小説むすび | 著者 : 梶よう子

著者 : 梶よう子

池波正太郎と七人の作家 蘇える鬼平犯科帳池波正太郎と七人の作家 蘇える鬼平犯科帳

■池波正太郎が長谷川平蔵を主人にした短篇小説「浅草・御厨河岸」を書いたのは、昭和42(1967)年のこと。オール讀物12月号に掲載されたその短篇は大きな反響を呼び、「鬼平犯科帳」としての連載が始まった。 ■2017年、「鬼平」誕生から50年。この記念すべき年に、7人の人気作家が長谷川平蔵を登場人物にして、「鬼平」へ新たな命を吹き込んだ競作短篇集。 ■逢坂剛は「逢坂・平蔵シリーズ」の特別版、上田秀人は武家という官僚社会で生きる平蔵の立場を、諸田玲子は妖盗・葵小僧と鬼平の再対決、風野真知雄は人気シリーズ「耳袋秘帖」鬼平版、そして、土橋章宏は父譲りの料理人と鬼平との味対決、門井慶喜は、流行りものの鰻が嫌いで女が好きな木村忠吾がかかった罠、梶よう子は、平蔵亡き後、火盗改を仰せつかった森山源五郎の回想、と7人7様。これらの短篇に加え、池波正太郎が自らベスト5に選んだ鬼平作品の中から「瓶割り小僧」を特別収録。 ■各作品に池波正太郎のカット画を使用。

ヨイ豊ヨイ豊

出版社

講談社

発売日

2017年12月15日 発売

元治2年(1865)、清太郎の師匠・三代豊国の法要が営まれる。広重、国芳と並んで「歌川の三羽烏」と呼ばれた花形絵師だった。歌川の大看板・豊国が亡くなったいま、誰が歌川を率いるのか。弔問客たちの関心はそのことに集中した。清太郎には八十八という弟弟子がいる。粗野で童のような男だが、才能にあふれている。己が三代に褒められたのは、生真面目さしか覚えがないのに。──時代のうねりに、絵師たちはどう抗ったのか! 元治2年(1865)如月、清太郎の師匠で、義父でもある三代豊国の七七日法要が営まれる。三代は当代きっての花形絵師。歌川広重、歌川国芳と並んで「歌川の三羽烏」と呼ばれた。すでに広重、国芳を亡くし、歌川の大看板・豊国が亡くなったいま、誰が歌川を率いるのか。版元や絵師、公演者たちなど集まった弔問客たちの関心はそのことに集中した。清太郎には義弟の久太郎と、弟弟子の八十八がいた。久太郎は清太郎と同じく、門人から婿養子なった弟弟子。そして八十八は、清太郎より歳が一回りも下の弟弟子。粗野で童のような男だが、才能にあふれている。八十八が弟子入りしてすぐに三代はその才能を認め、挿絵を大抜擢で任せたりしたものだ。かたや清太郎が三代に褒められたのは、生真面目さしか覚えがない。その上、版元たちからは、三代の通り名「大坊主」を文字って、「小坊主」と呼ばれる始末。いったい、誰が「豊国」を継げようものか。清太郎は、苦い振る舞い酒を口へ運んだ──黒船騒ぎから12年が経ち、京の都には尊王攘夷の嵐。将軍さまは京に行ったきりと、徳川の世は翳りはじめていた。時代のうねりの中で、絵師たちは何を見、何を描き、何を残そうとしたのか! 一、梅が香の章 二、梅襲の章 三、裏梅の章 四、梅が枝の章 終 章

決戦!忠臣蔵決戦!忠臣蔵

夢枕獏が、山本一力が、諸田玲子が……「忠臣蔵」を描く! いままで戦国時代を舞台にすることが多かった「決戦!」シリーズだが、今回の舞台は江戸は元禄、テーマは「忠臣蔵」。当代きっての名手・七人が、日本人が愛し続ける物語に挑む。義挙を前にした人々の悲哀、本懐を遂げた男たちの晴れ晴れとした思い。そして、主君を守れなかった吉良方の無念……。今までにはない、”涙”の「決戦!」シリーズの誕生。 夢枕獏が、山本一力が、諸田玲子が……「忠臣蔵」を描く! いままで戦国時代を舞台にすることが多かった「決戦!」シリーズだが、今回の舞台は江戸は元禄、テーマは「忠臣蔵」。当代きっての名手・七人が、日本人が愛し続ける物語に挑む。 義挙を前にした人々の悲哀、本懐を遂げた男たちの晴れ晴れとした思い。そして、主君を守れなかった吉良方の無念……。今までにはない、”涙”の「決戦!」シリーズの誕生。 鬼の影 葉室麟 妻の一分 朝井まかて 首無し幽霊 夢枕獏 冥土の契り 長浦京 雪の橋 梶よう子 与五郎の妻 諸田玲子 笹の雪 山本一力

北斎まんだら北斎まんだら

出版社

講談社

発売日

2017年2月28日 発売

信州小布施の豪商、高井家の惣領息子・三九郎は、かの有名な絵師の葛飾北斎の弟子になるために江戸へやって来た。だが、まともには取り合ってもらえず、かまってくれたのは美人画で有名な絵師の渓斎英泉こと善次郎だけ。娘のお栄に火事見物につき合わされたり、枕絵のモデルをやらされたりで、弟子入りの話はうやむやのまま。そんな折、北斎の放蕩な孫・重太郎が奥州から江戸に戻ってきたことが伝わり……。 信州小布施の豪商、高井家の惣領息子・三九郎は、かの有名な絵師の葛飾北斎に会うために江戸へやって来た。浅草の住まいを訪ねてみると、応対してくれたのは娘のお栄。弟子入りを志願するもまともには取り合ってもらえず、当の北斎はどこかへ出かける始末。美人画で有名な絵師の渓斎英泉こと善次郎にはかまってもらえるが、火事見物につき合わされたり、枕絵のモデルをやらされたりで、弟子入りの話はうやむやのまま。そんな折、北斎の放蕩な孫・重太郎が奥州から江戸に戻ってきたことが伝わる。同じころ、北斎の枕絵や鍾馗の画の贋作が出回る事件が出来し、重太郎に疑いの目が向けられるが……。

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