2004年発売
尺八奏者の藤原道山は祈りに連なる曲「アヴェ・マリア」や「アメイジング・グレイス」などを、千住明プロデュースで演奏している。尺八の音色となっている息づかいまでが、曲に流れる無垢な思いを実感させる。外国曲が意外なほどに尺八に馴染んでいる。
アニメ作品の主題歌などで知られる、岡崎律子と日向めぐみによるユニット、メロキュア。『円盤皇女ワるきゅーレ』主題歌となったデビュー曲「愛しいかけら」ほかを収録した1stアルバム。
和太鼓、三味線、尺八、筝といった日本の伝統楽器をメインに、最新デジタル・サウンドをバックに配置し、21世紀の“和”の“音文化”を描写した秀作。『ラスト・サムライ』のサントラ盤として聴いても幽玄な音世界はまったく違和感のないラインナップだ。★
女性シンガーに押されがちな、昨今の男性ヴォーカル・シーンに一石を投じるニュー・カマー。ルックスはワイルド、コーラスはスウィート、リード・ヴォーカルはパワフルで男くさくソウルフルという4人組は、いそうでいなかったかも。今井了介プロデュース。
セックス・ピストルズほか、ブリティッシュ・パンクを代表するアーティストをカヴァーしたコンピレーション。KEMURI、川上つよしと彼のムードメーカーズらが参加。
ベスト盤が登場するのは、衰えぬ人気があるという証拠。といっても88年にドイツの放送局が録音した演奏も入っている、という興味深いもの。“へたうま(?)”な魅力を持つ彼女ならではの、伸びやかでロマンティックな演奏には、やはり人を引きつける力があるようだ。
ニューロティカが結成20周年ということで、集ったミュージシャンの面子といったら……チバユウスケ、ソウル・フラワー・ユニオン、PUFFY、175R、大槻ケンジ……と、あまりの熱狂ぶりに2枚組になってしまった。皆たのしそうにやっているので、それだけで花マルの企画盤。
「桜(独唱)」で大ヒットを飛ばした森山の話題の最新シングル。いきなり、男性コーラスで始まるイントロ〜そしてシンプルな森山のソロ・ヴォーカルは力強い。一年間でシンガーとして大きくなった成長ぶりがうかがえる。ドラマの主題歌としても秀逸。サウンドも広く壮大だ。★
人気ソプラノ中丸三千繪、久々の新録音。ヴォカリーズによって歌われた4曲の名旋律がこのCD最大の呼びものだろう。タイトルになっているマーラーのアダージェットなど清冽で美しさの極みである。柔軟な声を生かした「4つの最後の歌」に中丸の新境地が窺える。