音楽むすび | 1998年8月発売

80年に発表された、メジャー・デビュー・アルバム。遠藤ミチロウによる言葉の洪水と疾走する演奏。THE STALINを語らずして、日本のパンクは語れない。

「イヌ」という実に変わった名前のこのグループは大阪出身のパンク・ロック・グループ。現在は解散しているが、リーダーの町田町蔵はその後も活動を続けており、このアルバムは彼らの唯一のアルバムとして81年3月に発売された。攻撃的な詞が印象的。

こりゃあ変だ。かなりファンキーなギター・ロックをやりつつ、頼りないノド声ヴォーカリストを擁し、「ミリオンセラーは当たりさわりのない歌」なんて歌ってる。ビジュアル、パンク、ファンクの三角関係の果てに生まれた鬼っ子という印象。ホントに変。

初めて聴いたときはあまりに高くて細い声におったまげた、TK&日向大介プロデュースによる女性シンガー、トーコのファースト。よくよく聴くと次第に疑問の渦に巻かれていくよな意味難解の歌詞もなんとなく納得させる“ふわふわふるる”な声に不思議パワーが。

AIRをスタートした当初は、ギター、ベース、ドラムという楽器が生み出すパワーとダイナミズムに、曲の骨格をゆだねていたと思う。現在は、その上に美しいメロディを乗せるという次の段階へ進んで来ている、という確かな証拠がこのシングルだ。

キーボードとギターがメインのシンプルなサウンドで、弾き語り感覚に近いポップ・ナンバー。神山は、起伏に富んだメロディとしみじみとしたヴォーカルで詩情あふれる世界を作り上げ、マジにした大江千里、KAN、さだまさし系といった感じ。