2003年3月発売
レトロな味わいのフレンチ・シャンソン名曲をうたうヴィクター・ラズロとはなんとも恐れ入った。とはいえそれは嬉しい驚き。彼女ならではのラテン・フレーバーいっぱいのアレンジとも相まって、楽曲&アーティストの双方にとっての挑戦は大成功。なかなかの聴きものだ。
1987〜91年にPRECIOUSを率いて活動していた速弾きギタリスト梶山章と、アンセムやPOWER NUDEで活動してきたヴォーカリスト森川之雄が結成したハード・ロック・プロジェクトのファースト・アルバム。森川の抜群の歌唱力と梶山の縦横無尽のギターが存分に楽しめる。
『火曜サスペンス劇場』の主題歌を集大成したコンピレーション。なんといっても岩崎宏美の「聖母たちのララバイ」を筆頭に高橋真梨子「ごめんね…」など珠玉の名作が2ディスクに全21曲収録。古さを微塵も感じないのはもはやスタンダードとなった楽曲の力だ。
ブリティッシュ・ロック史に一時代を築いた大物バンドの、なんと12年ぶりのオリジナル・アルバム。ゲイリー・ブルッカーの声が全盛期そのままなのに驚かされる。マテリアル、サウンド・プロダクションにも随所にバンドらしさが感じられうれしい限り。傑作。★
唯一無二のシンガー・ソングライター、秀逸な管楽器付きワーキング・バンドとともに録ったスタジオ作。優れた音楽的才能と頭が下がるまっとうな気骨が美しく絡みあう。今、最良のポップ音楽の一つ。CDパッケージングが非常に贅沢。それも、嬉しい。★
幕開けの(1)がこのアルバムのすべてを語っている。このアナーキーさというか底抜けのノーテンキぶりこそ、古き良き時代のB級極道映画のキモだ。(5)(20)などの“名作”が浮いちゃってるから面白い。梶芽衣子が3曲入っているところは、選曲者と評者の好みピッタリで大拍手。
イアン・ギラン加入前のファースト(68年)。ジョン・ロードのソロから始まる(1)に、後年顕著になる大仰なアレンジの萌芽が見られるものの、演奏全体としてはまだまだポップ。クリームからの影響がうかがえるのがほほえましい。リッチー・ブラックモアのギターも若さ爆発。
たんにケージの作品をいろいろ紹介するのではなく、「ウィンター・ミュージック」を通奏低音として配し、それとの対比や共存によって、それぞれの作品の特質を浮かび上がらせる趣向。いわば西瓜に塩的効果。沈黙と響きと雑多な喧噪による不思議な緊張感。