2004年1月発売
クーベリックが、20年近くシェフを務めたバイエルン放送響から去った年(とその前年)のライヴ。交響曲ではアゴーギグも効果的で、むせ返るような熱い共感を聴かせている。協奏曲での塩川はときにヴィブラートが気になるものの、感興にあふれた歌が好ましい。
マドンナ&ミッシー・エリオットの共演で話題となったGAPのCMソングが、ついにフル・ヴァージョンでCD化。アルバム『アメリカン・ライフ』収録曲のリミックスを含むファン待望のEP盤。
2003年発売のウィーン・フィルを振っての「わが祖国」に通ずるチェコ音楽へのコミットメントの出発点であり、ボヘミアの血筋を引くというアーノンクールの心象風景の具現化でもある名盤。チェコ・フィルをしのぐ“アク”の強さを自然にオケから引き出した。
以前はかなり力任せだったり過度に意識的な音楽作りが目についたバレンボイムだが、やはりこういうスーパー・オケを振るようになると、むしろオケとの共同作業という面が強くなってくる。だから演奏にはとくに気負ったところがないが、いささか安全運転かも。
やっぱりこれだけ規模も大きく、複雑な作品だけあって、今まで出た演奏はどれも素晴らしい。本作も、ライヴとは思えない精度の高いアンサンブルと、ライヴならではの、ダイナミックで、熱気があふれたものになっている。まあそれにしても、BPOはさすがだなあ。★
2度目の録音。テンポの緩急、広いダイナミズム、密なアンサンブルと、前回と大きな変わりはないけれど、よりしなやかに、滑らかになっている。2番のハーツェルツェトのフルートがイマイチだけれど、オーケストラはまことに生き生きと、溌剌とした演奏だ。
古今東西、バッハの名曲のアレンジは多種多様存在するが、これは作曲家としても著名なクルト・レーデル自作自演(?)による意義ある一枚。全般にオーソドックスなアレンジのようでありながら、実はなかなか凝った作りであることがわかる。全15曲収録。
なにも無理に弦楽合奏用に編曲しなくてもと思いながら聴くと、あにはからんや。これがすこぶる魅力的なのだ。シトコヴェツキーの編曲も演奏も、原曲のイメージを壊さずに豊かなサウンドを繰り広げてくれる。子守歌のはずだけど、おもしろくて寝てなんかいられない。
今やワーグナー指揮者としてもトップクラスになってしまったバレンボイムによる熱演。シカゴ響の迫力あるブラスの醍醐味を十全に出したフォルテやクレッシェンドは圧巻。とりわけ「マイスタージンガー」や「トリスタン」はそのドラマ性やロマン性を彷彿とさせる秀演。