオリンズのR&Bまでを、ノスタルジックな香りを漂わせながら披露していく。ゆったりとしたテンポがたまらなくいい。
いろいろ表現に造詣の深い好奇心たっぷりの耳年増夫婦が、ウッドストックの仲間達とともに自然体で作り上げた1972年録音のデュオ名義第2作。ジャズもカントリーもチャック・ベリーもアクア・ハウスで深呼吸? いい雰囲気、そしてちょっぴり切なくて。
クナイフェルは旧ソ連反体制作曲家の大物のひとり。ケージ、フェルドマンなどの影響もあり、長めでゆっくりで静かな音楽を書きたがる。当CDの曲は、合唱の柔和な祈りの歌とチェロのかそけき独奏が交錯しつつ、しみじみ1時間続く。まあ、癒し系の音楽。
今のところ唯一の全曲録音とはいえ、とっても地味でシブイ音楽。メンコンのような甘美さやポピュラリティはないが、音楽的には質がすこぶる高い。これが小学校6年生の書いたものとは……。音色(オリジナル楽器)はもとより、演奏自体もハイ・レベル。
朝鮮半島や中国大陸の歌い手には、強じんな声帯の持ち主が多いが、反面、独特な発声の癖のようなものがある。ところがスミにはそんな癖がまったくない。世界の主要歌劇場から引く手あまたの理由である。それにしても透明で軽やかな歌声である。5月の「魔笛」が楽しみ。
フィンランドのチェリスト、アルト・ノラス79年の録音。これも、優れた演奏家ってたくさんいるんだなあ、と再認識する1枚。力の入った演奏をしているが、それがうっとうしくならず、音楽の造形をしっかり聴かせるバランスが見事。伴奏者も巧い。
70年代アトランティック音源から、スウィートなバラードばかりを集めたオムニバスのグループ編。サブ・タイトル通り、甘くて酸っぱい名唱が揃っています。甘いだけじゃなく、その中にドロドロした熱気がトグロを巻いている感じが今の凡百のソウルとは違う。
アトランティック所属のソロ・シンガーによる70年代のソウル・バラード集。ディスコ・ブーム華やかかりしこの時代は、グループとは対照的に、ソロ・シンガーには厳しい時代であったが、着実に自分のソウル・スタイルを守り続けた者たちの心意気を感じる。
リー・リトナーのジェントル・ソウツで人気も知名度もアップしたパトリースの78年作品。フリー・ソウル・ファンに人気のエレクトラ在籍時の第1弾で、この時から自身の可憐なヴォーカルも大々的にフィーチャー、より軽やかで繊細な音楽性へ移行した。