2004年6月発売
ナパーム・デス、メルヴィンズ、元ブルータル・トゥルースのメンバーが集結したハードコア・パンク界のスーパー・プロジェクトのファースト・アルバム。高速&プリミティヴなリズムを背に受けながら咆哮とノイズを隙間なく叩き込むサウンドはあまりにも痛烈。
福岡出身、15歳の女性シンガー・ソングライターのセカンド・シングル。幼少の頃から親しんだというゴスペルが、カラダから滲みだす唄いっぷりは、強力な個性だ。バラード・シンガーではなく、リズムものの曲で、順調に育っていってほしい才能だ。
NHKの連ドラやドキュメンタリーのテーマ曲をナカリャコフのトランペットと金聖響/OEKの演奏で録音。加古隆の「黄昏のワルツ」「パリは燃えているか」、大野雄二の「小さな旅」など名曲の数々。とにかくうまい。すばらしく気の利いたアルバムだ。
ドイツ・シャルプラッテンの音源。新古典主義の作風だが、シニカルな感じは全然せずに、熱っぽくて親しみやすさも持っている。そのあたり、ケーゲルの指揮も大きい。特異な作曲家だけあって、独得のエネルギーが発散されている。オーケストラも張りつめたものがある。
記念すべき作品1の「パッサカリア」から、ロマン的な情念を削ぎ落として、鋭く踏み込んでいくケーゲルの芸風が満喫できる名演が展開されている。無調時代の作品におけるテンションの高さに加え、12音列技法の作品も説得力あふれるアプローチが見事である。
とかく“エキセントリック”のように思われるケーゲルの演奏だが、分析的な洞察力を下地にした大胆な表現は、現代の演奏芸術に対する啓示のように思う。とにかく精妙。「うぐいすの歌」など思いっきり野趣味と洗練が見事に共存する。アンビバレンスな感覚がたまらない魅力。★
深夜の鬱蒼とした奥深い森を彷徨うかのようなシベリウスの第4交響曲。いたずらにあの手この手で面白おかしく聴かせようとせず、手付かずの自然をそのまま愛でるかのごとく、ザンデルリンクはあるがままに、しかし優しさも厳しさも兼ね併せて演奏する。
レーグナーが手兵であった旧・東ベルリンのベルリン放送響と83年に録音したブルックナーの交響曲第7番。レーグナーはこの巨大なシンフォニーを弛緩させずに、推進力のあるテンポで雄大に描いていく。名匠の至芸というべきだろう。
モーツァルトがハイドンの影響を受けて作曲したとされる「ウィーン四重奏曲」からの4曲。ウィーン流の甘さを排した几帳面な演奏はキリリと締まり、清潔感が漂う。いかにもズスケらしいモーツァルトだが、もう少し甘美な演奏を好む人もいることだろう。
ホルンという楽器は、ワイルドさや勇壮さも魅力だが、その柔らかく深々とした音色は、ロマンティックな歌にもよく似合う。それだけに幅広い表現力を奏者にも要求する作品が多い。優しく美しく、しかし時にはパワフルかつ豪快に、ダムの技が冴えている。