1998年11月21日発売
ツィゴイネルワイゼンに代表されるようなジプシー風のヴァイオリン曲を集めたユニークな一枚。このコンセプトが演奏者の資質に実によくマッチしている。弾き崩しの少ない、シャキッとした演奏だが、(6)の突っ走り方なんて、本場そのままの熱っぽさだ!
白人アルト奏者の最高峰コニッツがワン・ホーンでジックリとバラードを歌い上げた素晴らしい作品。かつてクール派と呼ばれた彼が、ここではその面目躍如たるプレイで歌心を表出してみせる。円熟期を迎えて益々表現に磨きの掛かったコニッツに注目を。
このところファンキー・サックス奏者として再注目を集めるハリスの新譜が届いた。往年の名演で知られる(1)を筆頭に、有名スタンダードがズラリと並んでいる。独特の味わいをもつハリスのプレイは健在。新進気鋭のピアニスト、テラソンの参加も新鮮だ。
マリオンのピュアなスピリッツあふれた久々の新作アルバムは、ギターを加えたクインテット編成。ジョン・コルトレーンの遺作である『エクスプレッション』中の1曲、「オファリング」をアルバム・タイトルに掲げ、ジャズの巨匠へ演奏を捧げる感動盤。
録音の加減もあるんだろうが、このシリーズは“ずううん”というバスと、“しゃりり”っとした高弦のコントラストが特徴。いわゆる外声強調型であり、ここにワルターの響きの趣味と音楽作りの嗜好が見える。一聴甘く穏やか、でも壮大で濃い演奏だ。
同じコンビによるベートーヴェンのコンチェルトの場合と全く同じことを言いたい。ただ、こちらはモーツァルトらしく、もう少し軽妙な感じがある。それにしても、80歳を過ぎた人とは思えぬ、ワルターのすばらしい演奏だ。(1)はイザイのカデンツァ使用。
ワルターがその晩年に完成したステレオによる唯一のベートーヴェン交響曲全集の分売CD。2曲ともワルター2度目の録音。気品漂う美しい演奏で、しかもその底にはしたたかな精神力を窺うことができる。
矢部&横山の2枚目のアルバム。1枚目に引き続き、ワインの名前をタイトルとし、フランス系の作品を収めている。二人が対等に奏で合いながら、品よく洗練された音楽をつくりあげている。フォーレとドビュッシーの小品の編曲は横山によるもの。