著者 : 冲方丁
暢気なだけが取り柄の暢光は、事業を興しては失敗し、妻から離婚を言い渡される始末。離れて暮らす中2の息子と小3の娘とはオンラインで会うばかりで、オンラインゲームは最後の砦となっている。そんな中、息子の凛一郎が交通事故に遭い、意識不明に。悲しみに暮れる暢光だったが、ゲーム内で息子からメッセージが届き…君となら、ヒーローになれる。ゲームを通して成長し、繋がっていく、新しい家族の物語。
銃犯罪が急増する日本。来たる銃社会の危機に立ち向かうのは警視庁内に設立された少数精鋭の特別銃装班SGU-Special Gun-bearing Unit-本書は彼らの活動の記録である。
大手デベロッパーに勤める松永光弘は、自社の現場に関する『火が出た』『いるだけで病気になる』『人骨が出た穴』というツイートの真偽を確かめるため、地下へ調査に向かう。異常な乾燥と嫌な臭いー人が骨まで灰になる臭いを感じながら進み、たどり着いたのは、巨大な穴が掘られた不気味な祭祀場だった。穴の底に繋がれた謎の男を発見し解放するが、それをきっかけに忌まわしい「骨灰」の恐怖が彼の日常を侵食し始める。
父を旗本奴に殺された少年・予助は、水戸光圀によって剣の腕を見出され、捨て子を間諜として育てる幕府の隠密組織「拾人衆」に加わる。仲間とともに火つけ盗賊「極楽組」を追っていたが、父の死の真相を知りー。了助と光圀、「極楽組」の絡み合う因縁。そして、新たな師を得て了助は日光道中へ。さらに加速する大江戸諜報劇!
わずか12歳で一条天皇の后となった、藤原道長の娘・彰子。幼すぎる入内、未熟な心。夫である一条天皇は優しく彼女を包み込むが、彼が真に愛した女性・定子の存在は、つねに彰子に付きまとう。しかし、定子が遺した子を抱きしめた日から、彰子の人生は動き始めた。父や夫に照らされる“月”でしかなかった彰子は、紫式部にも支えられ、やがて「国母」として自ら光を放ち出すー。平安王朝を新たな視点からドラマチックに描いた著者渾身の傑作長編。
若く野望に燃えていた青年期を経て、織田家での異例の出世、そして本能寺の変へー。かるたの札に絡めて、謀叛の理由へ大胆に迫った「純白き鬼札」(冲方丁)、事実と虚構を見事に切り分け、謎多き光秀を独自の解釈で描いた「一代の栄光」(池波正太郎)、叛逆者の娘・珠の、ある願いと悲劇の選択を描く「ガラシャ」(植松三十里)など、人気歴史作家による名作短編六編を収録した豪華アンソロジー。
捨て子を保護し、諜者として育てる幕府の隠密組織“拾人衆”。これを率いる水戸光圀は、父を旗本奴に殺されてのち、自我流の剣法を身につけた少年・六維了助に出会う。拾人衆に加わった了助は、様々な能力に長けた仲間と共に、江戸を焼いた「明暦の大火」が幕府転覆を目論む者たちによる放火だったのではという疑惑を追うがーくじり剣法の六維了助、見参!
人気作家が描き出す、五者五様の「父」の姿ー船乗りの父、詐欺師の父、大学教授の父、そして…。「親の心子知らず」というが、子どもの目には見えない父親の本当の姿。その謎が明らかになったとき、あなたはきっと涙なしではいられない。すべての親子に贈る、魅力的な謎と愛すべき父に出会えるとっておきの短編集!
