1998年7月発売
人間失格人間失格
ベースの“ねずみ男”のコスチュームが話題を呼んだイカ天出身の3人組ハード・ロック・バンドのデビュー盤。太宰治のファンというメンバーが東北的な暗さとヘヴィメタとを結びつけるアイデアが光る。(5)などのおどろおどろとした歌詞で気味悪さを演出。
桜の森の満開の下桜の森の満開の下
丸尾末広か花輪和一かといった、おどろおどろしたパブリックイメージとは裏腹に実は音もノリも軽めだ(録音のせい?)。拍子抜けだぜ。もっと情念とか猟奇とか毒虫小僧とかが蠢くヘヴィロックだと思ってたのに。こんなものかな。セカンドアルバムです。
黄金の夜明け黄金の夜明け
必要以上におどろおどろしいギター・サウンドと文語体の歌詞と、独特のコブシによる念仏ブツブツといった調子のヴォーカルがトレードマークの人間椅子の新作。やはり(5)(11)などなどの長尺の曲が聴き物だが、(4)など速い展開の小品もなかなか決まっている。
羅生門羅生門
ドラムが脱退して、2人になってしまった人間椅子の新作。土着派70年代ギタートリオという芸風は全然変わってないんだけど、今ひとつパッとしなかった前作に比べると迷いが晴れた感じ。筋少風にポップな(1)は新展開。(5)や(8)など、歌詞の視点も面白い。
DIABOLICALDIABOLICAL
“死の船”の意味(スウェーデン語)を持つ北欧デス・メタル・バンドの2nd。メロディック・デスに屈する彼らのサウンドは叙情的メロディにスピード感を加えたもの。その点では叙情派スラッシュ的な色合いも強いが、VOはやはり問答無用のデス声だ。
AND ABOUT TIME TOOAND ABOUT TIME TOO
ホワイトスネイクが“ゴージャスなオールスター・バンド”になる以前、その音楽的な礎を築くのに大きく貢献したギタリストの79年発表の初ソロ作。英国のツワモノたちに支えられつつ展開するウェットなメロディと歌声、ブルージィな響きが味わい深い。