2019年3月15日発売
サンフランシスコのプログレッシヴ/テクニカル・デス・マスター、ファルージャによる4枚目のアルバム『アンダイング・ライト』。 装飾を削ぎ落とし鋭く本能に訴える本作は、バンド史上最も激しくロウな快作! ファルージャは、サンフランシスコ出身のプログレッシヴ/テクニカル・デス・メタル・バンド。07年の結成当時、メンバーはまだ高校生。 09年に『Leper Colony』というEPを自主制作でリリースし、さらにアメリカ・ツアーもこなすなど、精力的な活動を展開していく。 その結果、テクニカル・デス・メタルの総本山、ユニーク・リーダー・レコーズの目にとまり、11年にはデビュー・アルバム『The Harvest Wombs』を発表。 ちなみにユニーク・リーダー・レコーズは、カリフォルニアのテクニカル・デス・メタル界の親玉、昨年惜しくも亡くなってしまったディーズ・オブ・フレッシュの エリック・リンドマークが設立したレーベルだ。13年のEP『-Nomadic-』、続く14年のセカンド・アルバム『The Flesh Prevails』は、世界的に大きな話題となり、 バンドは現エクストリーム・メタル界最大手のニュークリア・ブラスト・レコーズとの契約を手にする。そのニュークリア・ブラストからリリースされた 16年のサード・アルバム、『ドリームレス』は、ここ日本でも大きな話題となった。 冒頭ファルージャのスタイルを「プログレッシヴ/テクニカル・デス・メタル」と書いたが、彼らのスタイルを形容するのは容易ではない。 「プログレッシヴ」で「テクニカル」な「デス・メタル」であることに疑いはないが、特に『ドリームレス』では、シンセサイザーや女性ヴォーカルなども使われ、 ディジタルでポスト・ロック的雰囲気も強く漂うなど、なかなか一言では表現しきれない要素も多かった。 だが、今回リリースとなる4枚目、『アンダイング・ライト』は、少々様相が異なる。07年から活動を共にしてきたヴォーカリスト、アレックス・ホフマンが脱け、 新たにアントニオ・パレルモを迎え製作された本作について、ギタリストでありメイン・ソングライターでもあるスコット・カーステアーズは、 "raw"であり、"new"であると表現している。噛み砕いて言えば、「前作ではクリーン・ヴォーカルやシンセサイザーなど、さまざまな楽器を導入」したが、 今回は、「もっと生々しくて正直なサウンド」を目指したということ。「『アンダイング・ライト』はまったくの別物であり、 このアルバムはファルージャというバンド、そしてその将来の姿のステートメントさ。この作品こそが、俺たちが磨きあげた本当のサウンドなんだ」という スコットの堂々とした宣言のとおり、確かに前作に比べれば、ストレートな作風へと接近しているのが感じ取れる。 もちろん、そこはあくまでファルージャ基準。彼らの音楽が、テクニカル、プログレッシヴであることに変わりはないのだが。 前作同様マーク・ルイスをエンジニアに迎えた『アンダイング・ライト』は、ファルージャ史上最も激しい作品。 テクニカルでプログレッシヴでありながら、本能的でもあるという見事なバランスが成立している本作で、 ファルージャはより幅広い層へとアピールし、さらに多くのファンを獲得することになるだろう。 【メンバー】 アントニオ・パレルモ (ヴォーカル) スコット・カーステアーズ (ギター、ヴォーカル) ロバート・モーレー (ギター) アンドリュー・ベアード (ドラムス)