著者 : 本城雅人
新聞は事件を、週刊誌は人間を追いかける。取材対象者へ独特の感性で切り込み、数々のスクープを飛ばしてきた伝説の週刊誌記者が、女性宅への不法侵入と窃盗の容疑で逮捕された。窃盗容疑は否認する中、一言だけ取調中に語った「友を待つ」の真意とは何なのか? 言葉の意味と目的を調べはじめた後輩記者たちは、十年前のある官僚との因縁に原因があることに気づくーー。吉川英治文学新人賞受賞の『ミッドナイト・ジャーナル』に続く、傑作記者ミステリ。
格好つけるな。噓をつくな。強がるな。おまえも本当は、部長になりたいんだろう? 優秀な記者ばかりがそろった黄金世代。しかし、社会部長になれるのはひとりだけだった。生き残っているのは得意分野が違う五人の男。部下の転職や妻との関係、苦悩の種に惑いながら出世レースは佳境を迎えるが、会社が倒れかねない大スキャンダルが男たちを襲う。組織を守るか、己を守るか、それとも正義をとるか。勝つのは、誰だ?
児童誘拐殺害事件で大誤報を打ち、中央新聞社会部を追われ、支局に飛ばされた関口豪太郎。あれから7年。埼玉東部で、小学生の女児を狙った連れ去り未遂事件が発生。犯人は二人いたとの証言から、豪太郎の脳裏に”あのとき”の疑念がよぎる。終わったはずの事件が再び動き出す。<第38回吉川英治文学新人賞受賞作> 児童誘拐殺害事件で大誤報を打ち、中 央新聞社会部を追われ、支局に飛ば された関口豪太郎。あれから7年。埼玉 東部で、小学生の女児を狙った連れ去り未 遂事件が発生。犯人は二人いたとの証言 から、豪太郎の脳裏に”あのとき”の疑念が よぎる。終わったはずの事件が再び動き出 す。<第38回吉川英治文学新人賞受賞作>
12年前の落馬事故ーー父の死の真相を知るため、騎手になったーー。父子の絆に感涙必至の長編ミステリ。十二年前の落馬事故──。その真相を知るために、息子・和輝も騎手となり、かつての父の好敵手で、不動のトップ騎手・平賀と同じ廐舎に入った。父は、本当は平賀に殺されたのではないか……。新人競馬担当記者・仁美とともに事故の謎を追う中で、平賀のある秘密に気づいた和輝は、自らの身にも迫る危険を感じ取る。亡き父と息子の絆に涙する、長編ミステリ。『サイレントステップ』改題。
幼い頃から共にボールを蹴ってきた修平、文雄、靖春の3人の人生は、高校3年のインターハイでのひとつのプレイをきっかけに一転する。-22年後、現役のプロサッカー選手として未だ戦い続ける修平の前に文雄が姿を現し、警察官となった靖春は警戒を強める。文雄はサッカー賭博をシノギにしており、中国の黒社会との付き合いも噂される捜査対象者だった。修平のキャリアを守るため、文雄を調べ始めた靖春は、やがて、22年前に端を発する殺人事件に辿り着く。逃れられない過去に苦しみながらも、人生に立ち向かう男たちを描く激情と働哭のクライムノベル。
吉川英治新人文学賞受賞後第一作。プロ野球を引退したばかりの元スラッガー、宇恵康彦。彼が就任したのは連続最下位の新興チーム「新潟アイビス」の監督だった。上を見れば、短気ですぐに監督をクビにする若きオーナー。下を見れば、キャンプ中に若手を引き連れ朝帰りするベテラン投手。仲間であるはずのコーチたちにも諍いが……問題だらけの球団にルーキー監督が挑む! 第1話 ときは金なり 第2話 やさしい言葉 第3話 とく別な一勝 第4話 鬼の謎かけ 第5話 広報の恋 第6話 祭りのあと
独特の色気を湛えた商品で人気を博し、ロンドンに店を構える靴職人・斎藤良一。強引に事業拡大を進める彼の元に、不気味な修理依頼が舞い込む。それは幽霊の靴なのか?十三年前の父の死に、不審を抱く若き靴職人の知略が、斎藤のどす黒い野心の前に立ちはだかる。人間の深淵を描く、異色ダークミステリー!
