2010年1月発売
ミネアポリス出身のファンク・パンク系5人組の4作目にしてエピタフからコロムビアへとメジャー移籍。その第1弾となる本作は、切なさを孕んだメロディを溌剌とした演奏に乗せて聴かせるいつもどおりの路線だが、さまざまな逆境を乗り越えた強さが歌詞に表われている。
大阪出身の男性三人組のシングルは、楽曲構想に3年をかけたという意欲作。愛する人へ伝えきれなかった思いを桜に託し、“生まれ変わったら桜の下でまた逢いましょう”と願う。この歌声が、せつなくジワッーと胸にしみてくる。桜の名の付いた名曲は多いが、この曲も確実に仲間入りするだろう。
名古屋を中心に活躍するラッパーによる初アルバム。アルバムの冒頭から抜群のリリックを披露し、そのラップ・スキルの高さを見せつける。ヘヴィながらもポップ性の高いトラックと胸に届く攻撃的な歌詞が印象的であり、まさにヒップホップ界のニュージェネレーションと呼べる存在感あり。
黛ジュンやエミー・ジャクソンなど、60'sの和製ポップスを彷彿とさせる男女二人組、サロメの唇の2作目。GS歌謡、キャバレー歌謡的な作風は何といっても下世話さが魅力。橘京子のヴォーカルも壺にはまっていて、渚ようこあたりが好きな向きには絶対のお薦めだ。★
GSを今の感覚で再生するような99年結成の京都のトリオ・バンドによる5作目。ゴールデン・カップスの「銀色のグラス」や松平ケメ子の「私がケメ子よ」のカヴァーもハマる、昭和歌謡ポップス風の日本語の歌で引っ張っていく一方、音的にはブリティッシュ・ビートのモダンな解釈みたいで、地に足の着いたサウンドに好感をもつ。
トキシック・ホロコーストが2003年に発表した1作目。バンド名義ではあるが、ジョエル・グラインドなるスラッシュ・メタル好き男が全パートを一人で手掛けている。録音機材もしょぼい完全自主制作だが、熱意と勢いとイーヴルっぷりがすさまじい。初期スレイヤーを思わせる。
2010年5月に“Extreme the DOJO”で来日するひとりスラッシュ・プロジェクトの2作目。2005年に発売され、トキシック・ホロコーストの名を世に知らしめた一枚であり、メタルというよりハードコアライクに猪突猛進。ショボい瞬間も見受けられるが、そこがまた憎めない。
イタリアのベテラン・ドラマー率いるクインテットによるイタリア流ウエスト・コースト・ジャズ。手本は59年にシェリー・マンが行なったブラックホークのライヴ盤。選曲はそのシリーズ全5作から。各人のソロは逞しく、ウエストというよりイースト系のハード・バップ。
米国東海岸マサチューセッツ州の“エクストリーム・バンド”の4作目。スラッシュ・メタルとデス・メタルとグラインドコアを、ブルータル・ハードコア流儀でミックスしたようなサウンドだが、以前よりシンプルになったのが特徴だ。豪華ブックレットが付き、日本盤のみPCで1曲PVが観られる。
独特の音楽世界を展開するALI PROJECTの2010年1月13日発表の11thアルバム。『戦う司書』オープニング曲「堕天國宣戦」や『Phantoom』オープニング曲「戦慄の子供たち」といった、アニメ主題歌を多数収録している。
DJ的視点も持つ、生音と電気音を自在に交錯させる日本人クリエイターのセカンド作。映画『バオバブの記憶』のために書いた音楽を起点とする2枚組で、ヴォーカルも用いる1枚は各所の精鋭たちと重なっている。くつろぎ感&覚醒感たっぷりのサウンド・スケープ集。