小説むすび | 著者 : 片山真紀

著者 : 片山真紀

プロポーズ日和プロポーズ日和

この胸に渦巻く気持ちは、 羨望? それとも、嫉妬? 集中治療室の看護師長を務めるアレクサンドラのもとに、 ある日、意識不明の美しい女性患者が運びこまれた。 つき添ってきたのはオランダ人のドクター・ファン・ドレッセルハイス。 たまたま事故現場に居合わせたのだという。 指示を出す態度は独断的で傲慢だけれど、腕は確かなようだ。 やがて意識を取り戻した患者が記憶を失っていることがわかると、 ドクターは彼女を引き取って面倒をみると言いだした。 しかも、アレクサンドラを付き添い看護師として雇いたいとまで! なぜドクターはあの患者さんにこうも親身になるのかしら? 嫉妬にも似た感情に戸惑いつつ、アレクサンドラは運命に身を投じたーー 20歳前後とおぼしき記憶喪失の女性は、ペニー銀貨のように美しい髪にちなんで“ペニー”と呼ばれるように。そのペニーがやがて、アレクサンドラのドクターへの恋心を激しく揺さぶる存在になっていきます。1975年に上梓されながらも色褪せない、珠玉の恋物語。

瞳の中の楽園瞳の中の楽園

美貌の大富豪は薄情な人。 そう思っていたけれど……。 亡き異母姉が産んだ双子の赤ん坊を育てているギャビーは、 子供たちの父親、ギリシア大富豪アンドレアスに面会を申し込んだ。 姉は彼との一夜限りの関係で身ごもり、密かに出産したのだった。 ギャビーがかわいい子供たちの養親になるには、父親の承諾が必要なのだ。 夕刻になってようやく面会を許され、DNA鑑定の報告書を突きつけると、 彼はにべもなく言った。「僕に施しを求めても、なんの解決にもならない」 身に覚えがないという態度を崩さぬまま、アンドレアスは去っていった。 無類の冷血漢だわ! 彼の心に私の言葉は届きそうにない……。 だが後日、彼は自分と瓜二つの男性をギャビーに引き合わせて告げた。 「僕の双子の兄だ。赤ん坊たちの父親は、僕ではなく兄なんだ」 美しいエーゲ海を舞台に、大スター作家レベッカ・ウインターズが描いた感動作。赤ん坊たちの父親ではなかったヒーローの実は温かい人柄に惹かれていくヒロインですが、彼には美しい恋人がいると知り……。赤ん坊たちの行方も含め、結末が気になる物語です!

花嫁は月夜に秘密を宿す花嫁は月夜に秘密を宿す

意に染まぬ結婚に甘んじると決めた夜、 月明かりが導いた、運命の男性はーー? その夜、リアは絶望を抱え、許婚の寝室へ向かった。 初めて会った瞬間から、私を虜にしたラファエル。 なのに父の決めた許婚は、あろうことか彼の異母弟なのだ。 でも、籠の鳥の私にいったい何ができただろう? ラファエルへの恋心を封印し、リアは許婚の寝室を訪ねた。 夫となる人に心を捧げられないならば、せめて体を捧げるーー それが、実らぬ恋をあきらめるただ一つの道に思えたから。 迎え入れた許婚の端整な顔がその刹那月明かりに照らし出され、 リアは息をのんだ。ラファエル! まさか部屋を間違えたの? 抗うすべもなく情熱を交わした後日、リアは妊娠に気づくーー。 「そこまでだ。花嫁は僕がもらう!」結婚式当日、大聖堂に響いた声の主はラファエル。でも初恋の男性からの愛なきプロポーズを喜べるはずもなく……。起伏に富んだドラマチックな作風でリン・グレアムの再来と呼び声の高い、ジャッキー・アシェンデンの力作!

冷酷王子と秘密の子冷酷王子と秘密の子

遅すぎるプロポーズは虚しいだけ── 王子が欲しいのは息子だけなのだから。 もうすぐ5歳になる息子を連れて街へ出かけたエマは愕然とした。 5年半前、彼女を不用品のように捨てた相手がいたのだ。 コンスタンチン! 美女との噂が絶えないミルス王国の王子。 1年付き合った末、彼は許婚がいるからと一方的に別れを告げた。 その後妊娠に気づいたエマは、厳格な両親に家を追いだされ、 強盗に全財産を奪われ、コンスタンチンには連絡すら拒否されて、 住み込みで働きながら一人で必死に我が子を育ててきたのだった。 「その子は僕の子だな?」こちらを睨みつけ、彼が詰め寄った。 お願い、私の宝物を奪わないで。エマは息子を胸にかき抱いた。 『ガラスの靴の片想い』に続く、ミニシリーズ〈愛と継承のはざまで〉の関連作をお届けします。王家の血を引く息子の幸せのため、王子からの求婚を受け入れたヒロイン。なぜか愛の言葉ひとつも口にしようとしない冷たい王子との生活はあまりに虚しくて……。

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