小説むすび | 著者 : 小川洋子

著者 : 小川洋子

怪と幽 vol.021 2026年1月怪と幽 vol.021 2026年1月

特集一 この世界にはムーミンがいる だれもが知っている、フィンランド生まれの愛すべきキャラクター。2025年は小説の第1作刊行から80年。でも、ムーミンっていったい何者? 妖怪でも妖精でもない、不思議な「ムーミントロールという生きもの」。ムーミンと仲間たちのいる世界には、不思議な〈おばけ〉たちも暮らしている。ムーミンたちは自由で、多様で、不思議で、ときどき怖い目にも遭って、日々を生きている。そんな世界の魅力を記念すべき年の締めくくりにお届け。 寄稿:萩原まみ「ムーミントロールとは何者なのか」 シリーズ書籍ガイド 寄稿:横川浩子 キャラクターガイド エッセイ:「私が語りたい このムーミンキャラクター」 あさのあつこ、藤野恵美、堀江敏幸、森絵都、森下圭子 寄稿:中丸禎子「千年前は毛むくじゃら!? 二十世紀フィンランドで生まれた新しいトロルのこと」 寄稿:杉江松恋「ムーミントロールの還る場所はどこか」 トーベとムーミン年譜 ルポ:ムーミンバレーパーク med はおまりこ ブックガイド:杉江松恋 グラビア:トーベのムーミンアート 特集二 澤村伊智十周年 『ぼぎわんが、来る』の鮮烈なデビューから十年、今も〈恐怖の最前線〉を走り続けている澤村伊智。様々なメディアミックスで話題を呼び、多くの読者に愛される「比嘉姉妹」シリーズを中心に、どの作品も怪異の奥からにじみ出る「人間」を炙り出し、読む者の心をえぐり、深い余韻を残す。常に挑戦し続ける彼は、この先、どこに向かうのか。その実像に迫る。今号では「比嘉姉妹」シリーズの最新作『ざんどぅまの影』の第一章も特別掲載、ご注目を! 対談:京極夏彦×澤村伊智 ガイド:朝宮運河 澤村伊智全作品ブックガイド 著者コメント付き 寄稿:「十周年へのエール」 宮部みゆき、辻村深月、東雅夫 ロングインタビュー:澤村伊智 with 担当編集者 ガイド:澤村伊智を作った十作 ◆特集のほか連載など多数  特別寄稿:荒俣宏「紀田順一郎氏を偲ぶーー昭和の“黒船”と「幻想怪奇」開化」 小説:小川洋子(新連載)、小野不由美、山白朝子、澤村伊智 漫画:諸星大二郎、高橋葉介、押切蓮介 論考・エッセイ:東 雅夫(新連載)、村上健司×多田克己 怪談実話:加門七海、松村進吉、岩城裕明、満茶乃 グラビア:孳々、芳賀日出男+芳賀日向、佐藤健寿、怪食巡礼 情報コーナー:小松和彦(文化勲章受章)、恒川光太郎×綿原 芹(『幽民奇聞』『うたかたの娘』)、近藤ようこ(『家守綺譚』)、有栖川有栖(『濱地健三郎の奇かる事件簿』)、花房観音(『怪談ルポ 死の名所を歩く』)、岡崎隼人(『書店怪談』)、丸田祥三(『廃線だけ 昭和の棄景』『廃線だけ 平成・令和の棄景』)、樫永真佐夫(『変わり者たちの秘密基地 国立民族学博物館』)、藤川 Q(化け通 『SILENT HILL f』) etc.…

