著者 : 吉田篤弘
オウンドメディアで(2023年6月〜2024年6月)連載したものに加筆修正して単行本化したものです。 前代未聞の探偵小説。 誰かが命を落とす前にその事件の謎を解く… 名探偵・除夜一郎の事件簿! 今までにはなかった探偵小説。これこそ唯一無二の吉田篤弘ワールドです。
==================== 18刷5万5000部突破! ロングセラー『月とコーヒー』から派生した 〈インク三部作〉堂々完結! ==================== この世界は 喜びと悲しみを繰り返しながら 回りつづけている。 もう、泣かないで。 師匠のベルダさんが 愛用していた万年筆のインク、 〈六番目のブルー〉を探し求めて ジャン叔父さんと旅をつづけてきた 14歳のオリオ。 インクの秘密を解く鍵が 奇妙な唄にあるとわかるが、 なかなか見つからない。 そんなとき、 迷えるオリオを導いたのは 世にも稀な 「本当の真っ赤な林檎」だったーー。
小さな奇跡の物語がここに終わり、ここから、また始まる。僕は地元のラジオ局で深夜の番組を担当している。ある日、17歳の時に絵のモデルをしたことを話したところ、リスナーから、僕によく似た肖像画を見た、と葉書が届くー。土曜日のハンバーガー、流星新聞、キッチンあおい、行方不明の少年、多々さん、鯨オーケストラーすべてが響きあって、つながってゆく。
================== 発売から3年で15刷のロングセラー 『月とコーヒー』に連なる 〈インク三部作〉待望の第二弾! ================== 「奇妙な惑星」博物館の保管室に 勤務する十四歳のオリオ。 師匠のベルダさんと二人、 世の中のあらゆるものを記録し保管すべく 作業に勤しんでいた。 そんなある日、ベルダさんが死んだ。 自殺か、病気か、事件か。 原因がわからぬまま、 オリオは保管室の責任者を 引き継ぐことになる。 ところがーー。 ベルダさんが記録に使用していた 万年筆のインク、 〈六番目のブルー〉の在庫がない。 あれなくして記録作業はできない。 旅するギタリスト、ジャン叔父さんとともに 幻のインクを求める旅に出るオリオ。 ところが、行く先々で奇妙な人たちに出会い、 インク探しは前途多難。 行方を探るうち、インクの秘密は ある奇妙な「唄」に 隠されているとわかるが……。
都会のはずれのガケの上にある古いアパート。その屋根裏にひっそり暮らしている元オーボエ奏者のサユリ。唯一の友だちは、頭の中にいる小さなチェリー。個性的で魅力的な登場人物が織りなす待望の長編小説ー。
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・ ロングセラー『月とコーヒー』に連なる 〈インク三部作〉開演! 〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・ いいか、よく見ろ。 終わりが来ても、 このとおり、 何度でもよみがえる。 「奇妙な惑星」博物館の保管室に 勤務する十四歳のオリオ。 師匠のベルダさんと二人、 世の中のあらゆるものを記録し保管すべく 作業に勤しんでいた。 そんなある日、ベルダさんが死んだ。 自殺か、病気か、事件か。 原因がわからぬまま、 オリオは保管室の責任者を 引き継ぐことになる。 ところがーー。 ベルダさんが記録に使用していた 万年筆のインク、 〈六番目のブルー〉の在庫がない。 あれなくして記録作業はできない。 幻のインクを求めるオリオの旅が始まった。
都会のへりの窪んだところにあるガケ下の町。僕はその町で、“流星新聞”を発行するアルフレッドの手伝をしている。深夜営業の“オキナワ・ステーキ”を営むゴー君、メアリー・ポピンズをこよなく愛するミユキさん、「ねむりうた」の歌い手にしてピアノ弾きのバジ君、ロシアン・コーヒーとカレーが名物の喫茶店“バイカル”を営む椋本さん、ガケ上の洋館で、“ひともしどき”という名の詩集屋を営むカナさんー。個性的で魅力的な人々が織りなす、静かであたたかな物語。
東京、午前一時。この街の人々は、自分たちが思っているよりはるかに、さまざまなところ、さまざまな場面で誰かとすれ違っているー映画会社で“調達屋”をしているミツキは、ある深夜、「果物のびわ」を午前九時までに探すよう頼まれた。今回もまた夜のタクシー“ブラックバード”の運転手松井に助けを求めたが…。それぞれが、やさしさ、淋しさ、記憶と夢を抱え、つながっていく。月に照らされた東京を舞台に、私たちは物語を生きる。幸福な長篇小説。滋味深く静かな温もりを灯す、12の美味しい物語。
この世でいちばん哀しいのは、一度も語られることのなかった物語と、一度も奏でられることのなかった音楽だ。吉田篤弘のデビュー作、待望の復刊。書き下ろし解説を含む最新リマスター版!
