音楽むすび | 2010年2月発売

ファンのリクエストを反映したベスト。デビュー15年、「夢見る少女じゃいられない」で鮮烈な登場以降の怒涛のヒット曲は今も色褪せない。が、あらためてスタンダード性を感じたロッカ・バラード「Sweet Emotion」や爽快な「彼女と私の事情」など、むしろこれらの発表時期に良曲で足場を固めた自負があるからこそ、この決意表明的な表題を宣言できるのだろうと感じた。

メロコア特有のスピード感と骨の太いグルーヴを併せ持つ3ピース・バンドによるファースト・ミニ・アルバム。ダイナミズムと親しみやすさをバランスよく兼ね備えたメロディ、「人生を楽しめ！」と聴く者を鼓舞するリリックからは、広いポピュラリティを得る可能性が十分伝わってくる。

2006年に結成、下北沢を拠点とする4人組バンド、ほたる日和のファースト・アルバム。アルペジオのギターのつまびきと日本語の語感を大事にした詞世界はスピッツへの強い敬意を感じさせるが、ヴォーカル・早川厚史の本気の思いを乗せたハイ・トーンが率直に胸に刺さってくる。

ボエリーのプレイは素晴らしい歌心が魅力だ。ピアノ特有の穏やかな響きの中で今回も美しいメロディが華麗な舞を見せる。スタンダード、ポップ・チューン、オリジナルなどを通し、この作品では彼がピアノ・トリオによる耽美で詩的なプレイを綴る。