2006年9月20日発売
第2回モンク・コンペティション優勝者であり、ヘレン・メリルの伴奏でも知られるピアニストのヴィーナス・デビュー作。モチーフはロジャース&ハマースタインによるミュージカル。1枚まるごと歌曲のせいか、飽きのこない構成でプレイも歌心にあふれている。
主流派ジャズで一際強い光を放ってきたトランペッターが、サンバに挑んだブラジリアン・プロジェクト、第2弾。ヨーロッパの精鋭ジャズ・ミュージシャンとともに、ブラジルの土の匂いを内包した、新感覚のスタイリッシュなハイブリッド・ジャズをクリエイト。
ドイツ人ピアニスト、7枚目のリーダー作。理詰めが多いドイツ勢の中にあって、この人はむしろ北欧的コンテンポラリー叙情派。オリジナルのほか、ミルトン・ナシメント、モンク、ケニー・バロン、韓国民謡なども演奏。欧州ジャズ・ファンなら買ってまず損はない。
シングル6枚目。(1)は、ひと夏の恋人を浜辺で想うミディアムな楽曲。(2)は、恋人の移り気に不安な女性を描いた疾走感のある楽曲。(3)は、不器用で優しい恋人を想ったギターでの弾き語り。どれもYUIの幼さと一途さの共存するヴォーカルが情景をリアルに想起させる。
昭和ジャズ歌謡的な音楽性がすでに確立しているバンドだが、この6枚目はEGO-WRAPPIN'やオダギリジョーらと共演で華やかさをちりばめ、演奏もエネルギッシュで脂が乗りきっていて、一気に聴かせる。ハードボイルドな男の美学を貫いているのが最大の魅力。
クラシックを基本にしたギター二重奏ユニットのメジャー・デビュー作。スピード感あふれる演奏が映像的なイメージを喚起する(1)、繊細なタッチで感傷を表現する(12)をはじめとして、全編に詩情が漂う。1+1にとどまらない音の広がりを感じさせるところが素晴らしい。★
ポスト・キャスリーン・バトル的ポジションを獲得できそうな、アメリカン・クラシカル・スタイルの歌手。美しい声を十分にコントロールして歌うスタイルだけに、プライベートな雰囲気を残したクラシック楽曲の録音が好ましい。ぜひ静かな場所で聴きたい。
「FLY」は初のメンバー共作曲で、ライヴ・バンドとして体内に染み込んだ疾走感とポップ・センスを見事に融合したロックンロール・ナンバー。さらにメロディアスな曲調とぶっ飛んでいる歌詞をアシッドな雰囲気でまとめ、強烈な存在感を発揮している。