1999年1月21日発売
ベートーヴェン:交響曲第4番&第5番「運命」ベートーヴェン:交響曲第4番&第5番「運命」
ワルターがその晩年に完成したステレオによる唯一のベートーヴェン交響曲全集の分売CD。2曲ともワルター2度目の録音。気品漂う美しい演奏で、しかもその底にはしたたかな精神力を窺うことができる。ことに「運命」での緊張の持続力は驚異的。
ベートーヴェン:交響曲第6番「田園」ベートーヴェン:交響曲第6番「田園」
ワルターの演奏には常に清楚な精神性のようなものが宿っている。思い入れとか野心とかがなく、スッと耳に入ってくる。端正な響きと肩の力のぬけた表現で刻みこまれる晴朗にして健全なベートーヴェンである。「田園」の原点ともいうべき演奏だ。
ベートーヴェン:交響曲第7番ベートーヴェン:交響曲第7番
晩年のワルターらしく、温かく余裕を持って進んで行くが、音楽そのものはそれほど老けた感じはなく、意外に若々しく瑞々しい。新リマスターの音は以前より細身で堅くなっているが、がらりと印象を変えるほどではない。オリジナル・ジャケット。
ベートーヴェン:交響曲第8番&第9番「合唱」ベートーヴェン:交響曲第8番&第9番「合唱」
新しい復刻技術を使った再発盤。音は随分変わった。弦はきつめだが管は輝きを増した。残響部分もすっきりした。全般に音の輪郭が際立ち、ダイナミックレンジが広がった。その結果ワルターへの印象が変わってしまった。意外にめりはりがきいて男性的だ。