小説むすび | 著者 : 小山内園子

著者 : 小山内園子

光っていません光っていません

クラゲになることを選ぶ人。 木に変身した男。 冬眠する依頼人……。 ままならない日々を過ごす 私たちに起こる不思議な出来事。 読んだ瞬間から、自由になれる。 日常に解放感をもたらす、韓国発、8つの奇妙な物語! 事故で2年間植物状態になっている恋人を見舞い続ける“私”の前に、分身を名乗る幽霊が現れる。自分そっくりな幽霊が一向に姿を消さないため、“私”は仕方なく一緒に暮らし始めるが……(「幽霊の心で」)。人間をクラゲにしてしまう、変種のクラゲが大量発生する。社会に動揺が走るなか、音楽活動をやめた“私”は、自らクラゲになりたがる人をサポートする仕事につき……(「光っていません」)。所属している劇団が行き詰まり、仕方なく役割代行サービスをしている駆け出し俳優の“あたし”。誰かに代わって別れを告げたりニセの恋人になったりしているうち、ある男から、「冬眠の準備を手伝ってほしい」という依頼があり……(「冬眠する男」)。 閉塞感に満ちた日常に解放をもたらす、韓国発、8つの奇妙な物語!作家の言葉=イム・ソヌ/解説=倉本さおり ■収録作品 「幽霊の心で」 「光っていません」 「夏は水の光みたいに」 「見知らぬ夜に、私たちは」 「家に帰って寝なくちゃ」 「冬眠する男」 「アラスカではないけれど」 「カーテンコール、延長戦、ファイナルステージ」

〈弱さ〉から読み解く韓国現代文学〈弱さ〉から読み解く韓国現代文学

出版社

NHK出版

発売日

2024年11月11日 発売

ジャンル

物語のなかの〈弱さ〉が、読む人の心に光を灯す どの作品も、〈弱さ〉を正面から描いているからーー。 著者が数々の作品の翻訳を手掛けるなかで、「なぜ韓国現代文学に魅せられるのか」を自らに問い、深く考えてたどり着いたのが、この答えでした。 〈弱さ〉とは、自らの意志とは関係なく選択肢を奪われた状態のこと。その視点で、『82年生まれ、キム・ジヨン』をはじめとする多彩な13の作品を読み解きながら、そのメッセージを探り、魅力を掘り下げます。一つひとつの物語を丁寧にたどっていくと、この暴力的な現代社会を生きるための道が照らし出されるはずです。 2023年1月〜3月にNHKラジオ第2「カルチャーラジオ 文学の時間」で放送された同名の講座、待望の書籍化! 第一章:試練の歴史と作家のまなざしーーパク・ミンギュ『亡き王女のためのパヴァーヌ』 第二章:ある女性が〈ひとり〉になるまでの物語ーーチョ・ナムジュ『82年生まれ、キム・ジヨン』 第三章:性暴力を「信じてもらえない語り」で描くーーカン・ファギル『別の人』 第四章:「普通」の限界、クィア文学が開けた風穴ーーパク・サンヨン『大都会の愛し方』 第五章:経済優先社会で行き場を失う労働者ーー孔枝泳『椅子取りゲーム』 第六章:植民地支配下、声を上げる女たちの系譜ーーパク・ソリョン『滞空女 屋根の上のモダンガール』 第七章:民主化運動、忘却に静かに抗うーーキム・スム『Lの運動靴』 第八章:セウォル号沈没事件・キャンドル革命と〈弱者〉--ファン・ジョンウン『ディディの傘』 第九章:「子どもが親を選べたら」少子化が生んだ想像力ーーイ・ヒヨン『ペイント』 第十章:社会の周縁から人間の本質を問うーーキム・ヘジン『中央駅』 第十一章:あり得たかもしれない、ハッピーエンドの物語ーーチョン・セラン『シソンから、』 第十二章:高齢女性の殺し屋が問いかける〈弱さ〉--ク・ビョンモ『破果』 第十三章:弱くある自由を叫ぶーーチョ・ナムジュ『私たちが記したもの』 〈弱さ〉から始まる未来を想像するーーあとがきにかえて

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