著者 : 藤村華奈美
ギリシアの名家ドラコス家継承者で実業家のアレクセイは、ビリーの幼なじみにして、純潔を捧げた初恋の人だ。だが不慮の事故によって、彼はあのひとときの記憶を失ってしまった。彼女に愛を囁いたことも忘れ、元恋人のもとに戻ったアレクセイに、“あなたの子をみごもったの”などとはとても言えない。1年後、欲得ずくの恋人に飽きたアレクセイに求婚されたとき、ビリーは驚きながらも、複雑な気持ちでプロポーズを受けた。初夜ー新妻がバージンでなかったことにアレクセイは激怒する。彼に純潔を捧げ、彼の子を産んだのだとビリーは必死に告白するが、アレクセイはまるで信じようとはせず、屋敷を出ていってしまう。2部作、『永遠を誓うギリシア〜ボスのプロポーズ〜』に続く波乱の後編。アレクセイと結婚したビリーだったが、彼は息子の存在を信じず、DNA鑑定を要求する。
セージはある夜、暴漢に襲われたところをケイレブに救われた。ハンサムで凛々しいスーツ姿の彼は正義感溢れる弁護士で、強く惹かれたセージは、家に送り届けてくれた彼と自然に結ばれた。だが翌朝、ある誤解がもとでケイレブは激怒し、去ってしまった。セージのおなかに、小さな命を残して…。3カ月後、二人は意外な形で再会することになる。セージの子を自分の孫だと勘違いした老富豪が、なんとかその子を引き取りたいと、ケイレブに相談を持ちかけたのだ。運命のいたずらによって愛する人にまたも誤解され、セージは打ちのめされた。この子は、あなたの子なのに…。
ビリーは8歳のとき、母とギリシアに移り住んだ。よそ者扱いされていた彼女をいつも救ってくれたアレクセイは、5歳年上の少年で、代々その土地を治めてきたドラコス家の継承者だ。時が経ち、アレクセイは若くして大成した実業家となり、ビリーは彼の個人秘書として、恋の後始末までも引き受けている。秘め続けた彼への想いには、永遠に蓋をしたつもりだったのに…アレクセイの両親が事故で急死した夜、二人は衝動的に結ばれた。ビリーにとっては、悲嘆に暮れる彼を慰めたい一心だった。生まれて初めて愛を捧げたこの一夜に彼女は妊娠するが、アレクセイを襲ったある事故によって、告げることができなくなる。
妹たちと身を寄せ合って暮らす貧しいウィニーのもとに、ある日突然、ギリシア人大富豪イロスが現れた。「きみはなぜ、僕の子を産んだことを隠していたんだ?」2年前、専属シェフとしてイロスの屋敷に雇われたウィニーは、たちまち彼に魅了され、身も心もすべて差しだしてしまった。なのに、なんて酷い裏切り…彼に妻がいると耳にしたのだ。傷心のウィニーは黙って屋敷から姿を消したー身重の体で。幼子をかばって震える彼女に、イロスの厳しい言葉が飛んだ。「息子と暮らしたければ僕と結婚するんだ。口答えは許さない」
この契約結婚が終わる日、 私の心は砕け散るーー 父の死後、母が家出し、借金のかたに家屋敷を奪われたカミラ。 衣食住に困って、世界的企業の総帥であるスペイン富豪、 マティアスの館へ向かった。彼が女を雇わない主義と聞くや 髪を切り、ぶかぶかの服で少年のふりをして使用人に雇われる。 泥まみれで働くかたわらを、真っ白な手をした美しい女性と そぞろ歩くマティアスを見て、胸がざわめいたある夜ーー。 「きみは女だな。なぜぼくを欺いた?」 気づかれてしまったわ! くびを覚悟したカミラに彼は言った。 「ぼくと結婚してくれ。あくまで便宜上だが」 ゆえあって結婚を急ぐ富豪ヒーローは、よりによって兄に婚約者を目の前で奪われ、莫大な報酬と引き換えにヒロインと形だけの結婚をすることに。寝室は別と約束したものの、少年から愛らしい乙女へと変わっていく花嫁に目は釘づけで……。
レイチェルは逃げだしたかった。母の野心に押し切られ、もうすぐ老いた権力者との結婚式のベルが鳴らされるのだ。未練がましいとは知りながら、逡巡する彼女の前に現れたのは、魂まで覗きこむような、暗い目をした貴族オーランドだった。「君には勇気が欠けている」と断言されて、その言葉に背中を押されるようにレイチェルは式場から抜けだし、車をひた走らせた。オーランドの屋敷へ、彼のもとへとー月光射す、闇のなかでオーランドは静かに抱き締めてくれたが、やがてレイチェルは、彼が失明しかけているのを知る。RNAロマンス小説賞受賞作。