永禄三年五月十九日(1560年6月12日)。「海道一の弓取り」こと今川義元が、天下に号令せんと東進を開始。織田信長の所領・尾張に大軍が侵入したところでそれは起こった。丘陵地帯の地勢と豪雨を味方につけた、乾坤一擲の奇襲。三国の太守が寡兵による一撃で落命したしたのだ。「群雄割拠」から「天下布武」へ。戦国時代の流れを変えたこの変事は、本当に奇跡だったのか、それとも必然か!……戦国最大の逆転劇を、七つの視点で描く。累計21万部突破の大好評「決戦!シリーズ」第5弾! 冲方丁(織田信長) 砂原浩太朗(前田利家) 矢野隆(毛利新介) 富樫倫太郎(徳川家康) 宮本昌孝(今川氏真) 木下昌輝(岡部元信) 花村萬月(今川義元)
オフィスとクインテットの死闘の末、両陣営は多数負傷者を出し、ウフコックはハンターに拉致されてしまう。何も知らずに友人たちとの卒業旅行から帰ったバロットは、イースターからこれまでの経緯を聞き、ウフコックの奪還を決意する。善なる協力者たち、大学での新たな学び、そして楽園ー考えうるすべての方法を使って。あの日、ネズミの良心に救われた少女はいつしか二十歳に近づいていた。二人の物語が再び動き出す。
廃病院に集まった十二人の少年少女。彼らの目的は「安楽死」をすること。決を取り、全員一致で、それは実行されるはずだった。だが、病院のベッドには“十三人目”の少年の死体が。彼は何者で、なぜここにいるのか?「実行」を阻む問題に、十二人は議論を重ねていく。互いの思いの交錯する中で出された結論とは。
慶応四年三月。鳥羽・伏見の戦いで幕府軍を打ち破った官軍は、徳川慶喜追討令を受け、江戸に迫りつつあった。軍事取扱の勝海舟は、五万の大軍を率いる西郷隆盛との和議交渉に挑みための決死の策を練っていた。江戸の町を業火で包み、焼き尽くす「焦土戦術」を切り札として。和議交渉を実現するため、勝は西郷への手紙を山岡鉄太郎と益満休之助に託す。二人は敵中を突破して西郷に面会し、非戦の条件を持ち帰った。だが徳川方の結論は、降伏条件を「何一つ受け入れない」というものだった。三月十四日、運命の日、死を覚悟して西郷と対峙する勝。命がけの「秘策」は発動するのかー。
許されざる逢瀬に興じる男女の、狂気と艶美の悦びー。旗本の屋敷を訪ねたお咲。待ち受けていたのは、ある女に言い渡された「市中引廻し」を身代わりで受けるという恐ろしい話だった…(「咲乱れ引廻しの花道」)夫の殺害を企てるも不首尾に終わり、牢に囚われた女。高貴な血筋の女。「わたくしの香りをお聞きください」身の上話を、ぽつりぽつりとー。(「香華灯明、地獄の道連れ」)書き下ろし新作『別式女、追腹始末』も収録!
永禄四年九月十日、最強と言われた戦国大名同士が激突した。信玄率いる武田軍と謙信指揮する上杉軍の決戦だ。霧立ちこめる北信濃の要衝で、稀に見る高等な駆け引きが繰り広げられた。そのとき、付き従った武将たちの本心とは!戦国最強対決の「瞬間」に、七人の作家が参戦。大好評「決戦!」シリーズ第四弾!
マルドゥック市の中枢部に食い込んだハンターは、共感によって新興勢力を“クインテット”に引き入れ、戦力を拡大していく。その様を見せつけられたウフコックは、対抗できる“善の勢力”を結集するため孤独に奔走する。自らにとって唯一の善なる存在、バロットには何も知らせず、ただ新たな道を歩む姿を見守ると決めて。ウフコックとハンター、それぞれの計画の機が覇熟したとき、両者の全面衝突が始まろうとしていた。
応仁の乱から始まった戦国の世に終止符が打たれようとしていた。慶長二十年五月、舞台は豊臣秀吉が築いた天下の名城・大坂城。淀君や豊臣秀頼はなぜ散ろうとしているのか。真田信繁ら、戦に巻き込まれた武将たちの生きざまとは。七人の作家が異なる視点から歴史を描く大好評「決戦!」シリーズ第二弾!