2009年10月発売
村上春樹の『1Q84』の冒頭に登場するヤナーチェクの「シンフォニエッタ」をピアノ・トリオで演奏! といっても決して便乗商法にあらず。ヴィクリッキーが奏でるのは、チェコのフォーク・ソングを研究し尽くした果てに生み出した、ここにしかない音なのだから。★
新居昭乃、Cocco、木村カエラら、女性ヴォーカルばかり8組のアーティストが参加したセルフ・カヴァー・アルバム。アメリカン・ロックを思わせるアーシーで骨太なサウンドをバックに、スケール感のあるメロディをそれぞれが粋に歌いこなしていて、両者が有機的に噛み合っている。
J-インディ界が熱い視線を送る、茨城出身の3ピース・バンド、plentyのファースト・アルバム。エモやポスト・ロック、くるり、バンプなど、既聴感はどこかに感じはさせつつも、そうした2000年代的な下北インディの要素を発展昇華させたスケールの大きさは折り紙付きだ。
スティーヴ・タイレルのバンドのピアニストとして活躍するクイン・ジョンソンのデビュー作は、ピアノ・トリオによるスタンダード集。エド・ハワードとアダム・ナスバウムという迫力あるベテランのリズム隊に後押しされ、芯のあるバップ・サウンドを聴かせる。
ストラトキャスターを操る敏腕として知られる三宅庸介の初ソロ・アルバム。インストゥルメンタルを中心に情感豊かなプレイが堪能できる内容だ。「Zira」「What Can I Dew」では盟友・赤尾和重をはじめ、彼が80年代半ばから在籍したテラ・ローザのメンバーによる共演が実現。★
ニューヨークのマネス音楽院でチェロと室内楽を学び、ニュージャージーのバーゲン・フィルの副首席奏者を務めた水口貴裕の初のソロ・アルバム。雄々しく骨太なチェロの音色が魅力的。セッション録音にもかかわらず、いささか音程が甘いのが気になる。