音楽むすび | 2009年9月発売

イタリアン・ヘヴィ・メタル・シーンの至宝、ラビリンスのギタリスト、ピエール・ゴネーラを中心に結成された女性ヴォーカル・バンドのファースト・アルバム。クラシカルな要素を湛えながらも装飾過多にはならないサウンドには、奥行の深さや彩りの豊かさにあふれた歌の力を信じるバンドの潔さが窺える。

ベテラン・ピアニストの心にしみるソロ・ピアノ集である。美しいメロディのスタンダードやショパンやベートーヴェンの名曲を取り上げている。軽いがジャズらしいノリで旋律の美しさを奏でていく。「月光のソナタ〜イエスタデイズ」の「月光のソナタ」に「イエスタデイズ」のメロディを乗せる技が見事だ。

これぞテナー・サックスによる伝統的ジャズ・バラードの世界。切々とメロディを歌い上げるプレイに胸が熱くなる。「ユー・ドント・ノウ・ホワット・ラブ・イズ」はラテン風ミディアム・ファーストで演奏しているところが新味。ギターのP．バーンスタインも好演

最高の音で楽しむために！

溌剌とした音色と晴朗な歌心がこの演奏には宿っている。選曲もいい。クープランの「恋の鶯」、フンメルやクーラウの「ソナタ」など透明感のある颯爽とした演奏が映える。熟練の萩谷の真骨頂である。ドヴォルザークと珍しいブーランジェを興味深く聴いた。