2006年10月18日発売
免疫音楽療法研究の第一人者、和合治久監修による予防医学の音楽療法アルバム。疾病別シリーズ第12弾は、現代人の重要な生活習慣病、糖尿病と高血圧がテーマ。教授本人による充実した解説書も付いた充実盤だ。
ピアノ弾き語りシンガーのデビュー作。ほのかに憂いを帯びた声質や余裕を感じさせるナチュラルな節回しは魅力的。(1)の間奏では小沼ようすけと須藤満がユニゾンで主旋律を奏で、(7)では宮崎隆睦、仙道さおり他が切れのあるソロを取るなど、演奏も聴きごたえあり。
“てっぺんの悪ガキ”というバンド名を持つ、関東ベースでライヴ活動を展開する4ピースの5枚目のミニ・アルバム。タイトルどおりの広い視野で世界を捉える歌詞を情感たっぷりに歌い込んでいくメロディの広がり方は、バンドというシステムを超えたものがある。
2005年11月19日の、第55回朝日名人会「桂文珍東京独演会2005」からの作品。大阪近郊が草深かった時代を描いた「池田の猪買い」、「包丁間男」を収録した、文珍の意欲が感じられる1枚だ。
「シャコンヌ」でのきわめて強靭なタッチによる厳粛さから、たとえば第26変奏での夢幻的なまでの音色の幅広さが、表現力の高さを如実に物語っている。ただ(6)のクレジットは誤り。作品36-8「火花(「花火」と表記)」とされているが、作品72-11である。
トニー・ベネット80歳を記念してのデュエット曲集。ベネットを復活させる新機軸を打ち出したマネジャー(息子)の意図をうかがわせる超豪華なゲスト人選で、ゲストと一緒にスタジオに入って歌っている。ライヴ感が魅力のベネットを存分に味わえる趣向。★
歌曲やオペラのアリアなどの名曲をヴァイオリンで奏でたCD。華麗な技巧をちりばめず、あくまでも旋律の美しさに焦点を当てた編曲だが、ベルはストラディヴァリウスをしなやかに鳴らして、その魅力を最大限引き出そうと試みる。(15)はネトレプコとの共演。
遊び心にも富んだ「ゴルトベルク変奏曲」の印象が強いシュタットフェルトの5枚目では、バッハの協奏曲を取り上げている。フレキシブルにバッハと対峙している若い感受性が、協奏曲でも新鮮に息づいた作品だ。
大山百合香の1stアルバム。アイランド・フレイヴァーが満載のエヴァーグリーンな1枚で、彼女ならではの歌がストレートに表現されている。古内東子、五島良子ほか、作家陣も豪華だ。
三部構成の雄大な組曲。ミニマルなリフレインを軸に油断なくテンポ・チェンジを織り交ぜつつ、前衛性と大衆性の間を行き来する構成はスリリング。全1曲55分の大作ながら、終盤のカタルシスまで中弛みは皆無。冷熱の切り替えも心地よい、至福の音楽回遊を体感されたし。★