2007年10月発売
鯨の啼き声から始まるこの途方もなくイマジネイティヴなアルバムによって、幻想の世界からこの世に降り立った妖精はデビューした。恐るべきこの才女は、しなやかな感性を自在にあやつって、かつてないイメージの錬金術をなしとげる。
ビクトリアンなCDジャケットが昔のヨーロピアン・プログレを彷佛とさせる3rdは、2枚組全28曲の超大作。製作に2年を有しているが、バンドが充実しているからこそできる完成度を誇っている。Disc2の後半のノスタルジック・メドレーもまた聴きもの。
前作ではパンク体質なヒップホップを展開した3人だったが、今作ではストレートなラップを聴かせているといった印象が強い。しかし、いろんな素材を音遊びのように組み合わせるセンスは相変わらず。悪ガキ然としたユーモア感覚もいいアクセントとなっている。
古くはレッド・ツェッペリン、ディープ・パープルなどイギリスからは数多くのヘヴィ・メタ・グループが誕生してきた。しかし、ニュー・ウェイヴやパンクが全盛を誇っていた79年はヘヴィ・メタル・グループにとって、必ずしも良い時期とはいえなかった。そんな中でアイアン・メイデンはライヴ・ハウスでの演奏を重ねてゆき、ジワジワとファンを獲得していった。それはレコード会社の注目を集めることになり、各社争奪の結果、EMIと契約をかわした。80年、シングル「ランニング・フリー」、アルバム「鋼鉄の処女」で華々しくデビューを飾り、そのパワフルでダイナミックなサウンド、壮絶なヴォーカルで一躍ビッグ・グループにのし上がった。デビューから世界制覇までの長い道のりが窺える。
時代や体制社会に対する怒り、不満が爆発したパンク・ムーヴメントの頂点に立つセックス・ピストルズ衝撃のデビュー・アルバム。「ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン」「アナーキー・イン・ザ・U.K.」「拝啓EMI殿」など権者への挑戦状ともいえる内容だ。
ビートルズ解散後の70年にリリースされた初のソロ・アルバムが、全曲デジタル・リマスタリングで再登場。彼ならではの繊細かつメロディアスなサウンドが、2枚組全23曲にわたって楽しめる。
移籍第1弾アルバムを日本先行発売。レニー・クラヴィッツ、ミッシー・エリオット、ボノ、ピート・タウンゼンドほか豪華なゲスト陣も話題で、早くもミックの大傑作ソロとのウワサが。
アリフ・マーディンのプロデュースぶりも見事なシンガー/ピアニストのデビュー盤で2002年作。(13)にゲスト参加したビル・フリゼールがぴたりとはまるノスタルジックで陰影に富んだ音楽性が持ち味。やさしく哀しく温かいヴォーカルも琴線に触れる。★
71年発表の4thアルバム。アングラ的なサウンドから、コンセプト・アルバム的作風に変化した初期の名盤。ジャズやロックと英国の伝承音楽の要素を結びつけようとした創意と工夫にあふれた歌と演奏が魅力の1枚。
お騒がせロック・スター、ピート・ドハーティ率いるベイビー・シャンブルズの2ndアルバム。個性的なヴォーカルと独創性にあふれたギター・サウンドが魅力で、彼らの世界観が遺憾なく披露されている。