著者 : ジェシカ・スティール
『疑われた無垢』難しい手術の末、ついに歩けるようになったデヴォン。だがある日、恐ろしい事実を知る。娘の莫大な手術費を捻出するため、父が会社の金を横領して告訴されるというのだ!父を救おうと社長のグラントに慈悲を乞うも、デヴォンの脚が不自由だったことを知らないグラントは、彼女を放蕩娘と決めつけて傲慢な愛人契約を提案した。「僕が飽きるまでそばにいるなら、考え直してもいい」と。しかし初めての夜、デヴォンの素肌が月光に晒された瞬間、グラントは息をのんだーえぐられたような深い手術痕を、彼女の腰に見つけて。『家政婦でも愛人でもなく』「母じゃなく、私がお金を盗んだの」白血病を患い、癒えたばかりのラヴェンナは、自分のために母が犯した罪をかぶり、大富豪ジョナス・デヴソンに訴えないでほしいと願い出た。するとジョナスは、改修予定のデヴソン屋敷でラヴェンナが家政婦として働くならという条件を出してきた。一人で大きな館の掃除など無理だろうけれど、彼女は母を守るためにその条件をのむことに。予想以上に傷んでいた屋敷で、ラヴェンナは病み上がりの体に鞭打って、懸命に働いた。まさか、冷静沈着なジョナスに熱く迫られる日がくるとも思わずに。
わたしは誰? あなたは誰? この胸の愛を、信じていいの? どうしよう……自分の名前すら思い出せないなんて! 病院で目覚めた彼女は、クレアという名前であること、 交通事故で頭を強打して記憶を失ったことを看護師から説明された。 だが何より彼女を不安にさせたのは、左手の薬指に光るダイヤの指輪。 もしかしてわたしは誰かと婚約しているの? そこへ、背の高いハンサムな男性が訪ねてきた。 タイラスと名乗る裕福そうな彼は、クレアの婚約者だという。 クレアはタイラスの豪華な大邸宅で静養することになり、 思い出せなくとも彼への愛情は日々育っていった──その朝までは。 突如として記憶を取り戻した彼女は絶句した。彼は……誰なの? もしも愛した相手が婚約者ではなく、別人だったら……? 記憶のラビリンスとも言うべき謎めいた展開に引きこまれる、大人気作家ジェシカ・スティールが円熟期に生んだ大ヒット作をお届けします!
純真無垢なヒロインが恋の試練にーー 世界中で愛された名作家の追悼特集。 1979年刊『恋のアムステルダム』でデビュー以来、純真な乙女が傲慢ヒーローに翻弄されながら恋の深みにはまってゆくさまを生き生きと描き続けたジェシカ・スティール。2020年、惜しまれつつこの世を去りましたが、数多くの不朽の名作を遺してくれました。
派遣社員のダーシーはある日、書類の配達を頼まれてホテルへ向かった。だが指定された部屋にいたのは不穏な表情をした屈強な男2人で、中に引きずりこまれた彼女は、恐怖のあまり気を失ってしまう。次に目覚めたとき、ダーシーはネーヴという名の見知らぬ大富豪が住む豪邸に連れてこられていた。先ほどの男たちは彼の用心棒だった。ダーシーをなぜか脅迫犯と誤解したネーヴは彼女を囚われの身にしたのだ。一瞬だけ情熱的なキスをされたとき以外、冷徹な態度の彼に恐怖を覚え、彼女は隙をついてどうにかこうにか自宅へ逃げ帰った。その翌週、新しい派遣先で念願の秘書として働くことが決まり、喜んだのもつかの間、ダーシーは社長の顔を見て驚愕するーネーヴ!
