2010年8月発売
ファルセットの美しさは天下一品。前作『ALLURE』(2009年)の好評も記憶に新しい彼のアルバムが届いた。今回も全曲の作曲、トラック・メイキング、ヴォーカルを彼が担当。ボーナス・トラックを含めて、メロウで包み込むようなサウンドが展開されている。さらなる人気上昇が期待できそうだ。
90年代のいわゆるエモ・ロックを2010年の形でピュアに展開した、米国の4人組のファースト。ハードコアほど激しくないとはいえパンク・ロックのような疾走感があり、プロミスリングの流れをくむメロウで歯切れ良き瑞々しい音が夏草のように輝いている。日本盤は歌詞とその和訳付きで「Fakin It」「Turn And Go And Turn」を追加。
注目の片倉真由子が参加。多田の個性的な響きがハイ・テンションな片倉を鼓舞する「Jackieeee」、繊細なハーモニーが豊饒な空間を創出する「Reminescence」、“限りなき探求”を思い起こさせる「URUME」、上村の重厚なベースが光る「The Last Phase Of The Moon」と全曲がハイ・レベル。大坂の3作品はいずれも詩的に響く心を直撃するメロディだ。★
五木によるカヴァー曲集の第2弾。コブシをきかせた平原綾香の「Jupiter」や山下達郎の「Ride On Time」のカヴァーで腰を抜かすだろう。コブクロの「蕾」ではまるで別の曲となっている。つねに五木の居場所に歌を引き寄せているのが凄い。半端なカヴァー作品でないところはさすがだ。
芸名を五木ひろしとしてから40周年を迎えた記念第1弾シングル。またカップリングには2006年にリリースされた「雪見酒」のアレンジを一新して収録。しっとりと大人の悲恋情話を切々と歌い上げる五木演歌の真骨頂。季節的には一足早いが、白い雪景色がよく似合う。
倖田來未やAIとのコラボレーションで、メジャー・シーンを賑わせつつも、ブレることのないストリート・スタイルで骨太なトラックを聴かせてくれる彼。今回のシングルでも、現場のリアル感を真空パックし、「PUBLIC ENEMY」ではギター・サウンドを全面に押し出した大胆でアクレッシブなヒップホップを追求している。
レディオヘッドのドラマーの初ソロ作は、なんとメランコリーの色濃いフォーキーな一枚。この事実、バンド本体が感じさせる“歌心”を考える上でも興味深い。ともあれイギリス人らしさが前面に出た内省的な作品、および歌声を聴かせている。ウィルコや元ソウル・コフィンのメンバーが参加。
5人組UKロック・バンド、ザ・コーラルの3年ぶりとなる6thアルバム。“ミステリーの死”をコンセプトに掲げ、無駄のない洗練されたサウンドとハーモニーを展開。格段とスケール感がアップし、一皮むけた新しいサウンドを堪能できる。
M.I.A.やトリッキーのプロデューサーを務めたザ・カウントと、M.I.A.のツアーDJとして知られるシンデンによるユニットの初作品。ハウスやテクノ、ヒップホップ、ラガ、ラテン、アフロ・ビートほか、あらゆる要素を呑み込んで放たれるダンス・ミュージックはまさに享楽の極み。
愛媛県松山市を拠点とする、2005年に結成された5人組。本作は2枚目のアルバムにして初の全国流通盤。音楽性にはパンテラ以降のアグレッシヴなサウンドが見えてくるが、注目したいのはそんなメタル愛と郷土愛。豪快さを前面に押し出しながら、面白さも並立させて聴き手を魅了していく。