著者 : 小池真理子
大学院生の珠は、ある思いつきから近所に住む男性・石坂を尾行、不倫現場を目撃する。他人の秘密に魅了された珠は観察を繰り返すが、尾行は徐々に珠自身と恋人の関係にも影響を及ぼしてゆきーー。蠱惑のサスペンス!
死に魅入られた二人の男女は、甘美な充足感の中で静謐な終焉を迎えるはずだった。アルビノーニの荘厳な旋律に浸りながら…。しかし雪に閉ざされた山小屋で、愛と孤独、そしてほんの少しの偶然が、事態を予期せぬ方向へと導いていく。アダージョに隠された真実とは!?これぞ長編心理サスペンスの名作!
男は抗い、女はたゆたう。「生まれてから死ぬまでの『時間』。死に向かって生き続けるための哲学。この10年間、私はそればかりを考えて書いてきました」(著者)義母の葬式で、男が思い浮かべた“女”の姿はーー。生と死、愛と性、男と女を見つめ続けた珠玉の8篇。小池真理子の新たな到達点。9年越しの最新作品集。 男は抗い、女はたゆたう。 「生まれてから死ぬまでの『時間』。死に向かって生き続けるための哲学。この10年間、私はそればかりを考えて書いてきました」(著者) 義母の葬式で、男が思い浮かべた“女”の姿はーー。 生と死、愛と性、男と女を見つめ続けた珠玉の8篇。 小池真理子の新たな到達点。9年越しの最新作品集。 ・過ぎし者の標 ・つづれ織り ・落花生を食べる女 ・修羅のあとさき ・常夜 ・テンと月 ・千日のマリア ・凪の光
性愛表現を究めた傑作アンソロジー 疲れた主婦を癒す指圧院、美しい教師と生徒ばかりのアートスクール、挿入のないセックスを追求するカップル。九つの極上の官能短編。 収録作品:「千年萬年」(小池真理子)、「作家志望」(桐野夏生)、「風酔ひ」(村山由佳)、「影のない街」(桜木紫乃)、「本朝金瓶梅」(林真理子)、「エレクションテスト」(野坂昭如)、「橋」(勝目梓)、「いれない」(石田衣良)、「淫の忍法帖」(山田風太郎)
砂漠の熱い風に全身をさらして、そのうち、肉が全部こそげ落とされて、骨になってしまえばいいーかつて彼はそう言った。愛する男が異国の地で突然亡くなった。アルコールと薬物の同時摂取が原因だという。彼は生きることが辛かったのではなかったか?愛していると囁きあったのは偽りではなかったか?ひとり残された女は、死んだ男を追い求め、彼が直前まで過ごしたヨーロッパへと旅立つ。
互いに溺れ合う男と女。だが突然、女との連絡が途絶えた。思い悩む男の前に現れたのは……本書のために書き下ろされた短編「青い夜の底」を収録。妖しくも美しき「小池ワールド」が凝縮した怪奇幻想傑作選。
生者と死者、現実と幻想の狭間で繰り広げられる交流とは。表題の新作短編を含んだ8つの物語。甘く、切なく、妖しく、そして儚い「小池ワールド」を堪能させる珠玉の作品集。
男はもうここに戻ってくることはないだろうと女は思ったー。三年間、食事をともにした男との永遠の別離を描く「食卓」他、恋によって炙り出される男と女の孤独が、かなしさとせつなさを孕んでゆらめく十一篇。短篇よりも短い「掌篇小説」には、小さく切り取られているがゆえの微妙な宇宙が息づき、無限の時間へと読む者を誘う。長篇よりもいっそう濃密な闇と静謐な光を湛えた作品集。
東京・青山にある高級娼婦の館「マダム・アナイス」。そこは、愛と性に疲れた男女がもう一度、生き直す聖地でもあった。愛娘と親友を次々と亡くした奈月は、絶望の淵で娼婦になろうと決意するーー。
キーコーヒー株式会社のWEBサイト「書茶」にて二〇〇七年九月十四日より〇八年十月三十日にわたり公開された作品を、単行本化。
永遠に待ち続けると思うのです。世界のどこに行っても、地の果てにいても、私はあなたを待っている。--6年前、突如行方が分からなくなった恋人を待つ女性のモノローグからなる表題作他、濃厚な死の影の間近で紡がれる詩情。著者自ら「この六編を超える作品はもう書けないかもしれない」と語る傑作短編集。 「この6編を超える作品は、もう書けないかもしれません。」--小池真理子 永遠に待ち続けると思うのです。世界のどこに行っても、地の果てにいても、私はあなたを待っている。--6年前、突如行方が分からなくなった恋人を待つ女性のモノローグからなる表題作他、濃厚な死の影の間近で紡がれる詩情。著者自ら「この六編を超える作品はもう書けないかもしれない」と語る傑作短編集。 秘めごと 月の光 パロール 夏の吐息 上海にて 春爛漫
急逝した親友の告別式の夜、その不倫相手と、二人で飲んだのをきっかけに、エリカは、いつしか彼との恋愛にのめり込んでいく。逢瀬を重ねていった先には何が…。高ぶるほど空虚、充たされるほど孤独。現代の愛の不毛に迫る長篇。
日常の裏側に死者たちは佇む。生きていた時に抱いていた想念を、妖しくも美しい幻に変えて、この世に残っている者たちを誘う。闇の中で死者たちが開く異界への扉。その向こうで、過去と未来は入り混じり、夢と現実が交錯し、死者と生者のひそやかな交歓が繰り広げられる。やがて、あふれくるエクスタシーと共に、すべては黄泉の世界へ流れゆくー。恐怖と官能を湛えた極上の幻想譚集。
晩秋の夜、高速バスが炎上。この事故で夫を失った園田萌と、娘を亡くした作家・石渡遊作が出会ったのは、二か月後の遺族会がはじめてだった。喪失の同じ痛みが、ふたりを分かちがたく結びつけてゆく。だが孤独と絶望の淵からはじまった愛は、スキャンダラスに取りざたされることに。互いに溺れ、社会に背をむけたふたりに残されているのは、この恋に殉じること。究極の道行を描く渾身の恋愛長編。
あなたと私、二人きりですべてをわかちあった秘密の時間ー。数奇な生い立ちをもつ渚と玲奈。幼くして知り、別離を経てめぐり合い、もう離れられないと悟った二人は、手を取り合って許されざる官能に身を投げ出す。無垢すぎる魂が引き寄せる悲劇。狂おしくも甘やかな死の予感言葉と写真の奇跡的な融合が小説を超える世界を生み出す。一篇の映画にも似たコラボレーション・ブック。
「僕があなたを恋していること、わからないのですか」昭和27年、国分寺。華麗な西洋庭園で行われた夜会で、彼はまっしぐらに突き進んできた。庭を作る男と美しい人妻。至高の恋を描いた小池ロマンの長編傑作。