小説むすび | 著者 : ベティ・ニールズ

著者 : ベティ・ニールズ

サンライズ・ヒルサンライズ・ヒル

やっとこれは恋だと気づいたけれど、 そんなことは、彼に言えない……。 父の仕事を手伝いながら、のどかで単調な毎日を送るビアトリス。 ある日突然、父が心臓発作で倒れて動転するが、 幸い、近くにいた医師オリバーのおかげで一命をとりとめた。 オリバーとは先日、日の出を見にのぼった丘で偶然出逢い、 長身で感じのいい彼が著名な医師だということを、のちに知った。 父の入院から留守宅のことまで世話をしてくれるオリバーに、 彼女はいつしか特別な気持ちを抱くようになっていく。 そして、元ボーイフレンドからの迷惑行為について相談すると、 オリバーは親切に、ぼくと婚約したふりをすればいいと提案してくれた。 でも切ない……だって、彼はもうすぐ別の誰かと結婚してしまうのだから。 穏やかな作風でありながら、確かな観察力にもとづいた人物像を描いて人気のベティ・ニールズ。本作もまた、身のまわりにいそうな主人公の、初々しく微笑ましいラブストーリーです。邦題にもなっている“日の出の見える丘”を思い浮かべながらお楽しみください。

オランダの休日オランダの休日

目を閉じれば、まぶたの裏に あの人の優しい笑顔……。 心優しいけれどとても引っ込み思案なルーシーは、 華やかで充実した生活を送る姉と妹に挟まれ、目立たぬ存在の娘だ。 児童養護施設での仕事に生きがいを感じてはいるものの、 母には、この子は結婚できないかもしれないと悲観されていた。 そんなある日、ルーシーは児童を連れていった病院で、 笑顔のすてきなドクター・サーロウに一目で恋におちてしまう。 背が高く、女性なら誰もが振り返らずにはいられないほど整った顔立ち。 いつもは控えめなルーシーも、このときばかりは一大決心をしたーー どんなことをしても、私は彼と結婚したい! けれども、恋に慣れないルーシーのがんばりは空回りするばかりで……。 美しい姉妹の陰に隠れてしまっていたルーシーにいよいよ春の訪れがーーと思いきや、事はそう簡単ではありませんでした。ドクター・サーロウは親切だけれど、ルーシーに対して特別な気持ちはまるでない様子なうえに、彼には親しくしている美しい女性がいて……。

スター作家傑作選〜始まりのシンデレラ〜スター作家傑作選〜始まりのシンデレラ〜

年金暮らしの両親のため、少しでも家計の助けになればと、診療所の受付係として働き始めたマチルダ。雇主のドクター・ラヴェルは魅力的な男性だったが、彼女は思った。母にさえ不器量と言われる私では彼を惹きつけられない。だから、この想いは隠そう、と。案の定、ドクターは地味な受付係などまるで見えない様子で…(『片思いの日々』)。ローレンは自らの運転中に事故で愛娘を失って以来、心が塞ぎ、すれ違いから会社社長の夫ザックと別居。でも、まだ彼を愛していた。心から。本当の別れを考えては切なさに胸を締めつけられるローレンだったが、ある日、突然弁護士に呼ばれて事務所に赴くと、ザックと鉢合わせした。まさか、とうとう彼は離婚を決意したの…?(『星降る夜の奇跡』)。故郷を離れてシカゴで孤独に暮らすクリスティのもとに、匿名で薔薇の花束とメッセージが届いた。ストーカーの影におびえていた彼女は警察に通報するが、駆けつけた刑事の姿を見て、思わず目を疑った。なんとそこには、かつて彼女が初めて恋し、破れた相手スコットが、すっかりたくましい大人の男性となって立っていたのだ!(『危険な薔薇』)。新たな人生をつかむシンデレラたちの感動ロマンス!

スター作家傑作選〜永遠の聖夜物語〜スター作家傑作選〜永遠の聖夜物語〜

病院で栄養士助手として働くシアドシアは、屋根裏部屋で愛猫と暮らしている。クリスマスも、唯一の身寄りである大おばと質素に祝うしかない。ある日、憂鬱な雑用をきっかけにハンサムなベンディンク教授と知り合った。彼は病院の重役で雲の上の人だ。かなわぬ恋と知りつつ、いつしか彼女は教授と過ごすイブを夢見ていた…(『聖夜の訪問者』)。クリスマスを前に、息子ジェイムズを連れて生家に戻ってきたベス。そこで思いがけず、かつて憧れていたカールと再会する。束の間の愛を分かち合ったあと、彼は私を捨て、異国の令嬢と婚約したはずなのに…なんて皮肉な巡り合わせ。彼女は運命の悪戯を呪い、心から神に祈った。ジェイムズが、彼の子だと悟られませんように(『恋人はツリーとともに』)。寒風の吹きつけるなか、マリアンは赤子を抱え、やっとのことで亡き夫の生まれ故郷にたどり着いた。ここへ来たのは、臨終の際に夫と交わした、この子を夫の養父ヘイウッドに託すという約束を果たすため。だが、ヘイウッドには冷酷な男という悪い噂があった。マリアンは心配になり、家政婦として雇ってほしいと申し出るが…(『旅路の果てに』)。世界に愛され惜しまれる三作家が遺した、英国のクリスマスを綴ったロマンス短篇集。

緑の乙女に口づけを緑の乙女に口づけを

「いつも白衣を着ているように」 彼はなぜ、私にそんなことを求めるの? 夜勤の日、看護師のジョージーナが交通事故に遭った子どもたちを 手当てしていたところへ、背の高い見知らぬ男性が現れた。 父親だろうと思って接していたが、じつはオランダの高名な医師で、 子どもたちの後見人のユリウスだということがわかる。 勤務を終えて眠りに就く前、彼女はユリウスのことを思い出した。 すてきな人にぴったりの名前ね。口元もとてもやさしげだった……。 その後も、気づくと彼のことを考えてしまうジョージーナだったが、 ただの看護師が名医に恋するなんてと、慌てて想いを打ち消した。 ところが後日、彼女は憧れのユリウスから思わぬ申し出を受ける。 「住み込みの看護を頼みたいので、君を借りることはできないか?」 働き者でみんなから慕われているジョージーナは、ユリウスに誘われて彼の屋敷で働くことになります。やがて子どもの怪我が回復したら、嬉しい一方で、ユリウスと会うことももうなくなるのかと考えると暗い気持ちになるのでした。1970年代の貴重な初期作です。

このエントリーをはてなブックマークに追加
TOP