2005年12月21日発売
きりっと利発でありながら、はじけるような艶とノリを発散する若き日のケフェレックの快演。線がこみ入るほどに音色を凝らしリズムを浮き上がらせて、実に颯爽、切れ味するどく情をのせていく。簡素な動きに若干の白さは残るがそれも愛嬌。快感色褪せない。
ハウツィッヒは、小品集のアルバムばかりが日本では有名だが、ここに聴く二つのソナタは、なかなか面白い。メロディ・ラインを際立たせる演奏は、明快さをもたらし、アクセントのつけ方やテンポ感が、粋に聴こえる。テクニシャンではないが、独特の雰囲気がある。
イギリスの名ピアニスト、ジョン・オグドン(1937〜89)が72年に来日した際に東京でセッション録音したリスト作品集。彼の華麗なヴィルトゥオジティ(名人芸)に圧倒されるとともに、きらめくような音色(特に高音域が印象的)に魅了される。
キンモクセイの4枚目のアルバムは、季節感あふれるナンバー12ヵ月分(+3曲のインタールード)を集めたコンセプト・アルバム。ポップでありながらも商業的になりすぎないセンスが見事。元NSPの澤近泰輔がサウンド面で、好サポートをしている。
約5年ぶりに発表したアルバムとして日本でも大ヒットを記録した『ネヴァー・ゴーン』からのカット・シングルに、リミックスやライヴ音源などを追加した、2006年1月の来日を記念した特別盤。シングルのPVも楽しめる。
ピアノと歌だけのシンプルなサウンドながら、文学的な独自の世界を展開するシンガー・ソングライターの3rdアルバム。ライヴでもお馴染みの「しあわせのうた」や「証明」を収録した本作、繊細で緻密な空間を作り出している。
本作は彼女がテーマにしている3部作の完結編。出身の長野県を強く連想させる緑深く牧歌的な雰囲気のあるサウンドは、ピアノと歌声だけで奏でられ、いたってシンプル。素朴な中にも表情あり。清潔で洗練されている楽曲の連なりは、どこか文学的な匂いがするのだ。
2003年3月からスタートしたピアノ弾き語りメインのワンマン・ライヴ・シリーズ「歌種」。本作は30回以上の回を重ねたこのライヴを通して感じたままの心をパッケージしたアルバムだ。シンプルで暖かなサウンドが聴ける。
2005年に「光」「Dragon」「FAKE FACE/白い街」の3枚のシングルを発表した女性2人組Zweiの2ndアルバム。エモーショナル・シグナルズをテーマに情感あふれるハイパー・ポップ・チューンばかりを収録。
2006年にソロ・デビュー20周年を迎える杉山清貴のベスト・アルバム、第2弾。前作が「夏」のベストだったが、本作は「冬」をテーマにした楽曲ばかりを集めた作品。冬にぴったりのクリスマス・ソングやラブ・ソングが楽しめる。
完全復活プロジェクトが始まったエレック・レコードの第1弾リリース分より、当時、“王子様”と異名をとったケメこと佐藤公彦のライヴ盤。ファンの歓声の入り方がちょっとわざとらしいなあ。本格歌謡ショーを展開する[2]が面白い。73年のリリース。
山田隆夫、新井康弘、江藤博利、今村良樹の4人からなるアイドル・グループ。“ファーストライブ”と題されたライヴ・アルバムで1975年発表。当時の人気絶頂ぶりを感じさせる内容。
74年6月の生演奏を収めたライヴ盤だ。本作が実質的なファーストになるメイン・ヴォーカルの豊田がギターで、長野(元・五つの赤い風船)がベース。米国のフォーク/ブルースの影響の日本語解釈と言えそうだが、なごみムードの中に当時の空気感もパック。