惨敗したW杯から三年。苦戦する日本代表を立て直すため、新たな監督探しを託された望月は、かつてマスコミのリークで契約に失敗した過去を持つ。サッカー協会、記者、代理人、選手ーー複雑な思惑が渦巻くなか、タフな交渉を続ける望月だが、妨害の裏には驚くべき黒幕がいた。迫真のスポーツサスペンス! 「W杯の勝敗の裏に、これだけの熾烈な闘いがある。そのドラマにすっかり魅せられた」--セルジオ越後<サッカー解説者> 「人間の真実に迫る、野心的な作品。登場人物のモデルが誰なのかを想像して読む楽しみも格別!」(神奈川県・40代・男性) 「主人公を妨害しているのは誰か?誰が監督になるのか?二つの謎がどう解決するか、時間を忘れてミステリーにのめり込んだ」(埼玉県・40代・女性) 「手に汗握り読み進めた。ワールドカップを見る視線が、これまでとまったく変わりそう」(兵庫県・30代・女性) 「疾走感にあふれた代表監督選考の過程。どのようなゴールを迎えるのか、最後まで一気に読んだ」(埼玉県・20代・男性) 「スポーツ界の光と影。権力争いの影を描く著者の筆力がすごい!」(広島県・30代・男性) 「苦しいときこそがんばれ」という愚直な言葉に感動。スポーツ選手の夢が叶わなかった自分には「座右の書」となった。(神奈川県・50代・男性) 「最後には真っ青な空が見えました!サッカーに疎くても十分楽しいし、むしろファンになります」 (兵庫県・20代・女性) 「サッカーを知り尽くした著者の感性が、あちこちに宿る素晴らしい作品」(奈良県・60代・男性)
落ち目になったカリスマシェフのイタリアン、職人の結束の綻びに揺れるオーダーシャツテーラー、強引な買収危機に瀕した老舗ホテルー。“高級”で売る業種をターゲットにした気鋭ファンドのボス藤浪と新人古武士は、「人生を豊かにする贅沢」のみを買う。だが、窮地の企業を救う彼らの前に因縁の男が立ちはだかる。
球界のスター・浪岡龍一の八百長疑惑を追う刑事の半澤は、かつて甲子園の決勝で目にした投球への違和感を、今も燻らせていた。一方、執拗な取材を続ける記者・四之宮は、遂に浪岡を追い詰めるのだが。貧しい漁村からのし上がった不世出の投手は、黒か白か?衝撃のラストに息をのむ、圧巻のミステリー!
東洋新聞はIT企業から買収宣告を受けた。経営権が移れば、宅配数の少ない営業所は閉鎖し、ニュースはウェブファーストに移行、海外特派員制度もなくなる。しかし日刊新聞法に守られた新聞社は世論を味方につけられない。社会部デスクの安芸は昔ながらの記者だ。パソコン音痴で、飲み会の店も足で探す。IT企業を裏から操るのは、かつて東洋新聞にいた権藤だ。安芸とともに働く者達の、記者魂を懸けた攻防戦が始まる。 新聞社が消滅するーー。 東洋新聞はIT企業から買収宣告を受けた。経営権が移れば、宅配数の少ない営業所は閉鎖、ニュースはウェブファーストに移行し、海外特派員制度もなくなる。しかし日刊新聞法に守られた新聞社は世論を味方につけられない。 東洋新聞社会部デスクの安芸は、昔ながらの記者だ。パソコン音痴で、飲み会の店も足で探す。IT企業を裏から操るのは、かつて東洋新聞の記者だった権藤だ。 時代の流れは止められないのか。旧いものは悪なのか? 安芸とともに働く者達の、記者魂を懸けた攻防戦が始まる。 発売後、続々重版出来! 「産経新聞」「日経ビジネスオンライン」「サンデー毎日」「週刊朝日」「アサヒ芸能」「J-novel」ほか新聞25紙で紹介された話題沸騰の話題作!! 第一章 グローバルペーパー 第二章 007委員会 第三章 新聞未来図 第四章 決起会 第五章 寝返り 第六章 身辺調査 第七章 東洋モーニン 第八章 降版協定 第九章 ゼロ・オア・アライヴ
「おまえのバットはEDじゃ〜」厳しい野次の中、二千本安打を目指すベテラン四番打者の覚悟(「塀際の魔術師」)。万年ビリ球団の経営を任される二世オーナーの決意(「永遠のジュニア」)。微妙な判定をめぐりコラムニストと対決する堅物アンパイアの信念(「人生退場劇場」)。人生笑って前に進んだもんが勝ち! 球界を舞台に、苦境に立たされた七人の胸のすく逆転劇を描く痛快連作短編集。
