2008年10月22日発売
ミケランジェリにしては珍しいラフマニノフの協奏曲と、文句なしのラヴェル。繊細で強靭なラフマニノフにミケランジェリの真骨頂が見て取れるが、ラヴェルの輝きは録音の古さを超えて迫ってくる。
制作・出演
アルベルト・ネグローニ / アントニオ・ボカテッラ / ジュリオ・フランツェッティ / ブルーノ・カヴァッロ / ミラノ・スカラ座フィルハーモニー合奏団 / リッカルド・ムーティ / ロバート・ケテルソン / ヴァレンティーノ・ズッキアーティ / ヴィヴァルディミラノ・スカラ座管の選りすぐりのメンバーからなるアンサンブルを、十二分にうたわせたムーティの指揮が素晴らしい。カップリングの2曲の協奏曲は、ソリストの妙技が楽しめる。モダン楽器による新鮮なヴィヴァルディだ。
「死と乙女」は、後のライヴ録音のものもあるが、こちらは最初の録音。正確で緻密なアンサンブル、深くて鋭い楽譜の読み、その上で4人が一体となって高揚してゆく様は、他の追随を許さない高みに達している。
制作・出演
アルバン・ベルク四重奏団 / アルフレッド・ミッターホーファー / アロイス・ポッシュ / エルンスト・オッテンザマー / ハインツ・マジィモレッツ / ヨーゼフ・ランナー / ヴォルフガング・シュルツ弦楽四重奏で演奏した、刺激的で楽しいワルツ集。新ウィーン楽派の3人の作曲家による編曲も含め、いずれもワルツの愉悦にあふれている。適時楽器を加え、ウィンナ・ワルツの本質を掴み取っている。
ソナタはトルトゥリエ2度目の録音で、この曲の代表的な録音とされているもの。フォーレ晩年の簡潔で内省的な美しさに満ちた曲で、トルトゥリエとハイドシェックの絶妙なアンサンブルが、最高の演奏を聴かせている。
アルバン・ベルクSQの近代もの。ドビュッシーとラヴェルも、彼らの音色感やリズムの精妙さが活きた素晴らしい演奏だが、ストラヴィンスキーは、それ以上の名演だ。他にこれといった演奏がないだけに群を抜いている。
フォーレの宗教音楽集で、「レクイエム」に匹敵する美しさに満ちた小品が並んでいる。イギリスの合唱指揮の第一人者であるオールディスと合唱団が、清純な世界を作り出している。フォーレ、合唱ファン必聴の名盤だ。
50代半ばで惜しくもなくなったドイツのソプラノ、ポップが残した珠玉のアルバムのひとつ。シュトラウスの美しい歌曲を、ひとつひとつ慈しむようにうたい分けている。サヴァリッシュのピアノもまた見事だ。
クラシックのヒット・コンピレーション・シリーズからの1作。リラックスできる曲をバッハからモーツァルト、さらにロイド=ウェッバーまでずらりと収録。収録アーティストも、EMIが擁する一流演奏家ばかりだ。
乾いたファンク感覚を持つビートに暖簾に腕押し的な語り調の歌、背後に漂うルーツ・ミュージックの美味しい感覚……。G・ラヴ&ザ・スペシャル・ソースを比較に出せそうな、英国の三人組の3作目。屈託なくときにポップに、グルーヴィに大地を闊歩している。
テレンス・ブランチャードのバンドでも活躍したピアニストの傑出した個性が発揮されている。ギターも加えた演奏は、曲によっては現代的なビートを意識的に強調するなど、独特の緊張感を生み出し、それでいて、ピアノが紡ぎ出すリリカルなメロディが印象的だ。
露崎春女(Lyrico)の新作とベスト盤をカップリングした2枚組。95年のデビューからの13年を2枚に凝縮。Lyrico時代は若干マイルドだったが、ゴスペル出身だけに黒人歌謡をベースにした音楽性にはブレがない。もちろん、新作はモア・ファンキーなブラコン歌謡。
スティーヴ・グリメット率いるイギリスのメタル・バンドが、84年に発表した1stアルバム。力強くソウルフルな歌声と正統派のヘヴィ・サウンドが絡み合い、強いインパクトを放っている。