イタリア富豪ジャンニ・デルッカとの政略結婚か、勘当かーキーリンは苦しい選択を迫られていた。傾きかけた父の会社を救うには、ほかに道はない。でも、愛のない結婚なんて、あまりに悲しい…。どうしたら彼のほうから破談にしてもらえるかしら?キーリンは知恵を絞ったすえ、その日からジャンニと会う日だけ、着慣れない挑発的なドレス姿で、彼に嫌われようと努力を重ねた。なのに、いくら富豪の未来の妻にふさわしくない言動をとっても、ジャンニはハンサムな顔に蠱惑の笑みを浮かべるだけだった。そして、ついに結婚式当日を迎える。本当はバージンだと彼に打ち明けられぬまま。
18歳のとき、エミリーはイタリアの伯爵ラファエレと結婚した。亡き父の遺言どおり、21歳になるまでの便宜上のもので、それは名ばかりの結婚だった。初夜でさえ別々の寝室で、指一本触れようと彼はしなかった。エミリーは愛していたのに。3年が過ぎても、愛人たちと浮き名を流し続ける夫に耐えかね、エミリーは、この婚姻自体を無効にするよう要求した。しかし、それを夫は裏切りと受け止めた。彼の逆鱗に触れたのだ。怯えて逃げ込むエミリーを彼はたやすく追いつめ、捕らえてー「これで夫婦になるんだ。誰もが認める夫婦に」と唇を貪った。
ジリアンの恋はあっけなく終わった。出会ってすぐに惹かれ、最高の恋人だった富裕なイタリア人実業家ヴィットは、彼女が思っていたような人物ではなかった。ある日、彼のメイドが言ったのだ。彼の一族はマフィアだと!彼のヴィラから逃げだしたジリアンはその後、妊娠したことを知る。ああ、なんてこと。けっして彼に知られてはならない…。ジリアンは生まれた息子を守りたい一心で、名前も変え、ゆかりのないカリフォルニアの町でひっそり暮らしていた。だが平穏な日々は続かなった。前触れもなくヴィットが現れたのだ。「君と息子を僕の故郷ーシチリアに連れていく」
生まれ育った古城を銀行に没収されたら、私に居場所はない。亡き両親が遺した莫大な借金を前に、キアラは呆然としていた。そこへイタリア屈指の富豪ニコが現れ、城は彼の一族のもの、当然返してもらうと声高に主張して、こう付け加えた。「君がここに住み続けたければ、僕と結婚するしかない」便宜結婚さえ受け入れたら、すべては丸く収まるの?すがる思いで承諾したキアラだったが、初夜に誘惑の罠に落ち、純潔を捧げた翌朝、彼の冷酷な企みに怯えて城を逃げだした。5カ月後、彼女はウェイトレスとして働いていた。身重の体で。天涯孤独で生家までも失いかけているヒロイン。ヒーローの真の狙いが、後継ぎをもうけることだけだと気づくも、時すでに遅く…。スター作家が描く、激情ロマンス。
妹の結婚式だというのに、ケイトは祝福できずにいた。ずっと思い焦がれていた人を美人の妹に奪われ、あげく花嫁の付添人まで務めることになるなんて…。そんな彼女の深い悲しみを見抜いたかのように、花婿の付添人が青い瞳でこちらをじっと見つめてきた。ブレイク・ランドールー世界に名を知られた大富豪は、ケイトをダンスに誘い、笑わせ、体調や仕事の心配をし、あっという間に彼女の心を鷲づかみにしてしまう。無垢なケイトは気づきもしなかった。彼の本当の狙いさえも。
パーティに出席するためアマルフィに飛んだオーラは、大富豪トーレ・ロマーノと皮肉な再会を果たした。8年前、無垢な彼女はイタリアで出会ったハンサムな彼にたちまち心奪われ、愚にかもバージンを捧げた。しかし翌朝、残酷な彼の言葉が夢の夜を悪夢に変えた。“君も財産狙いだろう?”-以来、彼を避け続けてきたのに、昔より魅力を増したトーレは、母の治療費の工面に悩む失業中の彼女に、臨時秘書の職を提示してきたのだ。もしまた誘惑されたら…?そんなオーラの不安は的中する。
