音楽むすび | 2003年9月発売

チェロ作品で知られるボッケリーニ、このスターバト・マーテルでも、チェロを重ねた弦楽五重奏の落ち着いた響きのアンサンブルをウタと溶け合わせ、哀しすぎず激しすぎず、さらり透明な抒情を漂わせる。その耳で聴く五重奏がまた残り香のように働いてなかなか。

44歳。いまがいちばん弾けるときかもしれない。「ペトルーシュカ」の鮮やかなタッチ、キレのよいリズムはすばらしい。でも聴き込むと、彼の良さは音色への繊細な感覚ではないか……と思えてくる。ラヴェルでどれだけのニュアンスが出せるか聴いてみたい。

本来あまりレゲエは聴かない方だが、このRDRのアルバムは違和感なく聴けた。レゲエのディープなエッセンスはありつつ、どこかJ-POPで切なく心の琴線に触れてくる。フィーチャリングのアーティストたちの力演も見事。夏の夕日というよりは、秋の夜長にも似合いそう。★

長いキャリアを誇るアリス・クーパーの、第2期黄金時代ともいうべきエピック時代の作品を中心にセレクト。ポップなヒット・ナンバーの数々と、豪華ゲスト陣の参加曲が目立つのがこの時期の彼だ。

イエス来日を記念して、ジョン・アンダーソンが88年に米コロムビアに残したソロ・アルバムを再発。ソングライティングにラモント・ドジャー、演奏にTOTOのメンバーらが参加したポップな作品。