失恋の傷を癒やしに別荘へ出かけたヴァーニーは仰天した。なんと主寝室のベッドにたくましい男性が寝ていたのだー兄の雇い主で、実業界の大物レオン・ボーモントが!常にスポットライトに照らされ、美女とマスコミに追われる彼に、兄がしばらくここで身を潜めるよう勧めたのだろうか。「誰だ、君は?ここで何をしている?」苛立った口調で彼がきく。そう、もちろんレオンはヴァーニーのことなど知らない。兄の立場を考えれば、彼の機嫌を損ねないほうがよさそう…。「わ、私はあなたの世話をするよう雇われた、家政婦です」とっさに口をついて出た言葉が、二人の関係を思わぬ方向へ導きー。
地味で内気な私だけれど、 あなたの愛人になれますか? 小さな村の学校で事務員を務めるマーシーは、 親友の結婚式で誤ってお酒の入ったジュースを飲み、気絶する。 気づいたときには自分の部屋にいて、隣には男性が寝ていた。 彼は……結婚式で会った、会社経営をしているというクロフト! そこへ間の悪いことに、心配した知人が訪ねてきた。 二人の噂は小さな村であっという間に広まってしまい、 マーシーは貞操観念の強い家主から部屋を追われてしまう。 行き場をなくした彼女に、クロフトは僕の別荘に来いと言った。 あの夜二人に何があったかきけないまま、マーシーは頷き……。 ジェシカ・スティールは、HQロマンスとイマージュで長く活躍した大御所作家。うぶでけなげなヒロインと、無口で強引なヒーローのクラシックな作風が人気です。来月はエマ・ダーシーの『愛を望まない恋人』。失読症のヒロインが予期せぬ妊娠をしてしまい……。
尊大な社長に反抗したくても、 彼に命じられるままに……。 半年前にロンドンへ出てきて、大企業に勤めているアイヴォリー。 ある日、オランダにいる社長の指示で、大至急資料をそろえたが、 担当秘書のパスポートの有効期限が切れていたため、急遽、 アイヴォリーが代わりに書類を届けにアムステルダムへ飛んだ。 夜遅くに指定のホテルに着いたときには疲れきっていて、 案内された部屋に入ると、ベッドに倒れ込むように眠りについた。 翌朝、近くで声がし、アイヴォリーは目覚めた。「きみは誰だ?」 驚いて見ると、隣のベッドにハンサムで大柄な見知らぬ男性がいる。 なんとそれは、まだ会ったことのなかった社長、ローソンだった。 ああ、よりによって、間違って社長の部屋で寝てしまったなんて! HQイマージュ〜至福の名作選〜より、大御所作家ジェシカ・スティールの初期の珠玉作をお贈りします。失恋を機に、都会に出て頑張る21歳の若きアイヴォリー。そんな彼女が大人の男性ローソンと出逢い、翻弄し翻弄されるキュートでロマンティックな恋物語です!
1年前、結婚式の翌日に夫を事故で亡くして以来、ジョージィは罪悪感に苛まれ続けてきた。そんなある日、亡夫の従兄で銀行家のダクルが訪ねてくる。彼はジョージィを気遣い、新しい一歩を踏み出せるようにと、フランスに所有する豪華な別荘に誘ってくれたのだった。美しい景色の中で、優しくハンサムなダクルと過ごしながら、ジョージィは彼に惹かれていく気持ちを必死に抑えた。わたしには、彼を愛する資格なんてないー夫が命を落としたのは、わたしのせいなのだから。
せっかくのパーティなのに、エドニーは少しも楽しめなかった。エスコート役を頼んだ知人にしつこく言い寄られ、あまり事を荒立てないよう拒絶するのに四苦八苦していた。とうとう強引にキスされそうになったとき、どこからともなく現れた男性がエドニーを救い出してくれた。長身で黒い髪、黒い目、洗練された雰囲気ー彼はエドニーを家へ送り届けると、慰めるような優しいキスをした。なんだか夢みたいだったわ…。翌週、転職先のオフィスで、エドニーは思いがけずあの男性の名前を知った。サヴィル・クレイソーンー彼こそ、エドニーの新しいボスだった。
