1999年10月27日発売
イ・ソリスティ・ヴェネティの演奏は、同じイタリアのイ・ムジチと比べるとずっと軽くて透明感があり、涼やかだ。それに古楽器団体のようにフレーズを短く切らずに、レガートで滑らかにつないでいくから、流れもスムーズで、心地良く耳に入ってくる。
ヴィオラ・ダモーレ(愛のヴィオラ)という魅惑的な楽器がタップリと楽しめる。主弦と共鳴弦の織りなす独得な音色は、合理主義のたまもの、現代楽器からはとうてい得られないもの。カラブレーゼという当代一流の演奏家による有難い一枚。
珍曲ばかり並んでいるような感じを受けるが実はそうでもなく、(4)はギター愛好家にはよく知られた「ギター協奏曲ニ長調」と同じで、(2)は映画「クレイマー・クレイマー」に使われた曲。解説にはこういうことは一切書いてないが、実に愉しい曲、演奏だ。
赤毛の司祭が多作家だとは存じていたが、オペラを約100曲も作っていたとは寡聞にして知りませんでした。序曲と言っても本題との関連はほとんど無く、転用、使い回しはザラで、余程の好事家以外は通して聴くのは退屈かも。(1)で突然、「四季」の旋律が現れる。
12月になると、やっぱりクリスマス協奏曲が聴きたくなるのは不思議だ。それも古楽器演奏ではなく、艶やかな弦の音色が魅力のイタリアの合奏団がいい。イ・ソリスティ・ヴェネティはピエロ・トーゾをはじめ名手が揃っている。美しい響き、素敵な雰囲気。
アニメ『ジバクくん』のエンディング・テーマをはじめとする10トラック入りのマキシ・シングル。いつ聴いても永野椎菜と高山みなみのコンビネーションによる独自の雰囲気は“TWO-MIXだ!”と思わせる反面、そろそろ新たな一面も聴かせてほしく思う。
磨き抜かれた美しい弦の響きに乗った、繊細華麗なロッシーニだ。じつに入念に仕上げられている。そのかわり、その分作曲者12歳の若書きであるこの曲集の素直でおおらかなミューズの息吹が、多少とも厚化粧という感じになるのも仕方のないことなのだろう。
柔らかい録音のせいもあるのだろうが、これだけふっくらと美しく、しかも音楽性満点でオケを鳴らしてくれれば、もはや何をかいわんやという感じ。(1)などはパッサカリアでさえも、拍子抜けするほど柔らかい。(2)の色彩感も見事で(3)も抑制のきいた表現。
米国カンザス州を拠点に置く5人組のセカンド・アルバム。いわゆるギター・ロックと最近のメロディック・パンクとニューウェイヴ・ロックが、青春期の切ないウジウジ感でくっついたみたいである。ハスキング・ビーのファンにもオススメできますね。
ブレイク間近といわれて早ン年、ついに来たか! と思わせるほどのキレで勝負するピロウズの新曲。ストレートで軽快な(1)、山中のソングライティングが爆発した(2)(3)、どれもが紆余曲折を重ねてきた彼らならではの“ロック魂”全開。やっぱイカシてるぜ!