著者 : ケイトリン・クルーズ
モリーは破産寸前の窮地にあった。母に借金を負わせたのは、いまや大富豪となったかつての継兄、コンスタンティン。彼に母への誤解をといてもらうにはどうすればいいの?母を救いたい一心で、モリーはギリシアへ飛んだ。10年ぶりに会った彼はしかし、16歳だったモリーを虜にしたギリシア彫刻のごとき美貌で、驚愕の提案をするーそれはあろうことか借金のかたに彼の愛人になること。困惑するモリーに彼は強引にキスをし、抜け目なく告げた。「たったいま熱く応えたくせに。君の演技はお見通しだ」
ケンドラは多国籍企業総帥バルサザールのオフィスに赴いた。彼は昔パーティで出逢い、庭の東屋で情熱を教えてくれた男性。今、兄の不正を許してほしいと懇願する彼女に、無慈悲にもバルサザールは、その身を投げ出すならと迫った。嵐のように荒々しい黒い瞳がときに悪魔を思わせる、尊大な彼の強烈な魅力に抗えるはずもない…。ケンドラは熱い行為へといざなわれたー。3カ月後、彼は突如現れて言った。「君は妊娠しているはずだ」どういうこと?まさか、おなかの子を取り上げるつもりなの?
お下がりのウエディングドレスをまとい、ザラは祭壇に向かっていた。 こんなのってないわ……美しい姉の身代わりに花嫁になるなんて。 気まぐれでわがままな姉は、挙式当日に姿をくらましたのだ。 結婚相手は、見も知らぬ億万長者、チェイス・ウィテカー。 祭壇の前で待つ彼の、空のように青く美しい瞳も、 新婦が別人とわかれば、怒りの炎を燃やすにちがいないわ。 それでも、この政略結婚を悲願とする父の命に背くことなどできず、 ザラは震えながら新郎のもとへ一歩一歩進んでいった。 ところが、チェイスは花嫁のすり替えに気づいても無言を貫き、 それどころか、あまりにも情熱的な誓いのキスをしてきて……。 幼い頃からつねに美しい姉と比較され、日陰で生きてきたザラは、これまでずっと父にとって期待はずれの娘でした。そんな彼女が突如結婚することになったチェイスには、“道具”として花嫁を利用するある思惑があり……。内気で心優しいザラの運命は!?
カリスタは働いていた父の会社をくびにされ、車に放りこまれ、引きずられるように宮殿へ連れてこられた。なによりも権力を望む父が、大金を払って縁談を用意した?ごく平凡な容姿の私が、君主の花嫁になって子供を産むですって?精悍で男らしいオリオン王に初めて胸のときめきを覚えたときも、カリスタは父の道具となった自分がみじめでたまらなかった。でも王の氷の視線にも、私はひたすら耐えるしかない。逆らえば、ずっと守ってきた盲目の妹を家から追い出し、二度と会えないようにしてやると、父に脅されているのだから。
婚外子として生まれたベッカは、大富豪である伯父に疎まれ、 妹を大学に通わせるための援助を乞うたが、邪険に追い払われた。 半年後、伯父の邸宅に呼び出され、不思議に思いつつも向かうと、 そこにいたのは、伯父の娘ラリサの婚約者、セオだった。 聞けば、ラリサは一族の株を浮気相手に譲り渡す文書を残したまま、 事故に遭って、今は昏睡状態にあるのだという。 「きみはラリサによく似ている。だから、呼んだ」 浮気相手からくだんの文書を取り戻すために、ラリサのふりをしろと!? 即座に拒んだベッカに、セオが悪魔のように冷徹な声で告げた。 「妹の未来を捨てる気か。報酬は弾む。いい大学にやりたいんだろう?」 〈私はイミテーション〉と題して、瓜二つの別人になりすますヒロインの切ない恋物語をお届けします。きみを改造してみせるというセオの言葉どおり、髪をブロンドにされ、化粧も服装も変えられたベッカ。そうして、セオの婚約者としての生活が始まりますがーー
10年の片想いが実っての結婚。 ただし、おなかの子は祝福されぬまま。 クリスティアーノーー16歳から想い続けてきた私の大切な人。 その夜、ジュリエンヌは憧れのイタリア人富豪に純潔を捧げた。 クリスティアーノは生きるために身を売ろうとした私を救い、 住まいと教育を与え、彼の会社で働くチャンスまでくれた。 だから一夜の思い出以上は望まず、夜明けとともに姿を消した。 ところが数カ月後、ジュリエンヌは妊娠していることに気づく。 再会したクリスティアーノの反応は衝撃的だった。 “自分の子を望んではいなかったが、こうなってはしかたない” そして愛する男性は憎しみをこめ、彼女に結婚を申しこんだ……。 ヒロインは妊娠に驚きますが、喜んでもいました。一人で育てるつもりで、彼女はヒーローに会いに行きます。しかし、待っていたのはトスカーナの彼の屋敷に閉じこめられた孤独な生活でした。ヒロインに選択肢はなかったのですーー愛する男性の要求だったから。