金の瞳に惑わされ、囚われた先は、 華麗な宮殿のハーレムだった。 王座を狙う父が王子ザキムを誘拐したと聞き、 ファラーはあわてて父のもとへ駆けつけた。 だが父は耳を貸さず、ザキムは食事を拒んでいるという。 このままでは父は死罪になってしまうわ! ファラーは一人、テントへ行き、彼に食べ物を与えた。 するとザキムは隙をついて縄を解くが早いか ファラーを馬に乗せ、王宮へと連れ去った。 ザキムが彼女を閉じ込めたのは、大理石の浴槽のある豪華な部屋。 ファラーは息をのんだ。「まさか……ここはハーレムなの?」 父の誤算で、傲岸不遜な王子にさらわれた無垢なヒロイン。ハーレムに囚われた彼女の純潔は、彼に奪われてしまうのでしょうか? R-3150『秘密の小さな姫君』の関連作です。
こんな結婚、やっぱり私にはできない!誓いの言葉を交わす寸前になって、花嫁のアニーサは逃げだした。婚約者がじつは同性愛者で、それをカムフラージュするためにアニーサをだまして縁談を進めていたと、式の直前にわかったのだ。ウエディングドレスを着たままホテルのエレベーターに乗りこんだ彼女は最上階の豪華なペントハウスで、見知らぬ男性とでくわした。本当はこの人のような男性と、情熱的に結ばれたかった…。彼の青い瞳に誘われて、アニーサは彼と一夜をともにする。彼がそのホテルのオーナー、セバスチャン・ウルフだと知るのは、数週間が過ぎ、お腹に宿した子の父親を捜しているときのことー
「母の誕生パーティに、恋人として同伴してくれないか?」プレイボーイ富豪バイロンの言葉に、クリーオは耳を疑った。化粧の仕方も知らない私が、大富豪の恋人役に?母親の押しつけてくる花嫁候補をかわすためだと彼は言うが、あかぬけない秘書の私を彼の恋人と思う人などいないだろう。しかし結局、バイロンの巧みな説得に負けたクリーオは彼のエスコートで華やかなパーティに臨んだ。不慣れなドレスとハイヒールを身につけ、彼の手が触れるたびに感じる胸のざわめきに戸惑いながら。
ロエルが交通事故に遭って、私に会いたがっている…?そう告げられて、ヒラリーは戸惑いを隠せなかった。ある事情から、大富豪ロエルと入籍はしたものの、4年前から一度も会っていない。私は誰も知らない妻なのだ。ヒラリーが病室に駆けつけると、ロエルは記憶を失っていた。当然のように私を妻だと思い込みー夜には求めてくるだろう。ロエルは知る由もなかったが、ヒラリーは彼を愛していた。だから、罪の意識にかられながらも言い出しかねていた。自分が男性経験すらない、みせかけの妻だということを。
7月の夕方、ベルはマンハッタンの高級住宅の前で震えていた。妊娠を伝えたのに、大富豪アンヘルはわたしを追い払った。大切なバージンを捧げた男性から、金めあてと罵られるなんて。失望したベルは、泣きながら故郷テキサスへと車を走らせた。けれど実家とともに見えてきたのは、黒いヘリコプターと…アンヘル!どうしてわたしを追いかけてきたの?彼はベルに、おなかの子のDNA鑑定を受けるよう迫ってきた。さらには、使用人でも見るような目で冷たくこう言い放つ。「赤ん坊がぼくの子なら、きみもぼくのものだ」
ケータリング業を営むアンナは、両親との生活を支えるため、妊娠7カ月になった今も休むことなく働いている。ある日、顧客の屋敷で晩餐会のコースを用意した彼女は、ダイニングルームに入ったとたん凍りついた。彼がいる…!おなかの子の父親、フランチェスコが!彼とはイタリア旅行中に出会い、ひと目で恋に落ちた。この晩餐の招待客である“イタリアからの大富豪”が、突然冷たく心変わりして私を捨て去った、最愛の男性だったとは。ふたりきりになると、フランチェスコは険しい目をして囁いた。「たまには本当のことを言ってくれ。ぼくの子なのか?」
ついに父との約束を果たす日がやってきた。ルシアーナはこれから、政略結婚の相手と正式に婚約するのだ。5年前、彼女は酔漢から救ってくれたセインと恋に落ちた。だが、彼がルシアーナの一族の敵、ガランシア国の王子だと気づき、泣く泣く黙って姿を消したー妊娠しているとも知らずに。秘密裏の出産と引き替えに、ルシアーナは冷酷な父と取り引きした。母子で過ごすのは5年間だけ。あとは言いなりになると。まさにプロポーズを受ける瞬間、別の男の人影が現れた。セイン!凍りつく彼女をリムジンに押し込むと、セインは悠然と走り去った。