2010年6月発売
エレキの王者・ベンチャーズのデビュー51周年記念ベスト盤。半世紀を越えて今なお現役で活躍する彼らが、ファンへの感謝の気持ちを込めてリリースする2枚組のヴォリューム作。99年以降の音源51曲を収録する。
透明感あふれる歌声で根強い支持を得る沖永良部島出身の女性シンガーのアルバムは、日本人に馴染み深いスタンダード曲で構成。ウクレレやペダル・スティール・ギターを導入、ユニークなアレンジの下、クリーンな歌声とともにオリジナリティあふれる癒し志向の一作に仕上げている。
2008年にソロ・デビューを果たしたMC、HAIIRO DE ROSSIの2ndアルバム。現実と理想のギャップや多くの葛藤に鍛えられたリリック、独自の目線でとらえた現代風景が全編に広がっている。存在感の大きさも前作以上だ。
多くの楽器を操るマルチ・プレイヤーの草分け的存在の彼が本作で聴かせてくれるのは、心地よいボサ・ノヴァ、サイケなど多様なサウンドにコーティングされた混沌としたシュールな世界。アルバムの中身は“日本語の歌”“洋楽風?”“ポリリズム!”と三つに分けられ、パートごとにその奇才ぶりを発揮している。
歌謡曲の豊かで確かなメロディを抽出していく花岡千春のピアノは、背筋が伸びた演奏で清々しく、曲への敬意というか愛情も感じられて心地良い。この2枚組アルバムは、クラシックのピアニストによる歌謡曲を演奏した作品の中でも秀逸だ。媚びることのない情感と音色の表情がいい。
活動拠点である下北沢はラカーニャにおけるライヴ盤シリーズの“夏”盤。自由な解釈で歌いまくるカヴァー・ソングが痛快。特に「乾杯」と「川の流れのように」は素晴らしい。もちろん、オリジナルもよい。タイプはまったく違うが、矢野顕子と同じように彼女も音楽とピアノに選ばれた人なのだ。