著者 : 津村秀介
横浜の公園で進学塾帰りの女子高校生が刺殺された。残されたノートには「55」という謎の言葉が記されていた。ルポライター浦上伸介は事件の取材に動き、被害者が半月前、姫路で偶然ある事件を目撃していたことをつきとめる。浦上がダイイングメッセージ「55」の意味を解き明かしたとき、女子高校生殺しの犯人として意外な男が浮かび上がってきた。しかし容疑者には、姫路で事件が起きたとき秋田新幹線に乗車していたという鉄壁のアリバイがあった。姫路-秋田間に横たわる時間の壁を、浦上は破ることができるか。
「山手夫人」を巡って壮絶な諍いを起こした二人の男。一方の本橋が殺され、凶器のナイフには、相手の藤木と、謎の指紋が残されていた。藤木は、死者への憎しみを露わにするが、鉄壁のアリバイを主張する。ルポライター・浦上伸介と前野美保は、事件の発端と思われる、正体不明の「山手夫人」に迫る。真犯人は誰。
御殿場での放火殺人。女声の密告電話で、犯人と名指しされた女には完璧なアリバイがあった。犯行時刻、寝台特急「さくら」に乗車していたのだ。殺された孤独な男をめぐる二人の女の思惑と殺意。そして、仙台での隠された事件が謎を深める。ご存じ浦上伸介の、緻密な調査と名推理が辿り着いた、迷宮の出口とは。
群馬・水上温泉と大阪・蛍池で同じ日に起きた殺人事件。死体に残された同じタイプの出刃包丁が事件を繋ぐ。被害者の男女の関係は?犯人の動機は?だが、次々浮かぶ容疑者は、誰もが鉄壁のアリバイを持っていた。時刻表の裏を読み、事件の真相に迫る浦上伸介の名推理は、如何にして犯人を追いつめるか。
横浜での海外ツアーコンダクターの死。大阪・豊中でのハイソサエティーの若妻の死。東京・神田での元暴力団準構成員のバーテンの死。三つの射殺死体を結びつける短銃トカレフの謎と、国際線に仕掛けられた鉄壁堅陣のアリバイに、浦上・美保のコンビが挑む。
汚れきった「レインコート」を手放せない男は、なぜか、母の死んだ「島」を執拗に目指して旅をする。山狭を走る夜汽車。彼は隣り客に問う、「狼」はいませんかと。-レインコートとは、島とは、狼とは、何か。
早春の小田原城祉公園で美女の刺殺体が発見された。遺留品を手がかりにたどり着いた岩手県の久慈で女の身元を掴んだルポライター浦上伸介の元に、女の母親が同一手口で殺害されたとの報せが入る。しかし、近親者の証言から浮かんだ二つの殺人の容疑者には、強固なアリバイが…。
東北の小京都・角館で、3年前に失踪したOL堀内美奈子の白骨死体が発見された。捜査線上には、元恋人のエリート商社マン小此木宏が浮かぶが、小此木には鉄壁のアリバイがあった。名探偵・浦上伸介は真相追及のため角館へ飛ぶが、彼を待っていたのは第2の殺人だった。なんと小此木が刺殺されたのだ。二つの殺人にはどのような関連が。そして新たに浮上する時間の壁…。本格謎解きの醍醐味を存分に堪能させる名手会心の推理傑作。
長崎の一流ホテルで若い男が殺害された。警察は犯行現場の宿泊客“田中一郎・和子”を追ったが2人の行方は杳としてつかめなかった。やがて、被害者はパチンコ店従業員・野山宇一と判明。しかも野山は半年前、和子らしい女が勤めていた長崎のスナックの客であったこともわかった。この事件に興味を持ったルポライター・浦上伸介は地元タウン紙記者から、野山が“女を殺したらしい”と漏らしてしたという興味深い情報を得た…。被害者野山は、誰を殺したのか?そして、なぜ、誰に殺されたのか?不可能を可能にする大胆なトリックを駆使して贈るトラベルミステリー『北の旅殺意の雫石』に続く傑作第2弾。
「だ、だれか来てくれ!殺される」松江・宍道湖畔のホテルから落合和彦が墜死した。奇しくも、恋人千秋もスイス・レマン湖のホテルで墜落死していた。この死の相似に疑惑を抱いた妹玲子は、週刊記者浦上伸介とともに真相を追う。驚くべき奇怪な事実、そして容疑者には鉄壁のアリバイが!アリバイ崩しの名手の長編力作。
