1998年3月発売
スライ&ファミリー・ストーンの黄金期を支えたベーシストの85年作。開拓者とされるチョッパー・ベースの利いた音と愛を注ぎこんだ歌声で、ファンクもバラードも目がくらむほどゴージャスにやってのけた。ニール・ショーンやレイ・パーカー・Jr.も参加。
『ドラッグ』収録の「哀愁の花びら」のミックス違いを集めたCD。メロディと彼女の歌声を残しつつリミキサーのジュニア・ヴァスケズが行け! 行け! 気味のダンス・テクノに解体したんだが、ぼくぁ……やっぱり……しっとりした原曲((1)と(8))が好きっ。
カントリー・ロックの始祖と呼ばれる夭逝したカリスマの1stがオリジナル・フォーマットで日本盤初登場。根底に流れるブルージィな雰囲気と青いフィーリングが美しくも切ない。名パートナーぶりを発揮しているエミルー・ハリスとのデュエットも聴きもの。
完成を待たずして他界、遺作となったソロ第2弾で、エミリー・ハリスも大活躍。カントリー・ロック云々と、大上段に構えずとも、この人の才能が瑞々しい傑作で、「ブラス・ボタン」などはもう涙、涙である。イーグルスなどへの影響もよくわかる。
バレエはオペラの上位にある、とはラモーの時代の常識。物語はイントロに過ぎず、より優雅に、より抽象な音楽表現が可能となる様式。50を過ぎたラモーが本気で取り組んだのも納得だし、古楽演奏で功成し遂げたクリスティが着々と全曲初録音を重ねるのも道理。★
ヴェンゲーロフが凄いのは、最高のテクニックをもちながら“エンターテインメントもできるシリアスな音楽家”(あるいは“シリアスな音楽もできるエンターテイナー”)であるところ。このベスト・アルバムではそういう彼の幅広い芸風が楽しめる。
これは名演である。持ち前の優秀な技術と若々しさに、自在な表情としなるような伸びやかさ、それにスケールの大きさが加わり、今までの録音から一気に2,3段階も良くなったような感じ。今後が心配になるほどの高い完成度で、まずは必聴盤。
気分爽快になるアルバム。ヴェンゲーロフの腕前に改めて感心するとともに、素直な音楽に心洗われる思い。深みには遠いかもしれないけれど、この溌剌としたのびやかさは気持ちいい。特にショスタコーヴィチの方で、そんな魅力が花開いている。
これは名演。この人は実にニュアンスが多彩である。テンポや音量の増減や左右の手のバランスなどを自在に変化させているが、過度にロマン的に聴こえないところが凄い。伴奏も非常に新鮮な響きがする。つくづくこの人は過少評価だと思う。
1974年生まれ、ユダヤ系ロシア人、ヴェンゲーロフの新録音。音の切れ味の鋭さや張り詰めた感じは、ベートーヴェンで非常に効果をあげている。一方、ブラームスでは、もう少し音色に潤いがほしいし、もっと歌い込んでほしい。レパートリーの難しさ。
ラスキーヌのハープは、あくまで品位を崩さぬ端正な動きの中にピンと張った濃い色香が匂い立つ。それがキラリと耳を引く。この古典からロマン派初期の時代の作品が集められたCDは、気が遠くなるほど優美な時間から耳をシャンと救い出す、中々の真骨頂。
珍しいハープとホルンのための曲は、これもあまり知られていないデュヴェルノワ、ボクサ、ドープラの作品。ラスキーヌの気品と風格を備えたハープとともに響くと、ホルンの音色までもがとても優雅なものに聴こえてくる。まさに“女王”にふさわしい名演。
往年の名ハーピスト、ラスキーヌのフランス近代室内楽アルバム。73年録音とのクレジットからすると、ラスキーヌが80歳のときの演奏(そういうことは考えずに聴いた方がいいのかもしれないが)。おしゃれで気品のあるラスキーヌのハープが楽しめる。