アンジェリーナは、二十歳になったばかりで結婚を決められた。相手は、イタリア貴族の末裔ベネデット・フランセッシー莫大な富を持つ、孤島にそびえる“黒い城”の城主だ。アンジェリーナは破産寸前の没落貴族の末娘で、父親が金銭的援助を受ける代償として、ベネデットに売り渡されたのだった。彼と初めて会った夜、その恐ろしいほどの美貌に心奪われ、アンジェリーナは熱いキスと、それ以上の行為を許してしまう。彼には6人もの前妻にまつわる、恐ろしい疑惑があるというのに。
企業経営者の適性診断をするセラピストのサリーナは、その日、ヴェネツィアの名門貴族の邸宅を訪れた。主に世界的複合企業を率いる実業家マテオ・クームー権力者らしく尊大で自信に満ちた彼は最も苦手なタイプのはず。なのに、にじむ威厳と色気に心は激しく乱れた。気づけばマテオ唇を奪われ、サリーナは陶然となった。その様子を録画されているとも知らず。やがてマテオは狼のようにほほえんで言い放った。「僕が何を要求するかー楽しむがいい」
セシリアは見習い修道女。イタリアの小さな町ドロミティの修道院の前に捨てられ、修道女たちを母親代わりに育った。だが、けがをした美貌の男性パスカルを看病するうち虜になり、やがて傷が癒えた彼に身も心も捧げたーまさか彼が翌朝、姿を消し、その一夜に新しい命を授かるとは夢にも思わず。修道院を出たセシリアは清掃の職を見つけ、赤ん坊を産んだ。6年後、彼女が聖堂の床に這いつくばって掃除をしていたとき、誰あろうパスカルが現れた。今になってなぜ?息子は絶対渡さないわ!
アミリアは公爵テオが主催する仮面舞踏会に忍びこんだ。かつて義兄と呼んだ初恋の人、テオ。二人の両親が別れたあとも、ずっと彼を忘れられなくて、想いを断ち切るために、この屋敷を訪れたのだ。目の前の仮面をつけた女性が、義妹とは気づかぬテオは、官能的なダンスで彼女を幻惑して抱き上げると、仮装のまま客間へ入って、夢のような情熱の時を与えてくれた。でも、まさか妊娠するなんて…。やがて正体を明かし、妊娠を告げた彼女にテオは傲慢に言った。「妻になるか、さもなくば使用人になれ」
修道院育ちのピアは、旅先のNYで初めての恋におちた。エメラルド色に輝く瞳を持つ黒髪の優美なアレスに身も心も捧げ、帰国後、思いがけない妊娠に気づく。アレスの連絡先すら知らず途方にくれたが、おなかのふくらみが目立ちだす頃、彼が現れた。そして、アティリアの皇太子という身分を明かし、おなかの子が我が子ならばと求婚してきた。子供に父親は必要よ。でも、愛のない結婚なんて…。ロンドンでのDNA鑑定のため、彼の自家用機に乗ったピア。機内で眠り込み、目を覚ましたとき…そこは彼の王国だった!
秘書のローレンはハンガリーの深い森へと赴いた。上司の異父兄ドミニクを帰郷させるためだ。森を抜け、小屋を訪ねると、現れたのは荒々しい風貌の男性。母の訃報を伝えた赤いコート姿の彼女を赤ずきんとからかい、ドミニクはあろうことかいきなりキスをした!しかしー。「帰れ。ぼくを捨てた母にも、見知らぬ家族にも興味はない」動揺しつつも説得を続ける彼女に、彼が出した帰国の条件は、“ぼくが望んだらいつでもキスをすること”。なんて不埓な人!なのに…彼と触れた唇が妙に熱い…。
婚礼を明日に控え、ジュリエットの思いは千々に乱れた。政略結婚の相手は、野獣とあだ名されるスペイン富豪ハビエル。公爵家の血筋の妻が欲しい彼に、わたしはお金で買われたのだ。それにしても、どんな女性でも買えるはずの彼がなぜ?赤毛の不器量なわたしを見たら、きっと落胆するわ…。危険なオーラを放つ、黒髪のハンサムな花婿と対面した瞬間、ジュリエットは震えた。そして、結婚の理由を尋ねた彼女に、ハビエルは不敵な笑みを浮かべるが早いか、身も心も奪わんばかりに貪欲なキスをした!