苦労してキーリーを育ててくれた母が再婚することになった。 相手は、母がハウスキーパーをしていた屋敷の主。 キーリーは最愛の家族の幸せを心から喜んだが、母は浮かぬ顔だ。 聞けば、義理の息子となる実業家のタラントが“財産めあて”と責め、 小切手を持たせて母を追い払おうとしたというのだ! なんてひどい人なの、そのタラントという息子はーー。 たまらず彼の会社を訪れたキーリーは、長身の魅力的な男に迎えられた。 「母親が言うとおりの美人じゃないか」タラントがそう漏らし、 無遠慮に彼女を眺め回したあと吐き捨てた言葉に、彼女は耳を疑った。 「まさかハゲタカが2羽もいるとは思わなかった」 母に幸せになってほしい一心でタラントと面会したキーリーでしたが、あまりにも理不尽な応対に、思わず彼の頬を平手打ちしてしまい……。HQプレゼンツ作家シリーズ別冊より、年の差ロマンス特集〈若き乙女と大人の男〉をお届けいたします。
小さな村で秘書をしていたエリンは、ひょんなことから、ロンドンに住む企業経営者ジョシュ・ソールズベリーと出会う。強く惹かれたものの、彼は雲の上の人だ。想いがかなうわけがない。ところがジョシュは電話をかけてきて、ディナーに誘ってくれた。いったい何を着ていこう!?パニックに襲われるエリンの前に、疎遠になっていた母親が訪ねてきて、驚きのニュースをもたらす。なんと母親は、ジョシュの父親の愛人だったというのだ。男性関係において、エリンの母親の評判はよくない。思わぬ因縁に自信をなくした彼女はディナーの約束を断ったが、その夜、運命はエリンとジョシュを不思議な形で引き寄せてー。
コリーは亡父の全財産を継母に取られたうえ、家も出ていくよう迫られ、 自活するために経験もない秘書の面接を受けた。 うまくいくはずもなく、すごすご帰りかけたとき、 社長サイラスに呼び止められた。「きみにもっとふさわしい仕事がある」 ダークブルーの瞳に妖しい光をたたえた彼は、祖父の遺言の関係で、 会社を維持するためには妻が必要だと、コリーに契約結婚を持ちかけた。 いくら生活苦から救われるとしても、そんな形だけの夫婦なんて……。 しかし、コリーは思わず知らずサイラスの魅力に引き寄せられ、 花嫁になる道を選ぶーー日々募る“夫”への想いは報われず、 彼が徹底して示す冷淡さに傷つき苦しむことになるというのに。 特別企画〈胸打つ名告白〉をお贈りします。結婚の手続きと簡素な式をすませたあと、別々に帰る車の中でなぜか無性に涙があふれ、コリーは自分がすでにサイラスに対して淡い恋心を抱いてしまっていることに気づくのでした……。
どうしよう! だいじな、だいじなバッグを盗まれてしまった! 兄の借金を返すために母の形見を売って得たお金が入っていたのに……。 顔面蒼白のメレンは、たまたま通りかかった親切な男性に勧められ、 高級住宅街に立つ屋敷の豪華な客間で休ませてもらうことになった。 すると、よく響く声が聞こえてきた。「これ以上浮浪者はごめんだぞ」 まさか私のこと? すてきな声だけれど、言っていることは酷いわ。 声の主は、助けてくれた男性の兄で、世界的企業の重役ジャラッド。 彼はメレンの切羽つまった事情を聞くと、援助を申し出た。 その真意を疑いながらも、メレンは申し出を受けるほかなかったーー それが、ジャラッドの代用恋人としての“契約料”になるとも知らずに。 初対面にして辛辣な物言いをするジャラッドに反感を持ちつつも、生活が困窮しているメレンは結局のところ、彼に頼らざるをえなくて……。一方のジャラッドは、しつこく結婚を迫る母親をなだめるため、メレンに1年のあいだ偽りの恋人を務めるよう要求します。
亡くなったばかりの母の形見のアンティークの指輪。その大事な指輪を、ルーシーの兄が何週か前になくしてしまった。華やかなパーティの最中にも、思い出すだけで胸に痛みが走る。いま、そんな彼女に熱い視線を這わせる大富豪ジャドがいた。男の見つめ方はどこかほかの人とは違っている。何かが…。席を立とうとした彼女は、ある女性を見て息をのんだ。その指に鈍く光るのは母の指輪。女性はジャドの連れだった。いてもたってもいられず、指輪を返してほしいと訴えると、ジャドは、この指輪をはめて婚約してくれるなら、と甘く囁いた。