これは、忘れられたものと、世の中の隅の方にいる人たちのお話。 喫茶店〈ゴーゴリ〉の甘くないケーキ。世界の果てのコインランドリーに通うトカゲ男。映写技師にサンドイッチを届ける夜の配達人。トランプから抜け出してきたジョーカー。赤い林檎に囲まれて青いインクをつくる青年。三人の年老いた泥棒。空から落ちてきた天使。終わりの風景が見える眼鏡──。 人気作家が腕によりをかけて紡いだ、とっておきの24篇。
十文字扉、職業「電球交換士」。節電が叫ばれLEDライトへの交換が進む昨今、仕事は多くない。それでも古き良きものにこだわる人の求めに応じ電球を交換して生計を立てていた。人々の未来を明るく灯すはずなのに…行く先々で巻き込まれる厄介ごとの数々。自分そっくりの男が巷で電球を交換してる?最近俺を尾行してる黒い影はなんだ?謎と愉快が絶妙にブレンドされた魅惑の連作集!
長く読み継がれている『つむじ風食堂の夜』『それからはスープのことばかり考えて暮らした』に連なる物語が、ついに開幕! 舞台は、小さな映画館〈月舟シネマ〉。語りだすのは、ほら、いつもロビーにいる、彼。BGMは、優しい雨だれの音……。ゆるやかに呼応する〈月舟町〉三部作の完結編。
ルイス・キャロル、コナン・ドイルらが所属した心霊現象研究協会の会長による幽霊譚の古典、ロンドン留学中の夏目漱石が愛読し短篇小説の着想を得た名著、120年の時を越えて、待望の本邦初訳! はじめに 第一章 夢 犬のファンティ/マーク・トゥエインの話/食堂に入りこんだ豚/モクセイソウ/なくした小切手/アヒルの卵/なくした鍵/古い証券/十分の一税の滞納金/ふたりのクルマ/アッシリアの神官/よろい戸の節目 第二章 夢と幻視 メアリー・スチュアートの宝石/死の床/パーシバル首相暗殺の夢/ガラガラヘビ/赤いランプ/口ひげの下の傷/サンゴ模様のクラバット/サテンの上靴/死んだ店主 第三章 水晶玉による幻視 ある外交官の話/ランプの下にいた人/ベルをつけた牛/ルイ一四世の臨終 第四章 幻覚 二頭立ての馬車/食事会から帰ってきた幽霊/赤い傷跡/幽霊と肖像画/抑えこむ手/修道士の聞いた声/エレベーター前に立つ男 第五章 生き霊 エカテリーナ二世の生き霊/幽体離脱/タビストック通りで/ウィンヤード氏の幽霊/ブルーアム卿の物語/死にゆく母親の話/花嫁の幻影 第六章 死者の幽霊 デヴォン州スプレイトンの幽霊、一六八二年/ジョージ・ヴィリヤーズ卿の幽霊/ある王党員の記述/ウィンダムの手紙/リトルトン卿のもとに現れた幽霊 第七章 目的を持って現れた幽霊 デイヴィーズ軍曹の殺害/デイヴィーズ軍曹殺害事件について/庭師の幽霊/モーズの犬/ピーターの幽霊 第八章 幽霊 タイコンデロガ/ティローン伯爵の幽霊/午前一時半のできごと/常夜灯を消す幽霊 第九章 幽霊と幽霊屋敷 きしむ階段/食料品屋の咳/ガイドの父親の話/夢でノックしたドア/ピンク色の服の娘/幽霊部屋の犬/黒い服の婦人/踊る悪魔 第一〇章 近世の幽霊屋敷 ウェスリー家の幽霊/セント・ヴィンセント卿の身内の幽霊譚 第一一章 さらなる幽霊屋敷 霊に憑かれたチャン夫人/アマーストの大いなる謎/ドナルド・バンとボカン/ヒャルタスタッドの悪魔/ガルプスダルの幽霊 第一二章 大昔の幽霊 グラームの物語/〈ファウルフォーズ〉またはロングフォーマカスの蹄鉄工 第一三章 アイスランドの幽霊 フローザーの怪異 第一四章 さまざまなおばけ 出現する手/冷たい手/黒い犬と親指のない手/指を嚙む幽霊 原註/訳註/訳者あとがき 一二〇年の時を経てあらわれた幻の本 吉田篤弘