2009年4月29日発売
バーンスタインとの全集収録途中でバーンスタインが亡くなり、残りの第1、2番を弾き振りで完成させたツィマーマン。オーケストラとの一体感は強まり、隅々にまでツィマーマンの意図が浸透した名演だ。
ツィマーマンの鋭利な感性が、バーンスタイン&ウィーン・フィルという巨大な海の中で自在に泳ぐかのような演奏だ。面白い「皇帝」のCDはいろいろと出ているが、これほど聴き応えのあるものはなかなかない。
ツィマーマンが自ら組織したオーケストラを弾き振りして再度挑んだショパンの協奏曲。ツィマーマンの個性がストレートに反映された、かなり個性的な演奏だ。細部にまで徹底的に凝って作り上げている。
久しぶりに録音したショパンということで、大いに話題となったアルバム。1曲ごとにドラマティックなストーリーを構築しており、非常に大きな求心力を持っている。強い訴求力が感じられる演奏だ。
ツィマーマンの比較的珍しいドビュッシーで、フランス的な香気が立ち昇るというより、冷静で精緻な響きとリズムを積み上げている。細部と全体とのバランスが良く、独自のドビュッシー像を提示した作品。
同郷の名ヴァイオリニスト、ダンチョフスカとツィマーマンの共演で、シマノフスキの3曲が特に重要だろう。シマノフスキ復活の兆しが始まったころの録音で、シマノフスキの音楽とピタリとはまった名演だ。
(1)は強弱の幅広さがきわ立つ豪快な演奏だが、強奏にあっても響きが濁らない心地好さがあり、また、譜面に忠実な構造性も光る。晩年の前衛的な作風が特徴的な(2)(4)、および(3)(5)では、独特の内省的な暝想性が奥深く追求されている。
ツィマーマンとブーレーズとの共演ということで話題となったアルバム。完璧主義者のラヴェルに完璧主義者二人が挑んだところが興味深い。ディテールの精密さや磨き上げられた響き、精緻なリズムと、ラヴェルも大満足の演奏となっている。
数少ないツィマーマンのシューベルトだが、名演として高い評価を受けた演奏だ。シューベルトのロマンティシズムに内包する光と影をあますところなく表現しており、その“歌”はこの上なく美しい。
デビュー10周年を記念してリリースされたカヴァー・ベスト盤。今までリリースされたカヴァー作品の中からセレクトされた。あらためてシンガーとしての奥深さを感じる。山口百恵トリビュート企画盤に参加した「夢先案内人」など、ソニー時代の音源も収録している。
誰もが胸に秘めているであろう切ない想いを呼び起こすミディアム・バラードの「Maybe Someday」。繊細かつ情感あふれるヴォーカルで、特にDメロのポジティヴなメッセージが胸に迫る。R&Bテイストでクールな「Special」、キャッチーな「First Kiss」と、SSWとしての彼女の振り幅が楽しめる7枚目のシングルだ。
全曲リマスターが施された大貫妙子のベスト・アルバム。「ピーターラビットとわたし」「メトロポリタン美術館」など、お茶の間にも¥浸透した名曲を中心に選曲。入門編にも総集編にも適した、ファンのマスト・アイテムだ。
発売元
ユニバーサルミュージックポップスの分野で米黒人として初めて人気を得たコールのマスター音源を、ヒップホップをメインとした現代のアーティストが自由にリメイクしたトリビュート盤。現代の意匠の下に生まれ変わったトラック上で、参加アーティストとコールが次々と共演を展開。
アメリカの音楽の歴史に名を刻んだ、ジャズピアニストであり歌手の生誕90周年を記念するベスト盤。映画『スウィング・ガールズ』のエンディングに使われた「L-O-V-E」や「スマイル」など、名曲25曲を収録している。