苦労して育ててくれた母親に楽をさせるため、 キャシーは有名なクォントラル産業の会長秘書に応募した。 会長が長期出張中のあいだに採用が決まり、 母にも喜ばれ、うきうきと働き始めた2週間後、 彼女は初めて会長のエリオット・クォントラルと顔を合わせる。 すると彼は若く可憐なキャシーが新しい秘書と知るや、 怒りをあらわにし、玉の輿狙いと決めつけてきた! そしていわれのない非難に青ざめる彼女に告げたーー もし少しでも僕に色目を使ったら、すぐに辞めてもらう、と
住み込みの子守りに応募したところ、ファビアンヌは 地味で真面目そうだからという理由で採用された。 雇い主は一流企業を率いる、精悍な美男子ヴェレ・トラダイン。 亡き弟の妻の子を引き取っており、子守りを探していたのだ。 ファビアンヌは胸をときめかせるが、男性といるところを見られ、 それ以来、ヴェレに蔑まれるようになった。 密かに落ち込むファビアンヌは、やがて気がついてしまう。 冷たいヴェレが、死んだ弟の妻にだけはにこやかだ。 彼は義理の妹を愛しているのではないかと……。
父の死後、強欲な継母に全財産を奪われ、途方にくれていたベヴィン。 風邪をおしてアルバイトに出かけたある日、高熱を出して倒れ、 居合わせた男性ジャーヴィスの家に運ばれた。 数日後、快復したベヴィンはお礼に手料理をふるまうことに。 聞けば彼は大企業の社長で、もうすぐ迎える誕生日までに結婚しないと 遺産相続権を失うのだという。 しばらく夕食を作ってほしいと彼に頼まれ、ベヴィンは胸を躍らせた。 ところが、新聞の衝撃的な記事に気づいて、言葉を失う。 ジャーヴィスが婚約! お相手は……ベヴィン・ペンバートン? 「こうなったら、ベヴィン、君に婚約者役を演じてもらうしかない」 “君となら結婚してもいいな”--独身貴族の彼の思わせぶりなささやきにどぎまぎするヒロイン。一緒に過ごすうちにどんどん彼を好きになっていくのが切なくて……。かわいらしいヒロインを描くのが得意なジェシカ・スティールの、とびきりピュアな恋物語。
ある日リディは、父が破産寸前だと母から聞かされた。今すぐ銀行に5万ポンドを振り込まないと家を差し押さえられるから、父に代わり、ジョナ・マリオットに昔貸した資金を回収してほしいという。7年前に一度会ったきりの大企業の社長ジョナは、リディの憧れの人。内気な彼女は愛する父のために勇気を奮い起こすと、彼のオフィスに出向いて懸命に事情を説明し、首尾よく資金を回収した。だが帰宅後、家を手放したくない母が嘘をついていたことが発覚する。私はジョナの寛大さに甘えて大金を借りてしまったんだわ!気に病むリディに、彼は笑みを浮かべながら驚くべき解決方法を提示した。「僕と結婚すれば、すべてうまくいく」
秘書のホイットニーは、同僚に誘われて行ったパーティになじめず、 大邸宅の二階へ逃れて、静かな場所で一息つこうとしていた。 不作法と思いつつも、疲れから寝室でつい眠り込んでしまい、 女性の叫び声で目覚めたとき、大変な事態に巻き込まれていたーー 隣に見知らぬハンサムな男性が肌もあらわに横たわっていたのだ! 彼こそ館の主の大富豪スローンで、叫んでいたのはその婚約者だった。 ホイットニーに気づかずベッドに入ってしまっただけのようだが、 婚約は破棄となり、彼女は申し訳ない気持ちでいっぱいになった。 償いに何でもすると申し出たホイットニーを見据え、スローンが言った。 「結婚を待ちわびる母のために、婚約者の代役を務めてもらおうか」 1979年の創刊から長くハーレクインを形作ってきた不動の人気テーマをご紹介します。本作は、若き乙女に愛のめざめを促す年上ヒーローを描いた、大人の色香漂う年の差ロマンスです。