1998年11月21日発売
ハート・ウォームするヒップホップ・ソウルが気持ち良い、が詞のインパクトがスゴイんだ。堕胎、売春、水商売、シャブ……など裏街道を歌い上げる。いや、これは人間が内包しているホロ苦い部分だ。詞に負けないスキルの高い演奏でバランスが保たれている。★
日本ポップスを大胆なアレンジでジャズに仕立てた企画作品。(5)は歌がなくても語りかけるようにピアノひとつで表現。(8)はメロディをサックスがムードたっぷりに吹き、遊び心あるピアノのソロ、管楽器と続く。原曲が一瞬消えるものもジャズの面白さだ。
'77年、初来日の直前に拳銃自殺したソニー・クリスの“晩年”の作品。良くいえば、親しみやすいフレーズで、ジャズ喫茶でも好まれたプレイヤーだった。タイトル曲(4)などは、彼の面目躍如。(5)はソニー抜きの、バリー・ハリスのトリオ演奏になっている。
通好みの名盤を多く残したザナドゥ・レーベルの復刻盤が登場。なかでもバリー・ハリスが崇拝してやまなかった名作曲家、タッド・ダメロンをトリビュートしてトリオ演奏を繰り広げる本作は、いぶし銀ピアノの極致が聴ける誉れ高いアルバム。75年の録音。
ジミー・ヒースが75年のザナドゥ・レーベルに吹き込んだアルバムの初CD化。全6曲中5曲がヒースのオリジナルで作曲家としての優れた素質をのぞかせている。彼のブリブリとしたテナーも味があるが、ベースのサム・ジョーンズの活躍が特に光る。
75年8月の録音。デューク・ジョーダン(p)の起用が、この作品が成功した大きなカギとなったのはいうまでもない。バップ魂ここにあり、といった感じのデュークのピアノに、マクファーソンが実にうまい具合にあおられている。メロディの良さが耳に残る1枚だ。
ツィゴイネルワイゼンに代表されるようなジプシー風のヴァイオリン曲を集めたユニークな一枚。このコンセプトが演奏者の資質に実によくマッチしている。弾き崩しの少ない、シャキッとした演奏だが、(6)の突っ走り方なんて、本場そのままの熱っぽさだ!
白人アルト奏者の最高峰コニッツがワン・ホーンでジックリとバラードを歌い上げた素晴らしい作品。かつてクール派と呼ばれた彼が、ここではその面目躍如たるプレイで歌心を表出してみせる。円熟期を迎えて益々表現に磨きの掛かったコニッツに注目を。
このところファンキー・サックス奏者として再注目を集めるハリスの新譜が届いた。往年の名演で知られる(1)を筆頭に、有名スタンダードがズラリと並んでいる。独特の味わいをもつハリスのプレイは健在。新進気鋭のピアニスト、テラソンの参加も新鮮だ。
マリオンのピュアなスピリッツあふれた久々の新作アルバムは、ギターを加えたクインテット編成。ジョン・コルトレーンの遺作である『エクスプレッション』中の1曲、「オファリング」をアルバム・タイトルに掲げ、ジャズの巨匠へ演奏を捧げる感動盤。