著者 : 横溝正史
現在推理小説とよばれている探偵小説が、摩訶不思議な謎の提供と、一分の隙もない論理的な解明という、長篇小説の形で定着したのは、一九二〇年代から三〇年代の初期のことではなかったろうか。私がはじめてそういう傾向の探偵小説にぶつかったのは、大阪薬専の学生時代のことであった。物はA・A・ミルンの「赤い家の秘密」であった。当時神戸から大阪の学校へ汽車通学をしていた私は、神戸の古本屋で全冊見つけて揃えると、汽車の中で、教室で、講議もそっちのけにして、教師にかくれて貪り読んだ。(横溝正史「推理小説の故郷」より)
発表から90年、幻の作品、初書籍化!特別収録、作者急逝後、正史が書き継いだ、海野十三『少年探偵長』。横溝正史没後40年、シリーズ完結!
没後40年、いまなお読者を魅了してやまない横溝正史の少年探偵物語を全7冊で贈るシリーズ第2弾に当たる本書には、おなじみの名探偵・金田一耕助が登場する3長篇と短篇2作を収録。 シャム双生児として生まれてきた兄弟をめぐる一族の愛憎劇と遺産相続争いが引き起こす連続殺人を描く表題作、ダイヤの入った黄金の小箱を狙って暗躍する仮面の怪人に金田一と少年が立ち向かう『仮面城』、奇術師姿の怪老人の予告通りに起きる児童連続消失事件の謎に少年探偵たちが挑む『金色の魔術師』--いずれも活劇的展開とミステリとしての意外性が横溢した傑作長篇3作に、短篇「灯台島の怪」「黄金の花びら」を収録。大人向けミステリの金田一耕助のイメージとはまたひと味違う存在感が魅力的な一冊。 今回も初刊時のテキストを使用、従来版でなされていた改変をオリジナルに復すとともに、刊行時の雰囲気を伝える挿絵を多数収録して完全復刻! 仮面城 金色の魔術師 迷宮の扉 灯台島の怪 黄金の花びら 巻末資料 『仮面城』(1952年版)まえがき 『金色の魔術師』(1952年版)まえがき 「横溝正史のジュヴナイルと金田一耕助」 山村正夫
最初で最後の大全集。全180篇を初めて完全集成。『完本 人形佐七捕物帳』全10巻、ついに登場!江戸を舞台に、人形のような色男である佐七が繰り広げる推理劇。
最初で最後の大全集。全180篇を初めて完全集成。『完本 人形佐七捕物帳』全10巻、ついに登場!江戸を舞台に、人形のような色男である佐七が繰り広げる推理劇。
昭和16年、春陽堂書店は初めての『人形佐七捕物帳』全5巻を刊行した。昭和48年には『人形佐七捕物帳全集』全14巻を春陽文庫より刊行。150篇を収録し愛読されたが、近年、研究者たちにより『人形佐七捕物帳』は全180篇と確定した。ここに綿密な校訂を施し、初めて発表順に決定稿を集成。面目を一新した『完本 人形佐七捕物帳』全10巻をお届けする。横溝正史次女野本瑠美氏の回想『人形佐七は横溝家の天使』を全巻連載。
昭和16年、春陽堂書店は初めての『人形佐七捕物帳』全5巻を刊行した。昭和48年には『人形佐七捕物帳全集』全14巻を春陽文庫より刊行。150篇を収録し愛読されたが、近年、研究者たちにより『人形佐七捕物帳』は全180篇と確定した。ここに綿密な校訂を施し、初めて発表順に決定稿を集成。面目を一新した『完本 人形佐七捕物帳』全10巻をお届けする。横溝正史次女野本瑠美氏の回想『人形佐七は横溝家の天使』を全巻連載。
江戸を舞台に、人形のような色男である佐七が繰り広げる推理劇。最初で最後の大全集。全180篇を初めて完全集成。『完本人形佐七捕物帳』全10巻、ついに登場!
古くから娯楽の中心として発展してきた映画は推理小説と相性が抜群で、『第三の男』『オリエント急行殺人事件』『薔薇の名前』『犬神家の一族』『砂の器』など、ミステリー小説が原作の名画は枚挙にいとまがない。そんな映画の世界を題材に描かれた短編を集めたミステリー・アンソロジー。十二人の名手たちによる映像を超える傑作ドラマが開幕!