2010年10月発売
武満の還暦記念アルバム。これが録音された1990年までに書かれた主要なピアノ独奏曲を収めているので、武満の作風の変遷を知ることができる。小賀野の澄んだ音が、武満の音世界をよく表わしている。
武満徹の混声合唱曲集。シンプルで明快なメロディとハーモニーを持ち、いわゆる難しい“現代音楽”ではない。これは混声合唱のための“うた”なのである。演奏は世界に冠たる晋友会、文句なしのアルバムだ。
武満徹がニコレのために書いた「そして、それが風であることを知った」を中心に、近現代のフルート、ヴィオラ、ハープのための作品を集めている。いずれも美しい作品で、名手3人たちのアンサンブルも秀逸だ。
ショパン生誕200年を記念したベスト盤。フジコ・ヘミングが過去に録音してきたショパンの音源からセレクトしている。有名曲が中心でショパン入門としても最適だ。フジコ・ヘミングのショパンへの手紙も掲載。
男性アーティストによる女性アーティスト作品のカヴァー集。冒頭を飾る徳永英明の成功が印象的だが、ここでは槇原敬之が98年に取り上げた松任谷由実の「春よ,来い」が最も古い例となる。いずれもオリジナルにはないニュアンス、テイストが新鮮で、歌は生きていると思わせる編集盤である。
男性アーティストによる邦楽の名曲を、女性アーティストがカヴァーする。そんな楽曲を集めたユニークなコンピレーション。中森明菜による尾崎豊や、夏川りみによる森山直太朗など相性抜群の曲もあれば、和田アキ子によるMr.Childrenのカヴァーのような、意外な組み合わせもあって楽しめる。
制作・出演
ArmandMigiani / ウィリアム・ブカヤ / ジャン・アルデゴン / チェット・ベイカー / ベニー・ヴァスール / ボビー・ジャスパー / モーリス・ヴァンデール / ルネ・ユルトルジェチェットが1950年中期にパリで吹き込んだものでBarclay原盤。「エブリシングハプンズ・トゥ・ミー」以外ではトランペットに専念しており、現地のミュージシャンとの呼吸も合っている。
制作・出演
アンドレア・ボチェッリ / アンリ・メイヤック / エヴァ・メイ / ジャン=リュック・バレストラ / チョン・ミュンフン / ティエリ・フェリクス / ビゼー / フランス放送フィルハーモニー管弦楽団 / ブリン・ターフェル / マリーナ・ドマシェンコボチェッリがドン・ホセをうたった全曲盤からの抜粋盤。有名曲だけでなく、物語の内容もわかるような選曲となっている。全曲盤を聴き通すのはいささか大変なので、初心者やボチェッリ・ファンには格好の一枚といえる。
アート・ブレイキーのコンボ、しかもバド・パウエル参加の音源で、フランス録音とくれば興味は尽きない。当地のバルネ・ウィランも参加しており、セッション音源らしく10分を超える長尺曲が多い。
1958年にパリで行なったライヴの音源を収録したアルバム。現地のミュージシャンは参加しておらず、数か月間ともに滞在したソリッドなクインテットで臨んだハード・バップ作品だ。自分の音を確立しつつあるバードの姿がある。
『バード・イン・パリ』と名付けられた作品と同じ1958年のライヴを収めたアルバム。バードもさることながら、ボビー・ジャスパーの快活ぶりは特筆すべき。リーダーかと錯覚するほど縦横無尽にサックスを吹きまくっている。
ハーモニカの名手として知られるシールマンスだが、1961年にパリで録音した本作では主にギターを手にしている。フランスのピアノ・トリオとの絡みという点でも貴重で興味深い一枚だ。Polydor原盤。
ミシェル・ルグランのピアノ・トリオによる、フランスらしさいっぱいの1959年作品。Philips原盤。パリにまつわる楽曲を中心にセレクトされており、現地のイメージを鮮明に想起させてくれる小品集といった趣きだ。
バップ期から活躍していたフランス人ピアニストとしては最も知名度の高いプレイヤー、ルネ・ユルトルジェが、ドン・バイアスらと共演して評価を高めていた1950年代当時のトリオ作品。独特のセンスで綴ったバドの作品集だ。
制作・出演
NatPavone / イニー・ルジェーロ / ジェイ・キャメロン / ジョージ・コールマン / スライド・ハンプトン / ブッチ・ウォーレン / ベンジャミン・ジェイコブ=エル / リチャード・ウィリアムズジャズ・トロンボーン奏者、スライド・ハンプトンがピアノレスのコンボで1962年に吹き込んだ作品。ジャズメンによるオリジナル曲が中心だが、よく練られたアレンジでまったく飽きさせない。Philips原盤。
知る人ぞ知るシカゴ生まれのジャズ・ピアニストによるトリオ・アルバム。録音は1958年にパリで行なわれており、ディジー・ガレスピーとの共演などで勢いに乗っていたロンネルの、力強いピアノさばきが聴ける。
ソニー・クリスが1960年代前半にフランスで吹き込んだリーダー・セッションを収録。現地の実力派ミュージシャンをバックに、持ち前のブルージィなサックスを聴かせる。PolydorからのEP音源も追加収録。
制作・出演
ウィントン・マルサリス / エリス・マルサリス / エリス・マルサリス3世 / ザ・マルサリス・ファミリー&フレンズ / ジェイソン・マルサリス / デルフィーヨ・マルサリス / ハリー・コニックJr. / ブランフォード・マルサリスジャズ界で最も有名なファミリー、マルサリス・ファミリーが2009年に行なったライヴを収録。ハリケーンの被害を受けた故郷ニューオーリンズを支援するチャリティ企画で、同郷のハリー・コニックの姿も。