7月2日夜、ヤミ金融会社社長、天本禎夫が失踪し、1週間後、横浜の木材港に死体となって浮かんだ。ルポライター浦上伸介は、社員瀬田えりの証言から、天本が失踪した日に、秋田から持ち帰った土地の権利書を探り当て、秋田へ飛んだ。しかし、天本殺害の重要な物証となる権利書は、秋田の素封家中野家の大金庫に収められていた。はたして、犯人はこの物証を移動することが可能か!人を乗せない急行列車とは何か?大阪-東京-秋田を結ぶトリックに、浦上が挑む!“アリバイ崩しの名手”津村秀介待望の書下ろし長編推理最新作。
名古屋に向かう“ひかり87号”の車中で出版社の外注校正係、草田恭子が毒殺された。その直前に恭子と接触したと思われる“長身の男”を割り出した捜査員は、トラベルライター笹岡卓也と市役所勤務の折原俊彦を容疑者と断定した。しかし笹岡は同日同時刻、取材のため熊本に、一方、折原は新大阪発“ひかり23号”で博多に向かっていた。東京ー名古屋間をノンストップで走る新幹線での殺人は2人には絶対不可能に思われた。アリバイ崩しの名手が満を持して贈る本格推理の傑作。
桜の木の下に死体。そして血塗られた文庫本…。480キロ離れた横浜と奈良で、昼と夜、同じ状況で連続殺人が起こる。被害者2人を結ぶ細い糸を必死にたぐり寄せた浦上伸介だったが、彼の前に鉄壁のアリバイが立ちはだかった。高笑いする犯人の緻密なトリックを、あなたは浦上より早く解明できるか?
週刊誌の女性編集者北川真弓は、四国取材の途中、屋島で藤の花の下に倒れた若い女の他殺体を発見した。被害者は東京で夫とスナックを経営する人妻。そして離婚の寸前だったという。真弓は週刊誌の記事にするべく事件を追う。浮かび上がった被害者の人生、そして意外な犯人とは?旅情ただよう、アリバイ崩しの名編。
紅葉に彩られた10月の昼下がり、岩手県雫石川の河畔で横浜在住の藤本昌代(29)の死体が発見され、現場に遺された薬物混入のワインボトル、ダイイングメッセージなどから殺人と断定された。昌代の妹亜紀は6年余りも消息不明だった姉の悲劇的な最期を見、ルポライター浦上伸介とともに犯人追及を開始した。やがて昌代の元愛人牧内満広が浮かび上がった。だが、事件解決を目前に四国吉野川で女性死体が発見され、その犯人として牧内は逮捕され殺人を自白した。しかも犯行は昌代の死亡推定時と同日同時刻と証明されたのである…。当代一のアリバイ崩しの名手が、大胆な着想と緻密な構成で贈る本格推理の傑作!
雨の横浜・紅葉坂で、貿易会社の社長が殺された。しかも10日ほど前にはこの社長の出張先名古屋で、車から2千5百万円が強奪されていた。容疑は身近の部下にかけられた。しかしルポライター浦上は、別に真犯人がいると信じる。調べるうち、被害者の謎の過去が次々あばかれてー。俊英による横浜、名古屋、福岡、秋田等を結ぶ本格作。
切りたった断崖から、美貌の人妻が消えてしまった!莫大な遺産相続にからむ欲と殺意。アメリカから一時帰国した彼女は誰に呼び出され、そして突き落とされたのか。死体なき殺人事件に隠された恐るべき陰謀と、鉄壁のアリバイ。意表つく大トリックと手書き地図の謎-。国鉄ダイヤ最後の事件、書下ろし本格推理!
山形のホテルで賭け将棋の真剣師が殺害され、同宿の仲間の姿が消えた。だがその彼もまた、同日、仙台のホテルで同一手口によって殺されていた。仙台と山形。この二つの殺人が仙山線で結ばれたとき、双方の被害者が互いに被疑者という奇妙な関係ができてしまった。そして、この事件を取材し、謎に挑んだルポライターの浦上伸介が掴んだ第3の容疑者には完璧なアリバイが…。仙台ー山形ー宝塚を結ぶ殺人ルートは可能か?