著者 : ミリー・アダムズ
24時間いつでも個人秘書を呼び出すけれど、 絶対に手は出さない。それがボスのルール。 ボスが真夜中に私を呼び出したのは、スーツ選びのため? 上半身裸の上司ルカが切り出した用件に、ポリーはうんざりした。 ローマで知らない者はない美貌の富豪実業家ルカ・サルバトーレ。 個人秘書のポリーはついに辞職を申し出たが、雇用契約を盾に 2週間の猶予を迫る彼に屈し、出張に同行することになってしまう。 その最後の夜ーーポリーはルカに純潔を捧げた。本当はずっと、 彼に恋していたから。もうこれで二度とルカには会えない……。 翌日ポリーは、想いを断ち切るため、 さよならも告げずに、ミラノへ引っ越した。 ところが妊娠が判明したあと、ルカが復職を求めて訪ねてきてーー?! 永遠の大人気テーマ、ボスと秘書の恋物語をお楽しみください。美貌のボスに片想いするヒロインが、たった一度彼と情熱を交わし、授かった新しい命。おなかの子のために愛なき結婚を受け入れたヒロインを、いつか彼は愛してくれるのでしょうか?
養父母のもとで囚人同然の生活を送ってきたアテナには、8歳以前の記憶がない。そしてある日、売られることになった。花嫁として、顔も知らない中年の男に。自由が欲しい。好きなところに行き、好きなものを食べ、恋愛をしてみたい。そして、本当の家族を捜したい!アテナは、夫となる男のもとに向かう車から飛び降り、駆け出した。どこまでも逃げ続けたがやがて力尽き、意識を失う直前、温かい腕に包まれた気がしたー。目を覚ますと、豪華な室内にいて、男性の声が響いた。「そのドアを開けることはできない。きみはぼくのものだ」
エレノアは14歳のとき、父の遺言で指名された後見人である、ケンダル公爵ヒューに引き取られ、公爵邸で暮らしてきた。年上の彼に密かな恋心を抱き、いつしか憧れは愛へと変わっていった。それなのに今、ヒューはエレノアを早く“片づける”と口にして、社交界デビューさせるという。結婚させて厄介払いしたいのだろう。「私はおまえに手を出すほど恥知らずではない。おまえの純潔を守るのが、わが務めだ」彼にそう告げられ、エレノアはとっさに挑発的に反論した。すると、ヒューは彼女を机に押し倒して唇を奪い、冷徹に言い放った!「まるで食指が動かず、始める気にもならない」
過保護で過干渉な兄のもとで育った、喘息の持病があるベアトリス。年頃を過ぎても社交界デビューはおろか、結婚も出産も諦めているが、空想好きな彼女はある日、女性を愛せない友人との便宜結婚を思いつく。友人とのスキャンダルを偽装して、大勢の人に目撃されれば…結婚以外に選択肢はない。だが約束の日、現れたのはまったくの別人ーハンサムだが放蕩で悪名高い公爵ブリッグスだった。ベアトリスはパニックに陥った。転びかけ、公爵のたくましい腕に抱き止められた、まさにその瞬間ー兄が大勢の客を引き連れて現れる。なんと公爵は、いきり立った兄に妹の貞操を奪ったかどで、決闘を申し込まれてしまった!すると公爵は言った。「決闘はしないー結婚する」
交際中の恋人に、やっと純潔を捧げる覚悟ができたモーガンは、金髪美女をベッドに連れ込む彼を見てショックを受ける。隣室に駆け込むと、そこには彼の兄コンスタンティンが。ギリシア神のように逞しい美貌の彼こそ、本当は会った瞬間、惹かれるものを感じていた相手。モーガンは誘われるまま、魔法にかかったようにコンスタンティンに純潔を捧げてしまった。その翌朝、不幸にも恋人が自動車事故により帰らぬ人となる。5カ月後、モーガンは膨らみかけたお腹を抱え途方に暮れていた。コンスタンティンに打ち明けなくては。子供の父親はあなただと。だが彼は冷然と言った。「僕の子であるはずがない」
豪奢な邸宅で、アニックは主の帰宅を待っていたー有名な美貌の実業家、マキシマス・キングに頼み事があるのだ。クーデターで10年間、王宮の地下で過ごした王女アニックは、少し前、突然現れた逞しくハンサムな“王子様”に光の世界へと救い出された。そして王子様の名はマキシマスで、大富豪と政府特命の暗殺者という2つの顔があることを知る。戴冠式を控え、身の危険を感じた彼女には助けが必要だった。どうすればもう1つの顔を隠す彼に願いを聞いてもらえるの?考えあぐねたすえ、アニックは思いつめた表情で切り出した。「どうか私を助けてください。代わりに、私の純潔を捧げます」。
路地裏の少女リビアが、マテオ王に拾われたのは17歳のとき。今では王の秘書として、公務や外交のすべてを管理している。冷徹で傲慢なマテオ王のどんな要求にも応え、尽くしてきたが、ある日、決して従うことのできない命令が下される。それは、マテオとの結婚ー秘書から王妃への“昇進”だった。求められるのは常に職務だけ。王が孤児を愛することなどない。わかってはいても、リビアの秘め続けた愛は、もう限界だった。初めて命令に背いた彼女に、マテオは冷たく言い放った。「君ははじめから僕のものだった。断ることは許されない」
その日、バイオレットは真昼の誘拐劇の被害者となった。モンテ・ブランコ王国の王子、ハビエル・デラクルスによって。彼の兄マテオ王にカジノで負けたバイオレットの父親が、娘を王に売ったというのだ。パパがそんなことするなんて…!抵抗むなしく、彼女は贅を尽くした異国の王宮に閉じ込められ、王との謁見までの数日間、ハビエルとともに過ごすことになる。国民にも怖れられるほど強面の王子に国を案内され、街を歩き、ダンスを教わるうち、バイオレットは彼に強く惹かれていく。兄王のそばにいても、きっと私はもう、弟しか目に入らない…。
破産寸前の没落貴族を父に持つペニーは、将来を悲嘆していた。いずれ私は、金持ちで好色な老人と結婚させられるのだろう、と。事実、父は娘を借金の形に売ったが、相手は意外な人物だった。ラクランー海運業で莫大な富を築いたというハイランドの氏族長は、恐ろしく背が高く、屈強で非情な目をした無口な男だった。ペニーは怯えながら彼を見上げ、はっとした。この人を知っている!幼い頃、ただ一人心を許し、慕っていた年上の優しい少年。突然消えてしまった彼が戻ってくるなんて…私を妻にするために?だが、夫となったラクランに、少年の面影や優しさは微塵もなかった。彼はまるで復讐するかのように、夜ごと激しい情熱をペニーにぶつけ…。
亡き友人の遺児を迫りくる危険から守るため、ミネルバはとっさの思いつきを口に出した。赤ん坊の父親は兄の親友ダンテ、大富豪のイタリア人だと。優秀な美男美女ぞろいの家族の中で唯一冴えないわたしを、ダンテは何かと気にかけてくれたーたとえ哀れみゆえにしても。今は彼の誇る財力と権力にすがるしかないわ…。身に何の覚えもないダンテはミネルバの爆弾発言に激怒したが、彼女の事情を知るやいなや即座に驚くべきことを言い放った。「選択肢は一つしかない。ぼくと結婚するんだ!」