プロ野球ドラフト会議。人間の、チームの運命が決定する勝負の一日に、すべてを懸けて戦う男たちがいる。あらゆる手段で選手を獲得する“怪物スカウト”堂神恭介をはじめとするプロ野球スカウト達の頭脳戦を描いた怒濤の連作短編集。 ドラフト一巡目 指名拒否 ドラフト五巡目 下位指名 ドラフト三巡目 因 縁 ドラフト四巡目 同 期 ドラフト二巡目 流 儀 ドラフト外 いわく
記者たちの熱意、それだけに徹した三百六十七ページ。--宮部みゆき(読売新聞4/17刊)入魂の書である。--星野智幸(朝日新聞4/10刊)面白さも完成度も『クライマーズハイ』に匹敵する傑作。--北上次郎(「読楽」3月刊)誤報を打ち飛ばされた3人の記者。その七年後、児童連続誘拐事件が発生。さいたま支局の豪太郎はかつての事件との関連性を疑い、独自に取材を開始する。 記者たちの熱意、それだけに徹した三百六十七ページ。--宮部みゆき(読売新聞4/17刊) 入魂の書である。--星野智幸(朝日新聞4/10刊) 面白さも完成度も『クライマーズハイ』に匹敵する傑作。--北上次郎(「読楽」3月刊) 熱気がある、ユーモアがある、独特の軽快さがある。今年の本命作登場だ。--温水ゆかり( 「GINGER」4月号) マスコミ不信、警察不信が声高に叫ばれる今こそ読まれるべき、正義と情熱の物語。本城雅人は、この一冊を書くために作家になった。--吉田大助 「被害者女児死亡」--世紀の大誤報を打ち、飛ばされた3人の記者。その七年後、児童連続誘拐事件が発生。さいたま支局の関口豪太郎はかつての事件との関連性を疑い、東京本社の藤瀬祐里は豪太郎の応援に合流し、整理部員となった松本博史は二人を静観する。間違っているのかもしれない。無意味なのかもしれない。しかし豪太郎は諦めない。タネを撒き、ネタに育て、真実を獲得するため、今日も真夜中に動き出す。 特別な結果を出すのは、いつだって、本気の人間だ。
毎年、ドラフトで隠し球を指名するのが『堂神マジック』だ。その怪物スカウトに見習いとしてついた純哉は、次々出される不可解な指示に翻弄される。競合球団を出し抜き、幻手を寝返らせるための想像を絶する手練手管。奪い合いと騙し合い、壮絶な駆け引きに満ちた世界を描いた白熱のエンターテインメント! First Round 1年目 Second Round 2年目 Third Round 3年目 Fourth Round 4年目
横浜中華街、国慶節前夜。中国籍の男が殺された。彼は31年前に獅子舞仲間2人と消息を絶ち、さらに同時期に警察官も失踪していた。殺人と過去の事件を結ぶのは、かつて中華街を統べた男と、見えない国境に阻まれた恋。日中関係激変の時代、少年たちはどこへ消えたのか。今なお爪痕が残る街で刑事が謎に挑む。
「この作者は巧みな投手だ。球筋の読めない心理戦に翻弄された」と作家・横山秀夫が賞賛した、臨場感あふれるスポーツ新聞の現場を描く連作短編。 部下に、「とりあえず、ニュースをだせ」と他社の知らないニュースを獲ってくることをひたすら求め続ける東西スポーツ野球部のデスク・鳥飼は、「スポーツ新聞の三大要素は、『金』『出世』『女』だ!」とうそぶき、その露骨で下品な言動と、なりふり構わぬ取材ゆえ、社内外でも敵の多い人物。部下や同僚からは、「トリダシ」と影で忌み嫌われている。 しかし強烈な個性で周囲を巻き込んで、数々のスクープをものにし「影のGM」と噂されるほど優秀な記者でなのだ。 異能の記者”トリダシ”とは、はたして何者なのか。彼の周囲の人々の目から、徐々に真実の姿が明らかになる。 『球界消滅』で、その先見性とストーリーを、各方面の書評で絶賛された著者が、満を持して自らの記者体験をもとに描く選手も記者も騙し合いの熾烈なスクープ合戦の舞台裏。
ニューヨークで無気力な留学生活を送る恭平と篤郎のもとを、意外な人物が訪ねてきた。メッツで活躍している日本人ピッチャー、進藤だ。高校時代の野球部の後輩である恭平に、チーム内の窃盗事件を解決するために、クラブハウスボーイとして潜入しろという。大量のユニホームや練習着の洗濯や、食事の準備など選手たちの世話に追われる二人だが、プロの世界を垣間見、メジャーリーガーの思いに触れるうちに──。文庫版書き下ろしを一編加えた青春+お仕事ミステリの決定版。元メジャーリーガー・吉井理人氏が、アメリカ時代をリアルに描いた解説付き。 (単行本版タイトル『ボールパークの魔法』を文庫化・改題)