サイレントシンガーサイレントシンガー

出版社

文藝春秋

発売日

2025年6月20日 発売

著者6年ぶり、世界が待ち望んだ長篇小説400枚。 内気な人々が集まって暮らすその土地は、“アカシアの野辺”と名付けられていた。野辺の人々は沈黙を愛し、十本の指を駆使した指言葉でつつましく会話した。リリカもまた、言葉を話す前に指言葉を覚えた。たった一つの舌よりも、二つの目と十本の指の方がずっと多くのことを語れるのだ。 やがてリリカは歌うことを覚える。彼女の歌は、どこまでも素直で、これみよがしでなく、いつ始まったかもわからないくらいにもかかわらず、なぜか、鼓膜に深く染み込む生気をたたえていた。この不思議な歌声が、リリカの人生を動かし始める。歌声の力が、さまざまな人と引き合わせ、野辺の外へ連れ出し、そして恋にも巡り合わせる。果たして、リリカの歌はどこへと向かっていくのか? 名手の卓越した筆は、沈黙と歌声を互いに抱き留め合わせる。叙情あふるる静かな傑作。 n-bunaさん(ヨルシカ)絶賛! <おもちゃから流れる歌声、アシカショーのアシカの歌声、シンガーの為の仮歌、そして夕方に流れる家路。何者でもない、何処にもクレジットされることのない彼女の歌声は、決して聞く人を選ばない。それは誰もが何者かに成ろうとする今の社会において、本当は必要だった優しさなのかもしれない。>

耳に棲むもの耳に棲むもの

出版社

講談社

発売日

2024年10月10日 発売

耳の中に棲む私の最初の友だちは 涙を音符にして、とても親密な演奏をしてくれるのです。 補聴器のセールスマンだった父の骨壺から出てきた四つの耳の骨(カルテット)。 あたたかく、ときに禍々しく、 静かに光を放つようにつづられた珠玉の最新作品集。 オタワ映画祭VR部門最優秀賞・アヌシー映画祭公式出品 世界を席巻したVRアニメから生まれた「もう一つの物語」 「骨壺のカルテット」 補聴器のセールスマンだった父は、いつも古びたクッキー缶を持ち歩いていた。亡くなった父と親しかった耳鼻科の院長先生は、骨壺から4つの骨のかけらを取り出してこう言った。「お父さまの耳の中にあったものたちです。正確には、耳の中に棲んでいたものたち、と言えばよろしいでしょうか……」。 「耳たぶに触れる」 収穫祭の“早泣き競争”に出場した男は、思わず写真に撮りたくなる特別な耳をもっていた。補聴器が納まったトランクに、男は掘り出したダンゴムシの死骸を収める。 「今日は小鳥の日」 小鳥ブローチのサイズは、実物の三分の一でなければなりません。嘴と爪は本物を用います。 残念ながら、もう一つも残っておりませんが。 「踊りましょうよ」 補聴器のメンテナンスと顧客とのお喋りを終えると、セールスマンさんはこっそり人工池に向かう。そこには“世界で最も釣り合いのとれた耳”をもつ彼女がいた。 「選鉱場とラッパ」 少年は、輪投げの景品のラッパが欲しかった。「どうか僕のラッパを誰かが持って帰ったりしませんように……」。お祭りの最終日、問題が発生する。

掌に眠る舞台掌に眠る舞台

出版社

集英社

発売日

2022年9月5日 発売

「だって人は誰でも、失敗をする生きものですものね。だから役者さんには身代わりが必要なの。私みたいな」 金属加工工場の片隅、工具箱の上でペンチやスパナたちが演じるバレエ「ラ・シルフィード」。 交通事故の保険金で帝国劇場の「レ・ミゼラブル」全公演に通い始めた私が出会った、劇場に暮らす「失敗係」の彼女。 お金持ちの老人が自分のためだけに屋敷の奥に建てた小さな劇場で、装飾用の役者として生活することになった私。 演じること、観ること、観られること。ステージの彼方と此方で生まれる特別な関係性を描き出す、極上の短編集。 ■著者略歴 小川洋子(おがわ・ようこ) 1962年岡山市生れ。早稲田大学第一文学部卒。88年「揚羽蝶が壊れる時」で海燕新人文学賞を受賞。91年「妊娠カレンダー」で芥川賞受賞。2004年『博士の愛した数式』で読売文学賞と本屋大賞、同年『ブラフマンの埋葬』で泉鏡花文学賞を受賞。06年『ミーナの行進』で谷崎潤一郎賞受賞。07年フランス芸術文化勲章シュバリエ受章。13年『ことり』で芸術選奨文部科学大臣賞受賞。20年『小箱』で野間文芸賞を受賞。21年紫綬褒章受章。『小箱』『約束された移動』『遠慮深いうたた寝』ほか著書多数。

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