親の顔も知らない貧しい私を、王が娶る。 でも、彼の望みは世継ぎの王子だけ……。 恐れていた日がきた。ショーナは緊張し、現れたマラクを見た。 ウエイトレスとして働く店に、場違いな高級スーツ姿の彼がいる。 21歳の誕生日の夜、恋をして純潔を捧げた私を捨てた男性が。 王子だった彼は王となり、過去の交際相手を調べたという。 ショーナの顔に汗が流れた。やめて、続きは言わないで……。 「出ていって!」この5年間を、マラクには知られたくない! 彼女の不敬な言葉に護衛は気色ばんだが、王は高笑いをし、 プロポーズにはほど遠い傲慢な言葉で、彼女に結婚を迫った。 「君と僕の子は王子に、君は王妃となる。おめでとう、ショーナ」 『授かったのは、王家の秘密』『国王からの結婚命令』『獅子王は惜しみなく奪う』の関連作をお届けします。幼い我が子のそばにいるために、ヒーローの妻となるしかなくなったヒロイン。彼に愛されぬ王宮暮らしは華やかで贅沢でも、不安ばかりがつのり……。
ソフィーは家を繁栄させるため、育てられた人形だった。政略結婚で人生が終わる前に、せめて情熱や愛を知りたい。一目で惹かれたシチリア富豪レンツォにバージンを捧げた結果、彼女はおなかに小さな命を宿した。しかし再会した彼はなぜか激怒していて、妊娠を言い出せず、ソフィーは親が決めた伯爵と結婚するしかないことに絶望する。チャペルに乗りこんだレンツォが、花嫁の彼女をさらうまでは。彼はソフィーを自分の城に閉じこめ、離婚を前提とした結婚と赤ん坊の親権を要求する。その目には彼女への憎悪しかなかった。
私の幼い胸を焦がした彼の美しい瞳に、 今は怒りと憎悪しか見えない。 レクシーは両親の死後、伯父の家で使用人扱いされて育った。 そんな日々の中、心の支えだったのは憧れの上司アトラス。 だがある日、無実の罪で囚われた彼は皮肉にも レクシーの証言が決め手となり、CEOの座を追われ 長い獄中生活を強いられる悲劇に見舞われてしまうーー。 10年後、ついに無実の罪を晴らした彼がオフィスに現れる。 そして、おののくレクシーに傲然と言った。 「僕を監獄に追いやった君への罰は、僕と結婚することだ」 何を企んでいるの? 彼の意図がわからずレクシーは狼狽した。 あまりにも変わってしまったかつての憧れの男性。悲しみの新婚初夜、過去の罪を体で償えとばかりの悪魔の仕打ちにヒロインは耐えますが、妻がバージンだと知った彼は……。文豪デュマの名作『モンテ・クリスト伯』さながら、重厚な愛憎劇の幕が開きます!
数年前に両親を悲惨な自動車事故で亡くして以来、エリナーは唯一の家族となった妹のためだけに必死で働いてきた。今、少しでも給与の高い仕事を求めてロンドンから赴いたのは、ヨークシャーの荒野に立つ巨大な館。館の所有者で雇い主でもある第12代グローヴスムーア公爵は、英国随一の大貴族ながら、その放蕩ぶりでタブロイド紙の常連だ。公爵が後見人である7歳の少女の家庭教師を務めるのが仕事で、留守がちな彼と顔を合わせることなどないという話だった。ところが到着早々エリナーは公爵と遭遇し、言い放たれる。「これまでの家庭教師のように僕の気を引こうとしても無駄だ!」
「私はヴァレンティナ」「私はナタリーよ」何から何まで自分にそっくりな女性と空港で出会い、ヴァレンティナ王女は鏡を見ているような錯覚に陥った。そして妙案がひらめいた。2カ月後に迫る政略結婚の前に、夢にまで見た普通の暮らしを経験できるまたとないチャンスだ。仕事に疲れ切った様子のナタリーを懸命に説き伏せた彼女は、世界的な大富豪アキレスの秘書として化粧室をあとにした。魅惑的な金色の瞳にたやすく正体を見破られるとはーアキレスが生涯忘れ得ぬ人になるとは夢にも思わずに。
ロンドン郊外の空港のラウンジで、秘書のナタリーは悩んでいた。傲慢な億万長者のボスに仕えて5年。心身ともにもう限界だった。すると突然、背後から声がかかり、彼女は振り返って仰天した。そこにはナタリーと瓜二つの、身なりのよい女性が佇んでいた。異国の王女だという彼女とナタリーはすぐさま意気投合し、互いの悩みまで打ち明け合ったが、ふと王女が意外な提案をした。45日間だけ、密かに立場を入れ替わってみないかというのだ。私が王女に?承諾したのも束の間、すぐに後悔に襲われる。あろうことか王女の許婚ロドルフォに惹かれ、唇を奪われて…。